女性にリフォームしたい箇所をたずねると、答えが一番多いのはキッチンでしょう。最近では男性もキッチンに立つ時代とはいえ、女性が一番長い時間を過ごす場所はキッチン。昔から「女の城」と呼ばれているだけのことはあるのです。そして人気が高いのがアイランドキッチンへのリフォーム、メーカーのパンフレットの表紙も大抵、アイランド型です。
しかし人気のアイランドキッチン、そんなに素晴らしいものなのでしょうか?他のキッチンレイアウトのメリット・デメリットとあわせて見ていきましょう。
アイランドキッチンへのリフォーム
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アイランドキッチンとは、コンロやシンクが独立して島(=アイランド)の様になっているキッチンのことです。キッチンに立つ人の体がダイニングやリビングに向く「対面キッチン」のバリエーションの一つです。
メリット
アイランドキッチンには以下の3つのメリットがあります。
・コミュニケーションがとりやすい
・複数で作業しやすい
・開放感がある
一番のメリットはダイニングやリビングにいる方とコミュニケーションが取りやすいということでしょう。特にありがたさを感じるのはお子さまが小さなとき、頭を上げるだけで様子をつかめますから大きな安心感があります。また近年話題のリビング勉強に向いているのもアイランドキッチン、カウンターを設けるなど勉強スペースを兼ねたレイアウトを希望する方も増えています。
二番目のメリットはコンロやシンクを囲めるので、複数人で作業しやすいということです。料理教室を開きたい!のように考えている方には理想的なレイアウトですし、食事の後片付けで家族のヘルプも得やすいのがアイランドキッチンです。
そして三番目のメリットは、アイランドキッチンは開放感があることです。キッチンでの作業中は、ずっと壁に向かっている「I型キッチン」のレイアウトでは気が滅入ってしまいますが、アイランドキッチンなら目前にダイニング・リビングが広がります。
デメリット
アイランドキッチンの主なデメリットは以下の3つです。
・水周りの移動はコストがかかる
・コーディネイトが難しい
・キッチンが狭くなる!
一番のデメリットは、アイランドキッチンへのリフォームにはコストがかかることです。理由は水回りを移動させるから、給排水に手をいれるのは手間がかかるのです。
二番目のデメリットは、アイランド部分のコーディネイトが難しいことです。リビングから近い位置にあるアイランドは、上手くコーディネイトしないと違和感が大きいのです。たとえばステンレスのアイランドだと、銀色の物体がリビングのそばに出現することになります。
そして三番目のデメリットは、リフォームでキッチンが狭くなることです。壁際にひとまとまりだったシンクとコンロが独立するということは、その分スペースは削られてしまいますし、アイランド周りに通路を設けなくてはいけない分、キッチンもしくはダイニング・リビングが狭くなるでしょう。
狭くなるというデメリットだけを考えるなら、同じ対面キッチンのペニンシュラのほうが良いかもしれません。ペニンシュラとは英語で半島のこと、キッチンのアイランドとなる一部が壁にひっついているレイアウトです。
キッチンレイアウトはI型が最強なのか?
ならばレイアウトはそのままに、キッチンだけを入れ替えるリフォームはいかがでしょうか?汚れが付きにくくなっていたり水栓が使いやすくなっていたり、使いやすい高さをオーダーできたりと、日々進化するキッチンの恩恵を感じられるでしょう。
おすすめはL型レイアウト
I型キッチンからのリフォームでおすすめは、L型のキッチンレイアウトです。一直線に並んでいるシンクやコンロ、ワークスペースの一部をリフォームで移動させることで、L字にレイアウトするのです。これで改善されるのが家事動線、横に「カニ歩き」しながら作業していたところを、体を45度ひねるだけで済むようになりますから、効率アップが期待できます。
水回りを移動させなければコストを抑えることもできますし、I型キッチンの効率的なスペースの活用はそのままです。アイランドキッチンとは異なり、調理のニオイがリビングへ流れることもありませんし、洗い物が積まれている様子を来客時に見られることもないのです。
まとめ
人気が高いアイランドキッチンですが、リフォームした後に残念なことになりがちなポイントをまとめました。「そんなにアイランドキッチンが嫌いか!」と、お叱りを受けそうですが、正直あのレイアウトはスペースが十分なキッチンに向いているものです。I型キッチンを想定していたスペースに、考えもなしにアイランドを収めるのは危険です。
そして、おすすめしたいのがL型レイアウトなのです。ポイントは家事動線が改善されるところ、ショールームなどで一度体感すると、その優れている点がご理解いただけるでしょう。