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「アイソメ図」って何?

「アイソメ図」って何?

平面の間取り図だけでは、完成イメージを想像しづらいものです。そこで出てくるのが「インテリアパース」(単に「パース」とも)です。実際に写真で撮ったように、奥行きのあるイラストで、雰囲気をつかむことができます。

同様の図面に「アイソメ図」があります。
ミニチュアのような可愛らしい図面ですが、これはいったいどういうもので、何のために作るのでしょうか。インテリアパースと比較しながらわかりやすくご説明します。 

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「アイソメ図」の定義

「アイソメ図」って何?

アイソメ図とは、「アイソメトリック図」の略称です。
インテリアや建築以外では、クオータービュー(斜め見おろし視点)のゲーム画面の描画方法としてよく見かけます。

「アイソメトリック」とは、
iso(「等しい、同一の」という意味の接頭辞)+metric(メートル法の)
からなる言葉で、直訳すると「長さが等しい」という意味になります。
 
「アイソメトリック図」は日本語で「等角投影図」と呼ぶため、「角度が実物と等しい図」なのかと思いがちですが、角度は90度を120度として描くため、実物とは異なります。

上図を例にあげるなら、四角い部屋の四隅は90度のはずですが、図面上では120度として描きます。

ではなぜ「等角」なのか、というと、「縦横高さの軸(x軸,y軸,z軸)それぞれが常に120度で交わるように描く」からです。床と壁の角度がそれにあたります。壁は床に対して垂直(90度)に立っているはずですが、図面上では120度になっています。奥の、2枚の壁と床が交わるところ(部屋の隅)を見ればわかりやすいでしょう。

「アイソメ図」はなぜ必要?

アイソメ図は「長さが等しい」と説明しましたが、もちろん「原寸大の図面」という意味ではありません。「縦横高さの縮尺が(アイソメ図の)図面上のどこにおいても一定」という意味です。

インテリアパースは「部屋のどこかに立って眺めた図」といえるイラストです。したがって、当然遠近感があります。つまり、実際は同じ大きさの物でも画面端(手前側)にあれば大きく、画面中央(奥側)になるほど小さく描くことになります。

つまり、「縦横高さの縮尺が(インテリアパースの)、図面上の位置によって変わる」わけです。

インテリアパースでは、遠近感があるため、部屋の雰囲気がより具体的に伝わります。しかし、その遠近感のため、奥側は長さが圧縮され小さくなります。例えばダイニングキッチンをダイニング側から見たインテリアパースでは、キッチンに充分な広さ(床面積)があるかが(感覚的には分かるかもしれませんが)読み取りにくくなってしまいます。

 アイソメ図であれば縮尺が一定なので、ダイニング側が手前の図でもキッチンの広さを客観的に、かつ立体的に比較、確認できるわけです。動線計画などに便利です。

 もちろんそれには平面図があれば足りるのですが、平面図を見慣れていない人にとって平面図だけから、具体的に建物や部屋の様子を想像するのは、少し難しいことです。インテリアパースやアイソメ図は、業者さんのためというより施主さん(お客様)に説明するための補助ツールとして作成します。

「アイソメ図」と「アクソメ図」

「アイソメ図」って何?

アイソメ図と似た言葉で「アクソメ図」というものがあります。
こちらは「アクソノメトリック図」の略称です。

「アクソノメトリック」とは、
axono(「軸」という意味の接頭辞)+metric(メートル法の)
からなる言葉で、直訳すると「軸の長さ」という意味になります。日本語では「軸側投影法」と呼びます。

では、描き方を説明しましょう。

平面図(例えば床側)を時計回りに60度傾けます。その状態で手前(下)を除く3つの角からそれぞれまっすぐ上に線を引き、床と同じ縮尺で壁の高さを取ります。その要領で窓や扉、インテリアの高さを取り、必要な線をつなげれば「アクソメ図」のできあがりです。

 できあがった立体的な図面をアイソメ図と比べると、やや違和感を覚えるかもしれません。しかし、イチから描き起こさなければならないアイソメ図と違って、平面図をほぼそのまま使うことができるため、簡単に短時間で作成できる点がメリットです。

まとめ

アイソメ図は、インテリアパースのような立体的な想像を助けるイラストでありながら、平面図の正確性も併せ持つ図面です。ゲーム画面やミニチュアを見るような感覚で、間取りやインテリアの配置をシミュレートすることができます。

便利な反面、制作の手間が(場合によってはインテリアパースよりも)かかる図面ですので、アクソメ図とあわせて上手に使い分けましょう。 

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