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完全版|お風呂・浴室のリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜

日々の疲れを癒してくれるお風呂の時間を大切にしている人も多いのではないでしょうか。自宅のお風呂が快適だと、家での生活が思わず楽しくなるもの。しかし、お風呂のリノベーション・リフォームを検討するとなった時、「どのようなお風呂を選べばいいのか」「どれくらい費用がかかるのか」などわからないことも多いはずです。

そこで今回は「完全版」と題して、お風呂のリノベーション・リフォームにおけるポイントを総まとめ。ダイジェストで紹介していきますので、リノベーションを検討する際の参考にしてくださいね。

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1.お風呂・浴室リフォームの費用・内訳・工期の目安

お風呂リフォームの費用相場は、住宅で広く採用されているユニットバスであれば50〜150万円程度。この後ご紹介する在来工法だと費用が高くなる傾向にあります。リフォーム費用の内訳として含まれる項目は主に次の通りです。

  • お風呂本体の価格(ユニットバスの場合、グレードによって費用が変わる)
  • 工事費(解体費、給排水工事費など)
  • その他費用(仮設工事費、諸経費)

お風呂リフォームの工期の目安

費用と合わせて確認したいのが、どれくらいの工期がかかるのかという点ですよね。工事の内容によって期間は異なりますが、おおむね4〜7日程度と見ておけばいいでしょう。

  • ユニットバスの交換:約4日
  • 在来工法⇒ユニットバス:約7日
  • 在来工法⇒在来工法:約7日〜

■参考記事
・お風呂・ユニットバスのリノベーション価格の悩みを解決
・マンションのお風呂リフォーム〜ユニットバスを徹底解説!素材・費用・工期
・お風呂をリフォームしたい!気になるその費用と工期は?
・浴室リフォームにかかる期間はどれくらい?

2.お風呂の工法の種類と費用、費用を抑えるアイデア

お風呂と一口に言っても、工法の種類によって工事内容や費用感が異なります。

主な工法は「ユニットバス」と「在来工法」

日本の家で多く採用されているのはユニットバスですが、築古物件やこだわりの強いデザイナーズ物件などでは在来工法による浴室も見られます。

  • ユニットバス:工場で製作されたユニットを現場で組み立てて設置する浴室
  • 在来工法:通常の部屋と同様、床・壁・天井から作り込んでいくタイプの浴室

工法別にみる費用相場

ユニットバスはグレードが幅広く、スタンダードなものであれば比較的リーズナブルに交換・設置が可能。ハイグレードのものになるほど費用が高くなる傾向にあります。在来工法は家の状況に合わせたオーダーメイドとなるため、ユニットバスよりも費用は高め。工法および工事の種類別にみた費用相場は次の通りです。

  • ユニットバスの交換:約50〜150万円程度
  • 在来工法⇒ユニットバス:約65〜150万円程度
  • 在来工法⇒在来工法:約50〜200万円程度(拡張や移動を伴う場合:約75〜250万円程度)

なお、お風呂はヒートショックや転倒などお年寄りにとって危険の多い場所。費用は高くなりますが、お年寄りのいる家ではバリアフリーを意識した浴室を検討するのもおすすめです。

■参考記事
・お風呂リフォームにはどんなものがある?工法別にみる費用相場
・お風呂のリノベーション費用相場〜ネコ足バスタブからユニットまで〜
・バリアフリーを意識したお風呂のリノベーション

費用を抑えるアイデア

快適なお風呂を手に入れたいとは言え、できれば費用を抑えたいというのが多くの人の本音。ユニットバスはグレードによる価格幅が大きいので、スタンダードタイプのものを選ぶようにすると費用を抑えられます。在来工法であれば全体をリノベーションするのではなく、浴槽やシャワー部分など交換箇所を絞ってリフォームすれば費用を削減できるでしょう。

通常ユニットバスだと浴室全体を交換せざるを得ませんが、最近では傷んだ箇所のみを修繕することで費用を抑える「エコバスリフォーム」という手法も広がっています。

■参考記事
・お風呂のリフォームを格安に仕上げるアイデア
・「エコバスリフォーム」って?お風呂を「手軽に&安く」リフォーム!

3.お風呂サイズ・素材・+αの機能と費用

お風呂リフォームの費用感に影響を与える要素としては、工法の他にサイズや素材が挙げられます。続いては、お風呂のサイズと素材、+αの機能について見ていきましょう。

お風呂の広さは0.75坪〜が標準

お風呂のサイズを考えるにあたって意識したいのが、浴槽の幅と体を洗う部分の広さ。浴槽の幅は130cm〜、人が洗うスペースの広さは80×1oocmというサイズ感が目安です。このサイズ感を満たすお風呂の広さとなるとおおむね0.75坪以上、広く使いたいなら1坪以上と考えれば問題ないでしょう。

ユニットバスでは、短辺×長辺の長さを表した「1216(短辺1,200mm×長辺1,600mm)」「1618(短辺1,600mm×長辺1,800mm)」といった4桁のサイズ表記が一般的。0.75坪以上のものがほとんどですので、一人で入る分には支障ありません。

■参考記事
・リノベーションでお風呂をサイズアップ!気をつけたいポイント5つ

機能性にも影響するお風呂の素材

浴室の床・壁・天井、浴槽の素材はお風呂の機能性や快適性を左右する大切な要素。使用する素材のグレードによって、お風呂リノベーション・リフォームの費用感も変わってきます。主な素材の特徴やメリット・デメリットについて知りたいなら、こちらの記事がおすすめです。

■参考記事
・お風呂のリノベーションにはどんな素材を選ぶ?それぞれのメリット・デメリットをご紹介
・タイルを使ってオリジナリティのあるお風呂にリノベーションしよう

高機能水栓に追い焚き機能 +αの機能で快適なお風呂を実現

予算に余裕があるなら水栓や追い焚き機能など+αの機能にもこだわることで、より快適なお風呂リノベーションを実現できます。特に水栓やシャワーヘッドなどの洗うための設備は、高機能でハイグレードなものを選ぶと思わず高価になることも。機能性とコストのバランスを検討した上で、ライフスタイルに合ったものを選ぶのがおすすめです。

■参考記事
・お風呂の快適性は水栓で上げる。シャワーヘッドにも注目
・追い焚き機能を後付けしてお風呂を快適に。マンションや賃貸でもできる?

4.お風呂リフォームのタイミングと工事の流れ

お風呂リフォームを検討する上で大切なのが工事のタイミングと施工の流れです。ここでは、お風呂リフォームのタイミングの見極め方と工事の流れについて確認していきます。

汚れや傷はもちろんライフスタイルの変化もリフォームのタイミング

お風呂リフォームのタイミングを判断するにあたって、もっともわかりやすいのが表面の汚れや傷。お風呂は使用頻度が高い水回りですから、家の中でも変化が生じやすい場所と言えます。見た目の変化以外にも、例えば子どもが生まれる・独立するといったライフスタイルの変化もリフォームのきっかけになるでしょう。

■参考記事
・お風呂のリノベーション・リフォームをするタイミングはいつが良い?費用や注意点についても紹介

一般的な工事の流れ

ユニットバスの交換であれば、既存ユニットバスの解体⇒木工事(木材で枠組みを作るなど)⇒新たなユニットバスの組み立て⇒給排水・電気関係工事という流れになります。在来工法からユニットバスへの交換となると、ここにコンクリート基礎工事や給排水工事などが加わるため、工期が余分にかかるのです。いずれの場合も工期中に数時間家の水が止まる時間帯が発生しますので、工事スケジュールには注意が必要です。

■参考記事
・お風呂のリノベーション・リフォームの前に知っておきたい施工の流れを紹介!発注前に気をつけたいポイントは?

5.マンションお風呂リフォームの落とし穴・注意点

マンションは区分所有建物であるため、お風呂リフォームを検討する際には特有の落とし穴や注意点が存在します。マンションお風呂リフォームを予定しているなら、事前に次のポイントを押さえておきましょう。

  • マンションの管理規則、使用細則を確認しておく
  • マンションの築年数と排水管修繕のタイミングを確認しておく
  • ユニットバスが入っている場合には、浴室空間自体の広さを確認しておく

■参考記事
・マンションで、戸建てで!お風呂リノベーションのポイントと注意点を解説
・マンションお風呂のリフォームをしたい!注意すべき点は?

6.マンションで人気のお風呂リフォーム・リノベーションの事例

マンションだとユニットバスを採用することが一般的なため、こだわりのお風呂リフォーム・リノベーションをするのは難しいと考える人が多いかもしれません。しかし、マンションでもあえて在来工法を採用することで、ユニットバスでは実現できないこだわりの詰まったお風呂に仕上げた事例もあるのです。

一目惚れしたバスタブを入れるための在来工法

曲線状の独特なフォルムがおしゃれなこちらのバスタブ。この家のオーナーが一目惚れしたバスタブなのですが、大きさも特徴的だったために規格化されたユニットバスでは収まりませんでした。バスタブを設置したいという思いから在来工法を採用。バスタブだけでなく、床や壁のタイル・シャワーに至るまで自分好みのものをチョイスし、オンリーワンのこだわりバスルームが完成しました。

テラスハウスの特徴を活かした在来工法のお風呂

続いて紹介するのは、テラスハウスの一室をリノベーションした家のお風呂。テラスハウスとは主に2階建ての長屋のことで、集合住宅でありながら戸建てのような自由度がある点が特徴です。そんなテラスハウスの長所を生かし、お風呂は在来工法で仕上げ。床・壁のタイルを洗面所と統一、間仕切りの戸をガラスにすることで開放感のある空間を実現しています。

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7.オススメのメーカーと特徴

お風呂リフォームで製品を選ぶ際、どのメーカーにすればいいのかわからない人も多いことでしょう。メーカー選びに悩んだときに参考にしたい、オススメのメーカーと製品の特徴をまとめて紹介します。

お風呂時間を特別にしてくれる「リクシル」

オススメメーカーの1社目はリクシル。戸建て住宅向けの「アライズ」、戸建て・マンションどちらでも採用可能なハイグレードタイプ「スパージュ」などで知られています。

リクシルのお風呂の特徴は、肩湯を流すことができる「アクアフィール」や浴槽のお湯が冷めにくい「サーモバスS」といったプラスワンの機能性に優れていること。加えてデザイン性の高さも評価されています。一日の疲れを癒すお風呂時間を特別なものにしたいという人は、リクシルのお風呂がオススメです。

■参考記事
・お風呂をリノベーションしたい!リクシルにリノベーションするメリットとは?

使いやすさを重視するなら「TOTO」

トイレで有名な「TOTO」もオススメのメーカーです。TOTOのお風呂の特徴としてもっとも有名なのが、表面が柔らかくて温かい「ほっカラリ床」。ヒートショックの予防になるだけでなく、汚れがつきにくく掃除がしやすいという機能性の高さが特徴です。「床ワイパー洗浄」を取り付ければ、ボタン一つでお風呂の床の洗浄が完了。仕上げにTOTO独自の技術である「きれい除菌水」を流し、カビやピンク汚れを防ぐという便利な機能です。

お風呂の安全性や使いやすさを重視するという人なら、TOTOのお風呂がオススメです。

■参考記事
・お風呂をリノベーションしたい!TOTO浴室にするメリットとは?
・TOTOのリフォームの特徴や費用を知りたい!トイレやお風呂のリフォーム事例もご紹介

8.お風呂リフォームのDIY

先ほど紹介した通り、お風呂リフォームは比較的安価なユニットバスの交換でも50〜150万円程度の費用がかかります。DIYでリフォームできれば費用が浮くのではないかと考える人もいるかもしれませんが、結論から言うとおすすめできません。

お風呂は水を大量に使う場所であり、施工不良によって漏水が発生すれば大惨事になりかねません。素人目ではしっかり防水できているかを判断するのも難しいので、本格的なリフォームはプロに依頼するのが基本と考えましょう。ただし、シャワーヘッドや蛇口の交換、壁シートを張るといった程度の作業であればDIYでも可能です。

■参考記事
・浴室のDIYリフォーム。できること・できないこと

9.お風呂リフォーム・リノベーションと補助金

お風呂リフォーム・リノベーションは各種補助金制度の適用が可能です。お風呂リフォーム・リノベーションで使える補助金としては、主に次の3種類が挙げられます。

  • 介護保険による補助金(バリアフリーリフォーム)
  • 地方自治体による独自の補助金(バリアフリー、省エネリフォームなど)
  • 国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」による補助金

補助金が適用できるかどうか、複数の補助金を併用できるかどうかなど、詳細は制度主体やメーカーなどに確認しておきましょう。地方自治体の補助金では自治体内にある企業による施工しか対象にならない場合もありますので、施工会社選びも注意が必要です。

■参考記事
・お風呂のリノベーション・リフォームに補助金を活用!内容や対象となる工事・申請方法についても紹介

10.お風呂リフォーム・リノベーション費用を抑える方法

お風呂リフォーム・リノベーションの費用は、大半が製品価格と工事費で占められています。全体費用を少しでも抑えたいのであれば、製品価格・工事費を下げられる方法を考える必要があります。

製品価格を下げる方法としては、製品のメーカーやグレードを見直すのが基本。また、メーカーの特約店となっている業者を選ぶことで、お目当ての商品をセール価格で手に入れられる可能性が高まります。工事費を下げる方法としてもっとも一般的なのが、予算を伝えた上で相見積もりを取ること。1社からしか見積もりを取らないと相場感が掴めないため、工事費が高くても気付けないのです。

費用を抑える方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

■参考記事
・浴室リフォームを格安にする2つの方法
・浴室のリフォーム費用を抑えるための4つのコツ

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まとめ

今回はお風呂リフォーム・リノベーションについて、あらゆる角度からポイントを解説してきました。リビングや居室に比べるとリフォームの優先度が下がりがちなお風呂ですが、家族の疲れを癒す大切な空間でもあります。お風呂が素敵な空間に生まれ変わるだけで、生活に彩りがプラスされると言っても過言ではありません。

この記事で紹介したポイントや参考記事を読みながら、家族のライフスタイルに合ったお風呂リフォーム・リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。

<こちらの完全版も合わせてチェック>
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