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完全版|パントリーのリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜

便利なキッチン収納として、近年人気のパントリー(食品庫)ですが、いざリフォームやリノベーションのために設置の検討を始めると具体的なサイズ感などピンとこないことも多いもの。
そこで、この記事では「完全版|パントリーのリフォーム・リノベーションのガイド〜種類・費用・事例まとめ〜」と題して、素敵なパントリーを作るために役立つ知識を、実際の事例写真とともにお届けします。

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1.どんなパントリーがいい?まずは3つのおしゃれなパントリー事例をチェック

まずは、リフォーム・リノベーションで作るパントリーにはどのようなものがあるのでしょうか。実際に作られたおしゃれなパントリーの事例を見てみましょう。

事例1:大容量なのにごちゃつき感ゼロ!洗練されたパントリー

清潔感のある白で統一されたウォークインタイプのパントリーの事例です。物が多いパントリーはごちゃついて見えたり、使いにくくなりがちですが、こちらのパントリーは棚や収納BOXを効果的に使用し、美しく整理整頓されているのでストレスなく使えそうですね。たくさんの物を収納する場合、ケースや内装の配色を揃えると統一感が生まれてスッキリします。

事例2:ストライプのクロスが映えるおしゃれな扉付きパントリー

ストライプクロスがかわいいこちらのパントリーは、壁付キッチンのすぐ横に設置されていて効率の良い家事ができるようになっています。
使いやすいパントリーを作るには、まず設置する位置が重要。このようにキッチンから近い場所にあると、動線が短くなり結果的に時短にも繋がります。大きな扉が付いていて、開けておけばアクセスが楽になり換気もできます。また、閉めれば中が見えなくなるため、キッチンを使わない時や、来客時等に丸見えにならずに済むのでとても便利ですね。

◾️参考記事
リフォーム事例【キッチンデザインの教科書】15.収納~パントリー事例|見た目も収納力も◎!4選<間取り紹介>~

事例3:アクセス良好なのにリビングからは見られにくい技アリパントリー

こちらはキッチンの奥に扉のないパントリーを設置した事例です。空間のアクセントになっている入り口のタイルのおかげで、全体が垢抜けて見えるだけでなく、リビングから見た時にパントリーの奥までは目が向きにくくなっています。また、扉がないことでスムーズなアクセスが可能になったり、パントリーで悩みがちな換気問題も解消できたりと、いろいろな工夫が施されているまさに「技アリ」のパントリーです。

まだある!おしゃれなパントリー事例

おしゃれなパントリーはまだまだたくさんあります。いろいろな事例を見ながら、自分の好みに合うパントリーをいくつか見つけていくと、具体的にどんなパントリーが理想なのかををイメージできるようになります。事例をお探しの際には、以下の記事も参考にしてみてください。

■参考記事
オシャレなパントリーのリフォーム事例をまとめてみました

2.パントリーとは?パントリー設置のメリット・デメリット

事例をいくつか見てきましたが、パントリーにもいくつか種類があることはご存知でしたか?また、とても便利なパントリーですが実は使い方によってはデメリットが発生してしまうということも…
ここでは、改めてパントリーの種類やメリット・デメリットについて改めて確認していきましょう。

パントリーの種類

パントリーには大きく分けて以下の3種類のタイプがあります。

1:壁付け(浅型)タイプ
比較的どんなキッチンにも取り入れやすく、物の出し入れも簡単に済むのでパントリーとしては使いやすいタイプです。設置する幅によっては収納量の少なさがネックになりますが、食料品などのストックがそんなに多くないという方には十分なことが多いでしょう。

2:ウォークインタイプ
人が入るスペースを確保した、収納量の多さが強みのタイプです。整理整頓の仕方によってはおしゃれと使いやすさが両立した空間にもできます。ただ、スペースが必要になるために、他の空間を削る必要がある点と、きちんと整理ができなければ、物が溢れてかえって使いにくい空間になってしまう点には要注意です。

3:ウォークスルー タイプ
ウォークインタイプに似ていますが、出入り口が複数あることで若干ウォークインタイプより収納量は減りますが、ますます効率的な家事が可能になるタイプです。家族など複数でも使いやすかったり、換気がしやすかったりとメリットも多い反面、最もスペースが必要になることと、間取りも動線を考える工夫をしなければいけないため、設置する難易度は他に比べて高めと言えるでしょう。

◾️パントリーの種類をもっと詳しく!
パントリーにも種類がある!我が家にぴったりのパントリーとは?

パントリー設置のメリット・デメリット

人気の高いパントリーですが、作り方や使い方によっては上手く活かし切れずに後悔してしまうことも。メリット・デメリットを把握して、必要性の有無や設置するべきサイズ等を確認しておくと良いですね。

【メリット】

 ・収納量が増え、たくさんの物をしまっておける
 ・効率的な家事ができ、時短に繋がる
 ・キッチン等に物があふれずスッキリして見える
 ・おしゃれに整理できれば気分があがる空間になる

【デメリット】

 ・費用がかかる
 ・スペースが必要になるため間取りに影響が出る
 ・整理整頓しないと、物が溢れて使いにくくなる
 ・パントリー内の湿気やにおいの対策が必要になる

パントリーにはメリットとデメリットの両方があり、「ひとまず作っておけば良い」というものでもなさそうです。メリットを最大限に活かしつつ、デメリットについて極力カバーできるサイズに抑える…といったようなバランスの良いパントリーが望ましいでしょう。そのためには、自分たちのライフスタイルに合った使い方や大きさ、位置などがポイントになるため、具体的なパントリーの使い方について事前に検討しておくと良いですね。

◾️パントリーを作る前に考えたいメリット・デメリットをもっと詳しく!
憧れのパントリー!作る前にメリット・デメリットをチェック
すっきり収納を叶えるキッチンパントリー。おさえておきたいポイン

3.使いやすいパントリーの作り方

貴重な空間を無駄にしないためにも、使いやすさを左右するポイントについては予め押さえておきたいものです。使いやすいパントリーにするために、様々な角度から検証してみましょう。

使いやすいパントリーとは?

パントリーにはたくさんの物があるため、目的の物を「取り出しやすく、しまいやすい」環境を作ることが大切です。適度な量のストックを、手に取りやすい状態で保管し、換気や湿気対策などを施してきちんと管理できる形で作りましょう。また、設置する位置によってはキッチン周りの家事の効率化も期待できるため、動線を意識して作るとますますパントリーの良さを実感できるでしょう。

◾️参考記事
パントリーの使い勝手の良さは使い方次第。使いやすくするポイント
キッチンリノベーションで注目!パントリーってどんな空間?

パントリーにおすすめの位置や間取りは?

パントリーには、食品や飲料のストック、食器、調理家電などをしまうことが多いため、できるだけキッチンに近い位置に設置するのがおすすめです。また、最近では通販やお店でまとめ買いする家庭も多く、大量の食材を運び込む機会が多いことを考えると、玄関とキッチンの動線上にパントリーを設置すればより使い勝手の良いパントリーになります。

◾️参考記事
リフォーム事例【キッチンデザインの教科書】15.収納〜パントリー事例|見た目も収納力も◎!4選<間取り紹介>〜
パントリーの間取りのヒント

パントリーの大きさや奥行きはどうする?

基本的な「パントリーの大きさの基準」は収納する物の量。さらに家は長期的に使うため、今の生活だけでなく、何年か先のこともある程度予測して対策をしておくと長い間有効活用できます。もちろん、大きければ良いというものでもなく、管理し切れないような大量のストック置き場になってしまうとその分の食品ロスなども増してしまうため、適度な大きさにする必要があります。

パントリーの奥行きについては、収納したい物の量にもよりますが、壁付けタイプなら45cm程度にし、ウォークイン・ウォークスルー タイプなら100cm以上とると使い勝手が良いですよ。

◾️参考記事
自宅にパントリーを作りたい!理想的な広さを分かりやすく解説

0.5〜1畳でも叶う!使いやすいパントリー

実は0.5〜1畳でも使いやすいパントリーを作ることができます。ポイントは壁面収納。狭い範囲でも収納力が格段に上がります。1畳のパントリーでおよそ1週間分の食品を収納できますよ。エリア分けをして食品以外にも日用品のストックなどを十分に置けるでしょう。

スペースが小さい方が、置く物が少なく管理がしやすいといったメリットもあるので、たくさんの物をこまめに管理をしたり整理整頓をするのが苦手な方でも安心ですね。

◾️広さ決めの参考になる記事はコチラにも!
1畳あれば設置可能。パントリーの魅力や活用ポイントを紹介
半畳でも。小さいパントリーの上手な使い方とは?

パントリーの棚って?

パントリーの使いやすさに影響するのが棚の使い方です。最近では置く物に合わせてその都度高さを変えられる可動棚の設置が主流になってきています。

可動棚には、メタルラック、棚柱・ブラケット、つっぱり棚などがあり、パントリーの種類や使い方によってどの棚が良いか選ぶと良いでしょう。また、デッドスペースになりそうなコーナーにはキャスター付きの棚を置くなど、エリアに合わせて棚を変えるという方法もあります。

どの棚にも共通した使い方として、軽くて使用頻度の低い物は高い棚、良く使うものは目線の高さの中段の棚、重さのある物はできるだけ下の棚…といったように棚の高さによって置く物を決めると、取り出したりしまったりする際の負担が少なく済んだり、棚への負荷を減らすことができるのでおすすめです。

◾️「棚」の具体的な使い方をもっと詳しく!
パントリーの収納は棚の高さで分けるとうまくいく

パントリーの扉は付けるべき?

パントリーの扉を付けるか迷った時は、まずはリビングなどから見える位置にあるかどうかが一つの考え方になります。

見えない位置にあるのなら、扉をつけない方が、換気ができたり、両手が塞がっていても出入りができたり、開閉の動作が不要でより効率的に家事ができるといった複数のメリットを受けられるでしょう。もし見える位置にある場合は、扉があった方が見た目がスッキリして生活感も薄れるため、来客時に慌てる必要がなくなります。日頃から心地良く過ごせる時間も増えそうですね。

この他にも、扉の有無については住む人の好みやライフスタイル、間取り等によって結論が異なるため、実際に扉を付けるかどうかを決める時は、自分たちの希望をベースに建築業者の方など専門家の意見も参考に取り入れながら考えると良いでしょう。

また、扉は付けたいけれどスペースがなくて付けられない場合には、ロールスクリーンやシェードなどでパントリーへの目線を遮るという方法もあります。

見た目と使い勝手のバランスを考えて、自分たちに最適な形を見つけられるといいですね。

◾️「扉どうする?」問題をもっと詳しく!
いる?いらない?パントリーの扉
ごちゃごちゃしやすいパントリーをスッキリ見せる目隠し方法4選

【番外編】使いやすいだけじゃ物足りない!壁紙でおしゃれなパントリーに

パントリーのような比較的小さな空間は、実は壁紙(クロス)などの内装で遊びやすいスペースでもあります。また、1面のみの壁紙を変えるだけでも一気に空間の印象が変わるので、壁紙を選ぶ際には思い切っていろいろな壁紙を検討してみては?きっとおしゃれで気分が上がるパントリーが手に入りますよ。

◾️参考記事
壁紙を貼っておしゃれなパントリーに。壁紙の選び方を詳しく紹介

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4.パントリーのリノベーション・リフォームにかかる「費用相場」と「工期目安」

【一般的な費用の相場】

  1帖あたり:約30万円~40万円程度

  〈上記費用に含まれるもの〉
   ・造作工事
   ・床の仕上げ材(フローリングなど)
   ・壁の仕上げ材(壁紙・珪藻土など)
   ・収納棚、レール、ブラケット

【工期の目安】

  2日間位~(工事の内容によってはさらに延長)

まず気になるのがパントリーの設置にかかる費用ですが、一般的な設備で設置した場合「1帖あたり約30万円〜40万円」となります。機能性を高めるために、換気扇や照明など設備を増やすと追加の予算が必要になります。また、壁付(浅型)パントリーなど1帖より小さいサイズで済む場合には、その分の価格を抑えることができそうです。

工期については、工事内容にもよりますが、まずは少なくとも2日間は見ておき、そこへ水道の移設やその他の追加工事の有無によってさらに日数がかかるため、事前に工事内容と合わせて工期の確認をしておくと良いでしょう。

◾️具体的な工事内容や費用を詳しくチェック!
キッチンにパントリーを作るリノベーション・リフォームの費用・事例・注意点|リノペディア

5.リノベーション・リフォーム時に気をつけたい!パントリーを作る際の注意点

リノベーション・リフォームでパントリーを作るには、以下のポイントについて注意しておくと良いでしょう。実際にパントリーを使い始めた方が「後悔している点」としてよく挙げているものを参考に見ていきましょう。

 ・大きさ(大き過ぎず、小さ過ぎないサイズか)
 ・奥行き(深過ぎず、浅過ぎないか)
 ・棚(できれば可動棚が望ましい)
 ・動線(キッチン、玄関から近い位置にあるか)
 ・コンセントは必要数ついているか
 ・換気などの湿気対策はできているか
 ・照明(できればセンサー付きが望ましい)

気付いた直後から対策できるものもありますが、場合によっては大掛かりな工事が必要になり現実的には対策が困難なものもあります。そのため、後悔しないパントリーにするためにこれらについて事前に確認しておくことはとても重要だと言えるでしょう。さらに詳しい内容については参考記事をご覧ください。

◾️参考記事
パントリーの間取り失敗を回避。見逃せない5つのポイントとは?
パントリーは作ったけれど。ありがちな後悔ポイントとは

6.DIYでパントリーって造れる?材料と方法をご紹介!

パントリーも工夫次第でDIYが可能なのはご存知でしたか?準備や作業に多少の手間はかかりますが、その分費用を大きく抑えられたり、オリジナルの空間になって愛着が湧いたりとメリットも多いDIY。パントリーは欲しいけど大々的な設置は厳しい…という場合でも、DIYならご自宅に合う形で取り入れられるかもしれません。初心者でもできるような、組み立てるだけ・壁に棚を取り付けるだけといったシンプルなものもあるため、興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

◾️DIYの詳しいレシピはコチラでチェック!
DIYでパントリーのある暮らしに。おすすめの方法をご紹介

7.お気に入りのパントリーをもっと使いやすく!おすすめ収納方法

パントリーの使い勝手を良くするには、収納方法の工夫もとても大切です。何をどこにどんな風にしまうかで使い勝手が変わると言っても過言ではありません。

ストックの置き場所を決める

ストックの定位置を決めておくことは使いやすい収納への第一歩です。取り出しやすさやしまいやすさが増すだけでなく、一目でストックの減りを把握できたり、余分なストックを購入せずに済むメリットもあります。

常温保存が可能な野菜や非常食など、腐らない食品を置く

ごぼうやじゃがいもなど常温保存が適している野菜、レトルト食品や非常食、ペットボトル飲料など賞味期限が比較的長い物はパントリーに保管しておくものとして向いているでしょう。腐りやすいものや開封済みの食品などは、パントリーではなく冷蔵庫に入れるのがおすすめです。

ジャンルごとにまとめて置く

どれもストックだからと無造作に置いてしまうのではなく、米類、酒類、麺類、粉類、乾物、レトルト食品、液体調味料、固形調味料、粉末調味料、日用消耗品…などジャンルごとにまとめて置くと整理整頓がしやすくなります。

立てられるものは立てて収納する

横向きに収納してしまうと、どんどん上へと積み重ねてしまうため、下の物が取り出しにくくなります。また、見えにくさから存在を忘れてしまって、その結果食品が傷んだり、使用期限が過ぎてしまったりすることも。そのままでは横になりやすいものも、ブックスタンドや箱などを使って立てた状態をキープできるようにすれば、スペースを有効的に使えます。

ファイルボックスやプラスチックケースなどを使って分けて収納する

100円ショップなどで販売されているケースを使った収納は、ジャンル分けがしやすく結果的にスッキリした収納が可能になります。さらに、クリア素材のものを選んだりケースにラベルを貼ったりして、中身が分かるようにしておくと使いやすさが増すでしょう。サイズや色、素材などを統一したケースにすれば、さらにスッキリ感が出て美しいパントリーになります。

定期的に整理する

食品が傷んでいないか、期限が近い物はないかなどを定期的にチェックしておくと食品ロスを防ぐことができます。また、そのようなチェックに時間や手間がかからないような「整理しやすいパントリー」にしておくことも大切です。

これらのポイントを押さえた収納を心掛けると、見た目が美しく利便性も大きい整然としたパントリーになります。物が多くなりがちなパントリーこそ整理整頓の方法にこだわりたいものですね。

◾️パントリーの収納術をもっとくわしく!
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食品の保管だけじゃない!パントリーの活用方法

本来、食品庫を意味するパントリーですが、今では食品や飲料以外にも様々な物を保管する場所として活用している方が増えてきているようです。

例えば、キッチン家電や使う頻度の少ない食器、アウトドア用品、ゴミ箱、非常用具一式など「普段はしまっておきたいけれど、いざという時にすぐ手に取りたいもの」を置いておく場所として、パントリーがちょうど良いようですね。また、場合によってはクローゼットの機能を持たせたりちょっとした机などをおいて家事室として使うケースも。

ただ、何かと都合良く使うこともできて便利な反面、収納しておく物が多くなるとその分整理整頓の重要性も高まるという点には常に注意しておきましょう。

◾️参考記事
パントリーが欲しくなる!技あり収納をみてみよう
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まとめ

いかがでしたか?使いやすいパントリーを作るためには、パントリーの「作り方」と「使い方」の両方が大切になります。また、それぞれの家庭や状況にあった形、サイズ、使い方があるため、一概にどれが良いとは言えないようです。パントリーを作る際には、今の生活はもちろん、可能であれば何年か先も見越しながら、収納したい物や量、収納方法や整理整頓の仕方等を具体的にイメージしてみると、自分たちに最適なパントリーの形が見えてくるでしょう。