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研磨する前にちょっと待った!珪藻土のメンテナンス

自然素材という安心感や、調湿など機能性の高さで珪藻土が人気となっています。しかし、登場してそれほど時間がたっていない素材だけに、戸惑うことが多いのも珪藻土です。

近年では、バスマットやコースターなど、珪藻土が使われている小物にアスベストが混入していたとして、大きな騒ぎになりました。

ここではまず、研磨して良い場合や、注意しなくてはいけない場合をお話しした後に、珪藻土のメンテナンス方法についてお話しします。

 

 

なぜ珪藻土の研磨は危険(かもしれない)なのか?

たとえば、珪藻土バスマットの取説には、メンテナンス方として「汚れが目立つようになったり、吸水性が悪くなったりしたら、サンドペーパーなどで研磨してください」などと書かれています。

しかし、むやみやたらに研磨することはおすすめしません。研磨する前にチェックしてほしいのが、そのバスマットにはアスベストは含まれていないのか?というところです。

 

研磨してはいけないアスベスト入り珪藻土

近年、一部の珪藻土バスマットやコースターから、基準を超えるアスベストが検出されたと大きな騒ぎとなりましたが、これらを研磨してしまうのは危険です。なぜなら、研磨クズに含まれるアスベストを吸入してしまうと、肺に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

 

研磨してよい珪藻土

心配な場合は、珪藻土グッズを製造しているメーカーや販売店に問い合わせましょう。そもそも珪藻土そのものは、人体に有害ではありません。珪藻土はせっかく優れた素材なのですから、「珪藻土=アスベスト=危険」という思考には陥りたくないものです。

 

 

珪藻土の壁のメンテナンス

珪藻土バスマットなどのグッズであれば、アスベストが含まれていないことを確認の上、研磨をおこなえばよいのですが、珪藻土の壁の場合、メンテナンスはどうすればよいのでしょうか。

結論から言うと、珪藻土の壁も研磨をすることに、問題はありません。しかし、珪藻土自体はもろい素材ですから、いきなり研磨してしまうのは、上手い方法とは言えません。

 

珪藻土壁のメンテナンスはハタキやホウキ

珪藻土壁の日々のメンテナンスは、表面に付いたホコリを落とすことでおこないます。ハタキやホウキを使って、表面をなでるように手入れをしてください。力を入れすぎると割れる可能性があります。

手入れで使ってはいけないのは、濡れ雑巾など水分を含んだものです。珪藻土は吸水性が高いので、水分と一緒に汚れも吸い込んでしまいますし、水を含みすぎると表面が柔らかくなりますから、珪藻土が落ちたり割れたりする原因になります。

 

珪藻土壁の汚れは消しゴムでこする

表面のちょっとした汚れなら、市販されている消しゴムで軽くこすることで落とすことができます。手あかなどが原因の軽い黒ずみなら、消しゴムだけで十分なメンテナンスができるでしょう。

 

しつこい汚れはメラミンスポンジ

汚れがシミになってしまっているケースでは、メラミンスポンジでこすってみましょう。ごく少量の水分を含ませて、表面をたたくのもよいですが、水分を含んだ珪藻土壁はもろくなりますから、力の入れ具合には十分に注意してください。

 

それでも落ちない珪藻土壁の汚れには研磨

メラミンスポンジでも落ちない汚れや、浅いキズはサンドペーパーで研磨します。用いるのはできるだけ細かい目のもので、できるだけ軽く研磨して、汚れやキズを消してしまいましょう。

注意点はしつこく研磨しないことです。やりすぎると、下地が出てきてしまう可能性があります。

 

 

珪藻土を塗りなおすというメンテナンス

浅いキズならサンドペーパーで修復できますが、深いキズになると研磨では修復が難しい場合があります。そんな場合におこなうのが、珪藻土を塗りなおすというメンテナンスです。

手順は、ホームセンターで珪藻土を購入し、水で溶いてコテで塗るだけなのですが、なかなか難しいのが現実です。珪藻土をキズの部分に塗ること自体は難しくないのですが、色を合わせるのが実に難しいのです。同じ色を買ってきたはずなのに、壁の色と微妙に違うということはよくあります。

仕上がりを見て「そんなものか」と納得できるならば、DIYでの修復も楽しいものですが、中途半端な仕上がりに納得がいかないだろうと思うなら、最初からプロに依頼して壁一面を塗りなおしてもらうことをおすすめします。

 

 

まとめ

アスベストが混入していた件でイメージが悪くなった珪藻土ですが、珪藻土そのものは、非常に良いものです。珪藻土の優れている点は、自然素材だから安心感があるところや、調湿など機能性の高さ、そして研磨である程度の補修ができるところです。軽い汚れなら細かい目のサンドペーパーでこすれば、落とすことができるでしょう。

ただし、表面を削り取る研磨は、落とせる汚れも限られています。やりすぎは禁物ですから、ご自身での修復が無理と判断したならば、プロに任せてしまった方が良いかもしれません。