こんにちは。住宅監督ライターのクマです。今回はインテリアに合うフローリングの色についてです。
インテリアを考えるときに押さえておきたいのがフローリングの色と種類。一度決めてしまうと後から変更したくても、そう容易には変更できません。フローリングの色と種類は、かなり早い段階から検討しても問題はないと私は考えます。
「●●のようなインテリアにしたいからこういう間取り」とインテリアを先に考えることで、それに合う間取りも決めやすくなります。
今回は、インテリアに合うフローリングの色と種類をご紹介します。住まい作りのご参考になればと思います。
シンプル&ナチュラルスタイルのアッシュ柄
今、安定した人気があるのはシンプル&ナチュラルスタイルのインテリアです。フローリングはホワイト色、もしくは明るい茶系色が似合います。柄はアッシュ柄が主調すぎず程よいアクセントになります。
シンプル&ナチュラルスタイルが一番の理由
シンプル&ナチュラルスタイルが一番人気の理由は、「自分に必要な良いものを手元に置く」という考えが自然と浸透してきたからではないでしょうか。
家族全員がスマホを持ち、インターネットで気軽に買い物ができる時代です。必要なものはすぐに手に入るので、「本当に気に入っていて必要なもの」を手元に残しておく風潮が育ったのだと思います。
そんな時代ですから、インテリアも気に入ったものでシンプルにまとめるのが人気の理由かもしれません。
シンプルスタイルに寄せるホワイト色の床
気に入った絵画やポスター、家具など。気に入ったものが濃い色をしているならホワイト色・アッシュ柄がオススメです。お気に入りの家具をより目立たせてくれる存在になります。
ホワイト色・アッシュ柄は、色味は白ですがアッシュの樹木がもつ落ち着いた木目はきちんと表現されます。真っ白な床にしてしまうと高級感が出てしまうためインテリアスタイルが異なります。アッシュ柄の落ち着いた木目が程よいアクセントなってきます。
ナチュラルスタイルに寄せたライトベージュ色の床
ナチュラルスタイルに寄せるとき、フローリングは自然と明るい茶系になります。家具や壁紙も落ち着いた中間色でまとめていくと全体がナチュラルテイストになります。
ここでもアッシュ柄の主調しすぎない木目が一役買います。シンプル&ナチュラルテイストに寄せるとき、あまりナチュラル側によるとカントリー調の色合いが濃く出ます。フローリングの木目を主調するタイプにしてしまうのも原因です。
アッシュ柄の落ち着いた木目が、程よいナチュラルテイストに仕上げてくれます。
高級感を演出したいなら濃い色柄を選択
高級感を演出したいなら、ブラックウォールナット、カリン、チークに代表される色合いの濃いフローリングを選択すると良いでしょう。そして色合いを統一しましょう。この2点を押さえることは、単純ながら大きな効果があります。
古くから愛される高級木材
ブラックウォールナット、カリン、チークの3つは古くから愛される高級木材です。主に家具に使われてきました。その価値は今も変わらずとても人気があります。木目が美しく、色合いも深みがあります。強度もありますので、傷がつきにくい木材です。
フローリングとしても人気が高く、各メーカーラインナップに載せています。気に入ったメーカーで選ぶことができます。
シンプルにまとめるならブラックウォールナット
家具をシンプルに配置して高級感を出すならブラックウォールナットがオススメです。
濃い色合いはお気に入りの家具をより一層引き立てる役割を果たします。木目も落ち着いているのでフローリングが主調しすぎることもありません。
自然に演出するならカリンかチーク
カリンやチークは、ブラックウォールナットよりナチュラルな印象を与えてくれます。色合いが明るく、木目もはっきりしているので部屋全体で高級感を出すのに効果的です。
人気の北欧スタイルにはオーク柄をチョイス
ここ数年、北欧スタイルは浸透しきったと言えるでしょう。右を見ても左を見ても北欧スタイルばかりという現状ですが、ここ最近は日本流にアレンジしたものも広く見受けられます。
そんな人気の北欧スタイルにはオーク柄をオススメします。オーク自体がヨーロッパで豊富に取れ、フローリングとしても優れた性能を発揮するために広く使われています。
どんぐりの木
日本で言うと、どんぐりの木がオークに当たります。ヨーロッパでは「木の王」とまで呼ばれます。加工がしやすく、強度にも優れているため家具やフローリングとして古くから使われています。
オークには、削り出したときに「杢」(モク)と呼ばれる木目が時々現れます。樹木が成長する過程で、風雨にさらされねじれたり曲がったりすることで作られると言われます。これがオークの魅力を一層引き立てていて、特に虎斑(トラフ)と呼ばれる独特の杢はとても貴重で重宝されます。
上質なインテリアを実現するためのフローリング
北欧スタイルが人気なのは、洗練されたインテリアが特徴だからです。長い冬に家での時間を快適に過ごすために生まれた生活の知恵とも言えます。
北欧スタイルの上質なインテリアを実現するために、オークのフローリングは欠かせません。北欧家具そのものが、オークのフローリングとの相性を考えて作られています。ナチュラルなスタイルも、ポップな小物もオークのフローリングに合うような色合い、形を取っています。
まとめ
今回は、インテリアに合うフローリングの色と種類をご紹介しました。
ここでご紹介したインテリアとフローリングの組み合わせは、そのインテリアの代表格とも言えるもので、実際にはごく一部でしかありません。
インテリアで最も大切なことは「自分がどれだけ快適に過ごせるか」です。少なくとも30年程度、場合によってはそれ以上住う自宅です。
参考
・デニス・ジェフリーズ,フロアマテリアル,産調出版株式会社,2005.04
・和田 浩一 他,世界で一番やさしいインテリア,エクスナレッジ,2018.11