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框(カマチ)とは?リノベにまつわる基本の「き」

框(カマチ)とは?リノベにまつわる基本の「き」

框。「かまち」と読みます。「上がり框」とも言います。これを読んですぐに「ああ、あれね」と思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。でも、框は皆さんにとって身近なものです。見たことない人はいないはずです。

框とは、玄関の上り部分の横に入れる化粧材のことを指します。これなら「ああ、あれね」と思っていただけたはずです。
家人にせよ、来客にせよ、框は地味ながら必ず目に入る場所です。そして必ず通るエリアです。ですから見た目の良さと使いやすさが重要です。

また、玄関は毎日使う場所です。見た目の良さと使い勝手の両方が求められる場所と言えます。そんな玄関の顔ともいえる框の果たす役割は、居心地のいい空間を作るために重要であると言えます。
この記事は、以上のような視点に基づいてい框を紹介していきます。
 

框の機能

框(カマチ)とは?リノベにまつわる基本の「き」

框は、玄関において家の外と内とを分ける段差に取り付けられています。わが国では家に入る際、靴を脱ぐ習慣があります。「家に上がる」という言葉があるように、框は我が国における境界線感覚を表現しているといえます。

框の機能は境界線を分けるだけではありません。例えば、訪問者を家に上げるほどでもないが、ちょっとの時間立ち話をしたいとき、框に座ってもらうと、同じ目線で話をすることができます。このように、框は近所の人とちょっとした会話を楽しむためのコミュニケーションの場としての機能もあるのです。

さらに框には、靴を履き替える時に腰を下ろすスペース、ガーデニングする際の休憩所、買い物から帰ってきたときに荷物を一時的に置く場所としての機能と多岐にわたります。
 

框のデザインについて

框(カマチ)とは?リノベにまつわる基本の「き」

框の構造は玄関の横に差し込まれた化粧材ということもあり、シンプルです。でも、住宅の形態や、用途によって、さまざまなデザインがあります。

玄関の広さや構造に合わせて
マンションやアパート、これらの共通点は玄関スペースがあまり広くないことです。ですから框もそれに合ったデザインが要求されます。この場合、段差の縁に直線状に取り付けられているストレートタイプが機能的で使いやすいです。

また、框を斜めにした「カーブタイプ」もあります。この框は土間部分を広く見せることができます。コンパクトな空間を有効的に使うためのデザインなんですね。

ある程度、広さが確保できる一戸建ての場合、「L字型」「コの字型」の框が用いられています。コミュニケーションの場としての機能や、ちょっとした荷物置き場としての機能を重視したデザインといえます。

バリアフリーとしての框
框は境界線としての役割を果たします。でも、人を隔てるためのものではありません。框には段差がつきますが、スロープを差し込むことで、車椅子もスムーズに家に入ることができます。その際、スロープと一体化しても不自然でないデザインが重要です。ですから、框を設置する際には、将来的にスロープを付けることも想定して設置すると良いでしょう。
 

框の素材について

框は、玄関の段差の上の部分にあたり、体重がかかります。ですから、素材に求められる性能は耐久性です。また、素材を選ぶ際には、玄関と室内との調和をはかる視点も重要です。

木材
框は玄関に入るとすぐに目に入る設備です。ここから、見た目が高級感溢れる自然木材が人気です。なかでも、欅(ケヤキ)の木材は美しい木目がよく出て、機能面においても耐久性・弾力性があることから人気です。

他にも、カエデ製の框は独特の光沢があり、粘りにも優れて強度があり、それが人気です。カバサクラ製の框は肌触りのよさとほどよく硬いのが多くの人に気に入られています。

木製の框の共通点は、木が持っている暖かみが感じられる点です。

石材
石材を用いた框も人気です。大理石は華やかな模様が人気です。

また、御影石は、さまざまなバリエーションがあり、玄関と建物にあう框を備え付けることができるので人気です。

石材の場合、石それぞれに個性があり、メンテナンスの方法も変わってきます。事前に業者と相談してチェックしておくとよいでしょう。

タイル
下地を塗ってタイルを張る方法で作られるタイル製框も人気です。さまざまなバリエーションがあり、クライアントの要望に柔軟に対応できるからです。中でもモザイクタイルは、サイズ、カラー、タイルの形状が豊富に選べます。デザイン性を重視する人達の間で特に人気があります。
 

まとめ


いかがだったでしょうか。框という名前自体は馴染みがなかったかもしれませんが、框は玄関の中で最初に目に入るところであり、家の第一印象をよくして、さらに使い勝手が要求される重要な設備であることがお分かりいただけたかと思います。

みなさんも、それぞれの家屋に合った素敵な框を備え付けてくださいね。