リフォーム様式の多様化に伴い、お部屋のレイアウトやデザイン、インテリアなどの内装工事の選択肢も幅広になりました。壁一つをとってみても、従来の塗装壁から自然的な土壁、インダストリアル的なコンクリート壁など、一人一人のニーズに合わせた様々な施工が可能になっています。
配管に対する考え方も、従来の「隠すのが当たり前」の世界から、「露出させたら意外とカッコいいかも」という世界観へ変わりつつあります。特にコンクリート壁に囲まれたインダストリアル的なお部屋には、光り輝く配管を露出させると、より一層スタイリッシュでモダン的な雰囲気がかもし出されます。こうなれば、醜いと隠されてきた配管も、お部屋の立派なインテリアの仲間です。
実は配管には種類があり、インテリアに使う配管は、錆びにくく滑らかでいつまでも光り輝くものを採用したいものです。そこでこの記事では、シルバー光沢の輝くスタイリッシュでカッコいい「サニタリー配管」についてご紹介します。
実は食品工場で使われるもの!?サニタリー配管の由来
「サニタリー」と聞けば、サニタリールームなどからの連想から、トイレや浴室周りのことと思いがちですが、「サニタリー配管」は本来これらの場所で使われる配管とは違うものです。実はサニタリー配管は、食品工場や薬品工場といった高度衛生管理施設が必要な工場で使われている配管のことを言います。
食品工場では、食品に致命的となる細菌や微生物が増殖しないよう、配管設計にも最新の注意を払っています。そのため、これらの工場で使われている配管は、一般的に使われている配管と比較して、衛生面や取り扱い性の優れている配管が用いられ、このような配管を「サニタリー配管」と呼びます。
サニタリー配管の最も大きな特徴は、配管の表面や内側が新品同様にピカピカに磨き上げられていることです。これは、ほこりや汚れの付着を防ぐ、あるいは洗浄しやすいように配管の表面に研磨処理を施しているためです。実際にサニタリー配管の表面は、鏡と間違われるほどきれいに磨かれています。
また、サニタリー配管のもう一つの特徴は、装着や脱着しやすい継ぎ手です。このような継ぎ手を「サニタリー継ぎ手」と言います。この継ぎ手には、配管内部をいつでもきれいに洗浄できるよう、または配管内部に液だまりができないよう、そして丈夫さと軽量性を両立できるよう、高度な取り扱い性が施されています。
このような背景から、サニタリー配管には一般的な配管よりも高度な技術が施されているのです。
デザインだけではない!機能も抜群なサニタリー配管
表面を高度に研磨処理されているサニタリー配管は、コンクリート壁を多用するインダストリアル系の内装にはむしろ最適な配管です。コンクリートのきれいなグレイに光り輝く配管がいい感じに調和し、クールながらもおしゃれな空間に仕上がります。サニタリー配管の寸法も日本産業規格であるJISG3447などによって細かく決められているので、好みのサイズを選ぶことができます。
サニタリー配管を食品や薬品工場などに取り付ける場合は厳格な衛生基準にのっとる必要がありますが、ご自宅に取り付ける分にはその必要はありません。光沢の光り輝く配管は、インテリアの一部となってリビングやダイニングをよりクールな風景に仕立て上げてくれます。
また、サニタリー配管は機能面でも優れています。一般的な配管の場合、キッチンやトイレなどで使われると詰まることもあるほか、液だまりなどにより悪臭を放つこともありますが、サニタリー配管は配管内部も滑らかに仕上げられているため、液だまりなどが発生しづらい構造になっています。
また、酸や高温にも耐えられる構造になっているため、キッチンの流しなどで一般的に使用されている塩化ビニール管よりも丈夫で長持ちします(特に熱湯を洗い場に流すと、塩化ビニール管では耐熱限界を超えて耐えられずに破損してしまう恐れがあります)。デザイン性のみならず、機能面においても優れた性能を有しているが、サニタリー配管の大きな魅力です。
サニタリー配管は種類も豊富で手入れもラクラク!
サニタリー配管は、取り扱いやすいように継ぎ手も一般的な配管と大きく異なります。配管は、継ぎ手の部分に液だまりが発生する場合が多いのですが、サニタリー配管の継ぎ手は液だまりが極力発生しないようなものを採用しています。
また、扱いやすさについてもサニタリー配管の場合は取り付け・取り外しやすい構造をとっているものがほとんどです。これは、食品工場では配管を取り外して洗浄することが多いため、このような仕様を採用します。リフォームの多様化に伴い、隠すのが当たり前だった配管も今ではインテリアの一部として露出させることが多くなっています。
レストランに設置されているシルバー色で光り輝くサニタリー仕様の配管は、モダン的で美しさを感じさせます。リフォームの機会に美しいサニタリー配管を検討してみるのもよいかもしれません。
まとめ
美しく光り輝くサニタリー配管は、そのデザイン性だけでなく機能面においても、液だまりがしにくいといって一般的な配管にはない特徴があります。リフォームの機会にぜひサニタリー配管の採用を検討してみたいものです。