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完全版|子ども部屋のリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜

せっかくリノベーションするなら、子どもたちにもかわくて楽しい部屋を用意してあげたいですよね。とはいえ子どもの成長は早く、好みや使い方に変化があることがほとんど。また、子どもが巣立った後に別の目的で使用するというケースも少なくないため、長い目で見ても満足できるようにしておきたい空間でもあります。

この記事では、「完全版|子ども部屋のリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜」と題して、リフォーム・リノベーションで快適な子ども部屋を作るために役立つ知識を、豊富な事例写真とともにお届けします。

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1.マンション子ども部屋リノベーション・リフォームのオシャレ事例

かわいい子ども部屋といっても、実際にどんな部屋なのかを想像するのは難しいですよね。まずは具体的な例として、おしゃれな子ども部屋リフォーム・リノベーションの事例を6つ紹介します。番外編もありますので、気になる方はそちらも合わせてご覧ください。

事例1:壁紙で遊ぶ(1) 黒板風クロス

まずはクロスにこだわった事例です。ダークな壁は黒板風のクロスで、実際にお絵かきもできます。かわいいだけでなく、遊びゴコロいっぱいのお部屋でワクワクしますね。

事例2:壁紙で遊ぶ(2) カラークロス

こちらもお絵描きのできるクロスです。このように少し明るいミントグリーンにするとお部屋の印象も開放的になって、のびのびと過ごせそうですね。

事例3:リビングとのつながり(1)解放感、子ども部屋だってオシャレに

リビングとのつながりを意識した子ども部屋の事例です。リビングにいても子どもの様子が分かるので安心ですね。
ガラス戸やカーテンで空間を分けられるようになっていて、プライバシーへの配慮もされています。

事例4:リビングとのつながり(2) 子どもが生まれる前に計画したのは、フレキシブルな部屋 

いずれ子どもは欲しいけれど、まだ実際にはおらず間取りを悩んでいるという方におすすめなのがリビング横の子ども部屋。子どもができたり、大きくなったりするまでは、扉を開放してリビングの一部として使えるところが嬉しいですね。

事例5:和室から子ども部屋に。内窓を付けて光も確保


リノベ前は和室だったというこちらの子ども部屋。ナチュラルなフローリングが素敵な心安らぐ洋室になっています。リビング横の部屋は外窓がなく閉塞的になりがちですが、このように内窓をつけるとリビングからの光や風を取り込むことができ、開放感も得られます。

事例6:将来巣立った後を考えて、子ども部屋は少なくて良い


こちらは実は寝室。ですが、日中は子どもたちが遊ぶ部屋として使える仕様になっています。寝室を就寝のためだけの部屋にせず、日中も別の方法で有効的に活用できるようにしておくと、無駄に部屋数を増やす必要がなくなります。部屋数が少なくすると、リビングなどの他の空間をより広げることができますよ。

番外編:大人も子どもも楽しいロフト

隠れ家のようなロフトは大人も子どももワクワクしますね。安全に配慮したロフトを作り、子どもが遊べる空間にしてあげるのも素敵ですね。子どもが成長した後は、夫婦の趣味の空間や収納としてもすぐに活用できるのも嬉しいポイントです。

2.子ども部屋リノベーション・リフォームのポイント

いざ子ども部屋をリノベーション・リフォームをしようと思っても、細かく決めることや考えることが多く、結論を出すまでに時間がかかったり、何をどこまで考えていたか忘れてしまったりすることも案外多いものです。ポイントを整理しながら、1つ1つ根拠を明確にして決めていくと抜けのないプランニングになります。また後悔のない子ども部屋を作るためには、少なくとも次のポイントをきちんと押さえておくと良いでしょう。

・子ども部屋の間取りの考え方
・子ども部屋と床
・子ども部屋と収納

・子ども部屋の使用目的

・番外編:子ども部屋と学び

それでは、ここからは上記のポイントについて1つずつ見ていきます。

子ども部屋の間取りの考え方

子ども部屋というと、1人1室というイメージがありますが、実際に子どもにとって個室が本当に必要な期間というのは案外短いもの。せっかく用意したものの子どもが独立した後の使い道に困るケースも少なくありません。特に複数のお子様がいる家庭では、子どもが全員独立するとそれに伴い複数の部屋が余ってしまうというリスクがあるため、いざとなると悩んでしまいますよね。まずは、本当に1人1室必要かどうかを検討しておくことがリノベーション・リフォームを行う上でとても重要になります。

また最近では、子ども部屋は子どもたちの就寝や収納場所として機能すれば良いと割り切ってしまう家庭も。その場合、不要なスペースを作らずに済むのはもちろん、子どもがリビングで過ごす時間が増え家族のコミュニケーションがとりやすくなるなどのメリットもあるため一考の価値がありそうです。

間取りを決める際には、まず根拠のない先入観から離れ、実際の生活と向き合いながら優先順位を決めるところから始めてみると、結果的に「満足度の高い我が家」に近づきます。もう少し詳しく知りたい方は下の記事も参考にしてください。

◾️参考記事
子ども部屋はいくつ必要?〜リノベーション間取りの悩み〜
5人家族に最適な部屋数とは、マンションと一戸建てに分けて分かりやすく紹介

別の考え方として、予め用途を決めた部屋を用意するのではなく「状況に合わせて変化できる部屋」にしておくことで、長い目で見ても有効的に活用できるようにしておくという方法もあります。子どもの数や成長段階、関係性、性別、年齢によってそれぞれ使い方が変わってくるため、将来的に柔軟な対応ができるよう準備だけしておいて、今後必要性が出てきた時に部屋を変化させるという計画です。

例えば、初めは大きな1室にドアや窓、照明や収納を複数つけて広々とした空間で利用し、いざとなったら間に壁や仕切りを作って複数の部屋に分けるといったような方法があります。部屋を分ける方法にはインテリアやパーティション等を使った簡単なゾーニングのみで済ませることもできます。ただし、その場合にはお互いの空間の音漏れ等プライバシーが守られにくいリスクがあることは頭に入れておく方がいいでしょう。また、床から天井近くまであるような大きな家具は地震等によって転倒するリスクもあるため避けた方が無難です。本格的な壁を取り付けるような工事をする場合には、追加の予算が必要であったり、場合によってはマンションの管理規約に引っかかる・構造上どうしても叶わないケースがある…など希望の工事ができないこともあるので予め確認しておくと良いですね。

近年では可変性のある空間の人気は高く、収納棚等も成長に合わせて高さを変えられるようにしておくなど「変化に対する柔軟さ」が求められているようです。家は長いと50年以上使うこともあるため、可変性があることは特に使い勝手の面でメリットがあります。その点は子ども部屋についても同様だと言えるでしょう。

◾️参考記事
マンションリノベーションで可変性のある子ども部屋に  
子ども部屋と書斎がポイント!ちょうどいい部屋数とは?  

少し違った角度で考えると、あえて部屋ではなくロフトを子ども部屋にするというケースもあります。

ロフトとは、その多くが「天井を高くして部屋の一部を2層式にした上部空間」のことを指します。作り方によっては、屋根裏のスペースを有効的活用でき、隠れ家のようでワクワクする空間になりますが、一方で、常に梯子を使って登ることのリスクや気温が上がりやすく過ごしにくくなる可能性があるなど、メリットとデメリットが大きく分かれるのも事実。ロフトを子ども部屋にする際には、デメリットに対してしっかり対策はできるのか等を予め丁寧に考えておく必要がありそうです。

◾️参考記事
子ども部屋をロフトにするメリットとデメリット。暑さ対策も忘れずに

 子ども部屋と床の問題

マンションでも特に気になるのが「音」問題。育ち盛りのお子様がいる家庭では、のびのびと過ごさせてあげたい反面、近隣の家と騒音問題を起こしたくない、迷惑がかからないように静かに過ごしてほしいという気持ちもありますよね。音は様々な伝わり方をするため、複数の対策が必要になることもありますが、その分予算は多くかかってしまいます。全てに対策できない場合でも、できる限りストレスの無い日常生活を送るには、まず優先的に対策するべきなのはどこかを意識してプランを検討しましょう。

なお、リノベーション・リフォーム時に防音対策ができる大きな要素としては、床・壁・窓の3つがあります。その中でも特に重要なのが床。毎日足音を立てないように気をつけて歩くのは大人でも辛いものがありますよね。せめて気軽に歩いたり、多少子どもが元気良く過ごしていても気にしなくて済む程度になるような対策はしておきたいものです。

具体的な対策としては、衝撃音吸収素材や遮音性能のある床材を使うことで、下のフロアへの音や振動の影響を小さくすることができます。また、壁なら遮音シートや吸音材を詰めてその上から石膏ボードやクロスを貼って音漏れを防いだり、窓に関しては、二重サッシに変える、またはマンションによってそれが叶わない場合には家の中でできる方法として内窓を設置するなどといった対策もあります。最近では高性能な床材や壁材もあるので、リノベーションを機にできるだけ音に対するストレスが少なくて済む家に作り替えることも検討してみると、子どもがのびやかに過ごせるだけではなく、大人も気持ちが楽になり、家族みんなが快適な日常生活を送れそうですね。

◾️参考記事
音が気になる子ども部屋。マンションリノベーションでできる対策とは? 
子どもと暮らす家の床材5選。マンションリノベーションで快適に ‎  

子ども部屋と収納~成長に伴うモノの収納について~

子どもがいる家庭ではモノが多くありませんか?せっかく片付けても気が付けばまたすぐに散らかっていたり、収納がうまく機能していないことも。そんな収納問題ですが、実はリノベーション・リフォームで解決できる場合があります。ポイントは「片付ける場所」を予め考えておくこと。そして「先入観にとらわれないこと」です。

例えば、子どもが小さいうちはリビング収納の一部を子どものクローゼットとして活用する想定にしておくといった方法があります。リビングにクローゼットがあると、子どもが自分で着替えを取りに行ったり、食べこぼしなどとっさの着替えの時にも服が取りやすかったりと親子で使いやすいのが特徴です。もちろん大きくなったら本来のリビング収納として活用すれば良いだけなので大掛かりな工事も不要。子どものものは子ども部屋に…といった先入観に惑わされず、どこに何があれば少ない動線で生活できるかを考えると住み心地の良い家になります。そして、子どもの成長に合わせて収納場所が変えられるようにしておくとより使い勝手が良くなりますよ。

また「子どもが自ら片付けてくれる収納」なら親の片付けの手間が省ける上に、子どもの教育としても嬉しいですよね。子どもが使いやすいように成長に合わせて高さを変えられる可動棚にしたり、箱に入れるだけや簡単に並べるだけ…などといったシンプルな収納方法にしたり、統一感を持たせて整然と見えるような工夫をしたりと、「片付け=楽しい、気持ちが良い」と子どもの気分が上がるような収納にすれば、自ら進んで片付けてくれることも増えそうですね。

◾️参考記事
子供服の収納はリビングが便利!  
子ども部屋を大変身!片づけしやすい!こだわりのキッズルームに!  
子どもも楽しみながらお片付け!わくわくするおもちゃ収納  

子ども部屋の使用目的~勉強・睡眠・遊びの場所~

子ども部屋と一口に言っても、その使用目的は様々あり、また子どもの成長段階によっても変わってきます。

例えば、未就学児・小学生・思春期以降では自分の部屋を何に使うのかが大きく異なるものです。未就学の頃は収納や遊び場としてがメインになりやすく、小学生は勉強や読書または夜1人で寝る練習をする場所として、思春期は勉強はもちろんプライベート空間として使うことが多いようです。とはいえ、こうして見ると未就学の頃の収納や遊び場といってもそれは親と過ごすリビングであることの方が使い勝手が良いので、必ずしも個室が必要というわけではなさそうです。また、小学生の勉強の場所については、今はリビング学習で親の目の届くところでやるというのがトレンド。夜の睡眠も小学生の低学年のうちは親と一緒に寝る子も多いため、本当に必要なのは小学校の高学年など思春期の頃からと言えそうですね。

また、これらの理由からあえてリビング横を子ども部屋にして、リビングの一部としても子ども部屋としても使える間取りにしておくという方法もあります。いつの時期に、何のために、何が必要かということを予め考えておくと、無駄な空間を作らずに効果的な使い方をすることができます。

◾️参考記事
子ども部屋は必要?年齢別の使用目的から子ども部屋のことを考えてみよう
知っておきたい!『リビング横に子ども部屋』のメリット・デメリット
子ども部屋の広さはどれくらいが適切?広さ別に使い方も紹介  

番外編:子ども部屋と学び~学べるインテリア~

子どもが小さいうちは何かと知育を意識したいというご家庭も多いはず。有名な幼児教育の1つに「モンテッソーリ教育」がありますが、最近ではこのモンテッソーリ教育を自宅で行う「おうちモンテ」も人気があります。

「おうちモンテ」をするためのポイントとしては「子どもサイズの本物」を用意すること。モンテッソーリ教育では「自分で選んで自分でやる」ことがコンセプトの1つでもあるため、まずは子どもが選びやすい環境を作ってあげることが大切です。そのために、家具や収納を子どもサイズで用意して、子ども専用のスペースを作ってあげたり、おもちゃや絵本が選びやすくなるようなゆとりのある収納にしておく必要があります。モンテッソーリ教育を意識した子ども部屋を作ってあげると、子どもが「ここは自分のための空間」だと明確に意識することができ、自立への一歩を踏み出しやすくなりそうですね。

◾️参考記事
知育を意識した、子どもと暮らす部屋作り~インテリアから始める「#おうちモンテ」

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3.マンション子ども部屋リノベーション・リフォームの費用相場

【一般的な広さの子ども部屋の場合】

・フルリノベーション 1000万円前後
・間仕切り壁を作る等の部分的な工事 10万円弱〜数十万円前後

子ども部屋のリノベーション・リフォームをする際、工事の規模や内容にもよりますが、一般的な広さの部屋での費用相場は1000万円前後になります。間取りを変えるなど大掛かりな工事が複数必要になることが多いため、その分予算も必要になってきます。それに対して、間仕切り壁を作ったり、防音対策の床材にしたり、クロスを貼り替えたり…と、部分的な工事の場合は10万円弱〜数十万円前後が一般的な相場になります。長く住んでいると補修などが必要になる場合もあるため、相場を参考にして計画的に資金を用意できると安心ですね。

◾️参考記事
知りたい!子ども部屋リノベーション・リフォームの費用相場

4.マンション子ども部屋リノベーション・リフォームの工期目安

【一般的な広さの子ども部屋の場合】

・フルリノベーション 1〜2ヶ月程度
・間仕切り壁を作る等の部分的な工事 1〜3日程度

こちらも費用相場と同様に、工事の規模や内容にもよりますが、一般的な広さの部屋での工期としての目安は1〜2ヶ月程度になります。とはいえ、マンションの管理規約や材料の納品状況等によってそれ以上に長引く場合もあるため注意が必要です。また、プランの作成に時間がかかるケースも多く、工期とは別の準備期間として、数ヶ月を見込んでおくと良いでしょう。それとは別に間仕切りの壁を作るだけ、部屋のクロスを貼り替えるだけなど部分的な工事で済む場合は1〜3日程度であることが多いです。こちらもプランの作成など打ち合わせの期間は含まれていないため注意してください。

◾️参考記事
リノベーション・リフォームで子ども部屋を作るなら、どんな工事内容で工期はどのくらい?

5.リノベーション・リフォームで、子ども部屋を作る時の注意点

リノベーション・リフォームの際に特に注意しておきたい点は大きく分けて3つあります。

・マンション側の問題をクリアしているか
・今だけではなく成長した後のことも見据えているか

・家族全員にとって良い子ども部屋になっているか

まず1つ目のマンション側の問題というのが管理規約や構造上の問題です。技術的には可能でも、規約上不可能な場合(例:窓のサッシや床材が指定されているなど)もあるため、プランを計画する段階で「マンション側からの制約はどんなことがあるのか」について、可能な限り確認しておくことが望ましいですね。

2つ目は、繰り返しになりますが子どもは成長するものです。成長に伴い、好みや価値観も変わります。子どもの数が増えることもあったり、成長して自立して巣立つことも考えなければなりません。長年住む家だからこそ、様々な変化にできる限り対応できる可変性を持った部屋にしておいたり、プライバシーの問題等今後生じてくると考えられる問題には今のうちからできる対策をしておくなど、先々のことも考えてプランニングをしましょう。

3つ目に、子ども部屋は子どものための部屋ではありますが、あまりに充実させてしまった結果子どもが引きこもってしまい家族間でのコミュニケーションが取りにくくなったケースもあるようです。親の管理が行き届く位置にあるか、お互いの存在を適度に感じられるかなど、家族にとっても価値のある子ども部屋であってほしいですよね。また、だからといって窓のない暗い位置で我慢させるのではなく、室内窓を採用したりするなど代用のものを使って工夫することもできるので、まずは家庭の中の優先順位とそれによって起こる問題点をはっきりさせましょう。そうすれば、悩みがちな間取りも堂々巡りにならずに済み、改善案や解決策が見つけやすくなります。

◾️参考記事
子供部屋のリフォームをしたい!リフォームの前に知っておくべきこととは?
子ども部屋のマンションリノベーションにおける注意点まとめ
マンションリノベーションで気を付けたい、子ども部屋でよくある失敗

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まとめ

いかがでしたか。子どもの成長と共に使い方が大きく変わってくる子ども部屋。限られたスペースを有効的に使うためにも、今後どんな使い方をするかある程度予測してプランニングすると、後悔の少ないリノベーションになります。大切な部屋だからこそ、いつまでも家族みんなが愛せるような空間にしたいですね。