タイルの施工方法は?屋外・水回り・床暖房のタイルの選び方も解説!
キッチンや外壁をタイルにしたい、床暖房にどうやって貼り付けるか知りたいなど、タイルの施工方法がわからなくて困っていませんか?実はタイルの施工方法は、モルタルを使う方法・接着剤を使う方法の2種類あるんです。そこで今回は壁面・床面それぞれのタイルの施工方法を詳しくまとめました。屋外や水回り、床暖房での施工で選ぶべきタイルについてもご紹介します。

タイルの施工方法は大まかに2種類

モルタルを使うか、接着剤を使うか


タイルの施工方法は、モルタルを使う「湿式工法」と接着剤を使う「乾式工法」があります。かつては熟練の技術が必要とされるモルタルが主流でしたが、最近では経験が少なくてもキレイに仕上がる接着剤張りも人気があります。
張付けモルタル、敷きモルタル、接着剤など多少の違いはあれど、基本的には、壁面も床面も似たような施工方法になります。

改良圧着張りの施工方法(壁面)

下地・タイルの両方にモルタルを塗る


改良圧着張りは、タイルを貼りたい場所とタイルの裏側に張付けモルタルを塗ってタイルを貼り付ける施工方法です。タイルを貼りたい場所だけにモルタルを塗る「圧着張り」を改良して、よりタイルが剥がれにくくなりました。
モルタルを多めに準備する必要がありますが、広い面積のタイル張りに使えます。外壁タイルの施工に使われます。

密着張りの施工方法(壁面)

外壁タイルの主流!目地も同時に仕上げる


密着張りは、下地にモルタルを塗って、振動工具をつかってタイルを貼り付ける方法です。目地(タイルの継ぎ目)も一緒に仕上げられるのが特徴です。
モルタルが少ない、タイルが圧着していないと剥がれてくるので、モルタルの扱いに慣れた職人向けの施工方法です。

モザイクタイル張り・マスク張りの施工方法(壁面)



下地にモルタルを塗って押さえつけ、シートを剥がす
下地に張付けモルタルを塗り、シートや紙にまとまったモザイクタイルを貼る方法です。モザイクタイルの裏側には何も塗らず、タイルをモルタル面に叩きながら押さえつけます。
張付けモルタルが完全に固まったら、モザイクタイル表面のシートを剥がして施工します。
マスク張りは、モザイクタイルの貼り付けで使う施工方法です。マスクと呼ばれる四角い網目状の板を使います。モザイクタイルをよりしっかりと接着させたいときに採用されます。
タイルの裏側にマスク(網目状の板)を置いて、モルタルを塗ります。マスクを剥がすと、目地のモルタルが取り除かれます。タイルの裏側は規則正しく四角いモルタルが並びます。

接着剤張りの施工方法(壁面・床面)

下地に接着剤を塗り、タイルを埋め込む


下地に接着剤を塗って、タイルを埋め込んでいく施工方法です。接着剤を波のようにデコボコさせることで接着面を増やし、タイルを付きやすくします。
接着剤を下地のみに塗るのが一般的ですが、タイル1枚が大きいときや激しく凸凹しているといった場合はタイル裏面にも接着剤を塗ることもあります。
床面(水回りは除く)の場合は、合板(木板)を下地にしてタイルを貼り付けます。

一般床タイル張り・大型床タイル張りの施工方法(床面)

モルタルとセメントペーストでタイルを叩き押さえる


一般床タイル張りは、床のコンクリート面に敷きモルタルを流し込んでタイルを貼る施工方法です。敷きモルタルが固まらないうちにセメントペーストを流しながら、タイルを叩き押さえます。面積が狭い床面に。
大型床タイル張りでは、敷きモルタルを流して均一にならした後、タイルを仮置きします。セメントペーストをタイル1枚ごとに塗り、すぐにモルタルの上に叩き押さえます。300mm角以上のタイルで採用されます。

床タイル圧着張りの施工方法(床面)

敷きモルタルと張付けモルタル両方を塗る


床タイル圧着張りは、敷きモルタルの上に張付けモルタルを塗って下地にします。張付けモルタルを塗ったら、すぐにタイルを叩き押さえる施工方法です。
広い面積かつ300mm角未満のタイル貼りで採用されます。

初心者は「接着剤貼り(乾式工法)」がおすすめ

モルタルのような難しい技術がいらない


タイル貼り初心者なら、モルタルを使った湿式工法よりも、接着剤を使った乾式工法を断然おすすめします。下地に接着剤を塗り広げてタイルを叩き押さえるだけの、シンプルな施工方法です。
モルタルは慣れていないと、デコボコしたり、剥がれたりして扱いが難しいです。熟練した技術がないと、経年劣化でどんどん粗が目立ってしまいます。
接着剤なら早く乾きますし、タイル貼りの経験がなくてもキレイに仕上がります。その他の素材を混ぜる手間も要りません。

屋外(外壁・塀・門・駐車場・庭)での施工方法

雨や日差しに強い、外装用タイルで施工しよう


外壁、塀、門、駐車場、庭など、屋外でタイルを使いたいとき。ここまでご紹介してきた湿式工法・乾式工法どちらでも施工できます。初心者におすすめな接着剤張りもok!
施工方法よりも重要なのが、タイルの選び方です。屋外では常に日光や雨にさらされ、外気に触れることになります。長年使っても変質しない、屋外向けに作られた「外装用タイル」を使用しましょう。

水回り(キッチン・浴室・洗面所・トイレ)での施工方法



吸水しにくい、セラミックタイル(磁器質・せっ器質)がおすすめ
キッチン、浴室、洗面所、トイレといった水回りも、湿式工法・乾式工法どちらでも施工できます。どの施工方法にするか迷ったら、初心者でも貼りやすい接着剤張りでDIYしてみてください。
水回りのタイルには、水に強い材質を選びます。水を吸収しやすい性質がある石材タイルは控えましょう。おすすめは、吸水しにくい磁器質・せっ器質のセラミックタイル(陶磁器製タイル)です。

床暖房へのタイルの施工方法

下地に合板を敷いて、10mm厚以下のタイルを選ぶ


タイルを床暖房に施工する場合は、下地に12mm厚くらいの合板(木の板)を敷きます。合板の上にタイルを貼り付けます。温かみが感じられるよう、10mm厚以下のタイルを選ぶことが推奨されています。
接着剤張りが主流なので、タイル貼り初心者の方でもチャレンジしやすいです!

【まとめ】施工方法は接着剤張りがおすすめ!外装・水回り・床暖房も◎

タイルの施工方法には、モルタルを使う湿式工法と接着剤を使う乾式工法があります。壁面・床面それぞれの名称はありますが、基本的な施工方法は「モルタルや接着剤を塗ってタイルを叩き押さえる」という部分で共通しています。
乾式工法の接着剤張りは、シンプルな工程・材料なので初心者でもキレイに仕上がります。屋外や水回り、床暖房にも使える万能な施工方法です。