リフォーム工事の作業のひとつに、フローリング選びがあります。星の数ほどあるフローリング材料の中から、適したものを自分で選ぶのは非常に疲れる仕事かもしれません。
今回は、星の数ほどあるフローリングの中から適したものを選んでいくポイントやフローリングリフォームについてご紹介します。
最大のポイント「何を優先するか」。ここを押えておけば、工務店との打合せでもスムーズに選ぶことができるでしょう。
フローリング選びのコツ
フローリングを選びのコツは、「何を優先しようか」を考えておくところがポイントです。
優先したいポイントはおおよそ3つにまとめられます。
・デザインを優先 ・・・ インテリアとの調和や、使いたい色見の床材、無垢材を使いたい時など
・機能性を優先 ・・・ ペット用の滑りにくい床材や、台所や洗面所用の汚れに強い床材など
・価格を優先 ・・・ 床のへこみを直したい、抜けそうな床の修繕などの床本来の役割が果たせればよいとき
床のリフォームを検討されている方は、上の3つのいずれかに当てはまるのではないでしょうか。この3つのうち、どれを優先させるかで、無数にある床材を選ぶ手掛かりになるでしょう。
デザインを優先させたいとき
お部屋全体のリフォームや模様替えを行う時は、インテリアも一緒に考えますね。このような時は、デザイン性に優れた床材を選びたいものです。
インテリアの中で、床が占める割合はとても大きくお部屋のデザインを左右する重要な役割を果たします。色合いだけでなく、光沢や足触りなども選ぶポイントでしょう。
各メーカーから、デザイン性に優れたフローリングが発表されています。だた、発表されているデザイン性が高いフローリングを細かく見ていくと、一般的な製品より多少割高感があります。が、色合い・質感・足触りなどが優れている傾向が見られます。
以下に製品例をあげます。
・アーキスペックシリーズ / Panasonic
・ライブナチュラル プラスシリーズ / WOODTEC
性能を優先させたいとき
室内飼いでワンちゃんと暮らすご家庭が増えるにつれ、多くなってきたのが「床が滑ってケガをすることが心配」という相談と言われます。
また、大家族で揚げ物をよくするので台所の床に油が飛び散って掃除がしにくい、というお悩みも耳にします。
「滑りにくい」「掃除がしやすい」といった要望は、フローリングの機能性を優先することで解決できる場合が多くあります。特に、滑りにくい床に求められる「防滑性」はペットだけでなく、高齢者の転倒防止にも効果的でしょう。
各メーカーから、防滑性や汚れ防止に優れたフローリングが発表されています。フローリングの特徴と仕様をよく理解して選ばれることが大切です。以下に製品例を記します。
・ワンラブフロア / DAIKEN
・アトムワイド455 / EIDAI
価格を優先させたいとき
長年の使用や湿気、水分などで床材は傷みます。特に出入口や台所、洗面所などは人通りも多く傷みやすいところです。
傷みを直して、使い勝手を戻すだけなら価格を優先しても差し支えありません。リフォームショップや工事店が使うフローリングは、低価格ながらも床の性能としては差支えないと言えるでしょう。
ホームセンターで販売しているような製品を除けば、工事するところにより安く手に入る製品は異なります。「安さを優先させたい」と率直に相談されるのが一番の早道ではないでしょうか。
希望に沿ったフローリングリフォーム工事方法
リフォームのフローリング工事は、施主様の希望により工事方法が変わります。
簡単な方法は、用途・希望・今困っていることの3点を伝え、工事方法の提案を受けることでしょう。希望が分かれば、工事方法は大きく3つに分けられます。
例えば、床の冷たさを解消するには、床下に断熱材を追加、床暖房の設置。床鳴りを解消するには、今の床を一部壊してやり直したり。デザインやインテリアに合わせて床を変更したいときは、専用の床材を使う。などなど
上記の3点を明確に伝えることで、希望に沿った工事方法を提案してくれるでしょう。
今の床の上からそのまま張る
最もシンプルに、今の床の上からそのまま張る工事を行います。重ね張りと言います。
断熱材の追加や床暖房などの希望がなく、床に傷みが少なく、状態も良い時は上から張ってしまっても構わないでしょう。既存の床に直接張りますので、ゴミが少なく床材も自由に選べます。
残念なところは、今の床板の上から張りますので出入口に段差が生じる点。また、床鳴りしてしまったときに直しにくいもの欠点のひとつかもしれません。
さらに、最近は重ね張り専用の床材もあります。最も薄いもので1.5mm。極薄の床材を使えば、扉の干渉も心配することなくリフォームが可能です。
床板をはがして張り直す
床板が踏むとへこんだり、扉や家具が干渉するときは今の床を剥がして新しく張り直します。
今の床を剥がすのは、扉の開閉に支障がでたり、家具が置けなくなったりすることを回避するためです。また、わずかな段差を解消する目的もあります。
残念なのは、使える床板が限られてしまうところです。流通している多くの床材は「捨て貼り仕様」という、重ね張りを前提とした床材が多いため、フローリング材選びに苦労するかもしれません。
床をすべて撤去して張る
床下に断熱材を入れたいとき、床暖房を入れたいとき、床がとても傷んでいる時などは、床をすべて解体して新しく作り直します。
ここまで解体すると、たくさんの利点があります。床をきれいに解体するので、断熱材や床暖房も取り入れることもできます。建具との干渉もなく、快適な生活を送ることができるでしょう。
フローリングリフォームの目安金額
フローリングの目安金額がわからないと、予算の目途も立ちにくく、金額がわからなくて不安になりますね。
先に知っていただきたいことは、リフォーム工事の金額の割合です。材料費が半分から3割、人件費が半分から7割を占めると言われます。
ここでは、8畳間の戸建て住宅を参考にしておよその目安金額をお伝えします。
実際には、業者や建材、工事を行う現場の状況により価格が異なります。ご参考値としてご覧ください。
今の床の上からそのまま張る
最もシンプルに、重ね張りをした場合です。重ね張り専用の床材を使い、段差を極力少なく仕上げた場合の費用です。
・8帖洋室:約13万円前後
パナソニックWBPリフォームフロア使用。副資材、施工費含む。
床をはがして張り直す
今の床をはがして、フローリングを張るリフォームです
・8帖洋室:約15万円前後
中グレードの床材使用。副資材、施工費、解体、廃材処分費など含む。
床をすべて撤去してから張る
床を土台を含めてすべて撤去した場合の費用です。断熱材も入れて床の冷えを軽減します。
・8帖洋室:約32万円前後
パナソニックWBPリフォームフロア使用。副資材、施工費、構造合板、断熱材、根太大引、解体、廃材処分費など含む。
まとめ
今回は、「フローリング選びのポイント」と題して、リフォーム工事の内容や費用めども含めてお伝えしました。
最初のポイントである、「何を優先するか」をしっかり決め、工務店に伝えることが重要だとおわかりいただけましたでしょうか。ここを押えておけば、工務店の持つ商品知識で最適な商品を提案してもらえるでしょう。また、ご自身でフローリングを探すときにも役立ちます。
リフォーム工事は、短い時間でたくさんのことを選ばなければなりません。フローリングリフォームの際に少しでもご参考になればと思います。