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重要性の増す介護リフォーム・リノベーション〜場所別に見るポイント

超高齢化社会と言われるほど高齢化が進行している日本では、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」など、高齢化によるさまざまな課題が浮き彫りになっています。高齢化による課題を解決するには、普段生活する住まいを見直すことが欠かせません。

今回は、高齢化の進む日本において重要性が増している介護リフォーム・リノベーションについて解説。リフォームの対象箇所別のポイントも紹介していきます。

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介護リフォーム・リノベーションの必要性

少子高齢化と言われて久しい日本。内閣府発表の「令和4年版高齢社会白書」によると、2021(令和3)年10月1日現在の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は、28.9%となっており、2025年には30%に達するとされています。

参考:令和4年版高齢社会白書(概要版)

高齢化が進めば、自宅で親の介護を行う人も増えることでしょう。さらに、近年では、65歳以上の配偶者や子どもなどが、高齢のパートナーや親を介護する「老老介護」も増えていると言われ、介護のしやすい住まいづくりを誰もが考えるべき時代になってきているのかもしれません。こうした介護のしやすい住まいづくりを目指して行うのが、「介護リフォーム・リノベーション」です。

介護リフォーム・リノベーションは、介護される人のためだけに行うものではなく、介護する側の人のために行うという意味合いも大きいものです。家族の誰かが介護を必要とする年齢になる前に、ある程度若いうちから将来に備えてリフォーム・リノベーションするのが大切と言えるでしょう。

場所別に見る介護リフォームでできる対策

ますます重要性の高まる介護リフォーム・リノベーションですが、具体的にどのような対策が考えられるのでしょうか。リフォーム対象箇所別に見ていきましょう。

浴室における介護リフォーム

水回りの中でも特に危険の多い箇所が、浴室です。浴室における介護リフォームでは、次のような対策が考えられます。

  • 入口脇や浴槽に手すりを設置する
  • 滑りにくい床に変更する
  • 浴室と脱衣所の間の段差を解消する
  • 入るときにまたぐ高さが低い浴槽に変更する
  • 浴室暖房機能を整備する

浴室で気をつけたいのが、冬場のヒートショック対策です。ヒートショックは、寒い浴室と熱いお湯の温度差で引き起こされるため、浴室暖房機能を設置するリフォームが効果的です。

トイレ・洗面所における介護リフォーム

トイレや洗面所は、使用頻度が高いため、優先的に介護リフォームを検討したい箇所です。トイレ・洗面所における対策としては、次のようなものが考えられます。

  • 便座から立ち上がりやすいように手すりを設置する
  • 出入口を広くする
  • トイレや洗面所のスペースそのものを広くする
  • 洗面台を低くして、下に車椅子の入れるスペースを確保する
  • 和式トイレの場合には洋式トイレに変更する

介護する側も一緒に入る必要があるほか、車椅子に乗ったまま入る可能性もあるため、リフォームにより、なるべくスペースを広く取るよう意識するといいでしょう。

階段における介護リフォーム

高齢者による家庭内事故の発生が多い箇所の一つが、階段です。2階建て以上の家では上り下りをする機会も多いため、次のような対策により、安全で介護しやすい環境を整備したいところです。

  • 手すりを設置する
  • 滑りにくい床材に変更する
  • 踏み板部分に識別しやすい色の素材を使用する
  • 夜でも足元が見やすいように足元灯を設置する
  • スペースに余裕があれば、傾斜の緩やかな階段に作り替える

特に効果的なのは、最後に挙げた対策ですが、元々の間取りや面積との兼ね合いもあり、リフォーム・リノベーションでも階段の位置やスペースの大きさを変えるのは難しいものです。手すりの設置や滑りにくい床材への変更により、高齢者本人の負担が少ない階段にするのが、現実的な対策と言えます。

玄関における介護リフォーム

玄関が使いにくいと、高齢者が外に出かける意欲を削いでしまう可能性があります。高齢者の健康を維持するためにも、玄関の介護リフォームは大切なのです。リフォームの内容として次のような対策が考えられます。

  • 手すりを設置する
  • 段差の小さい階段やスロープを設置する
  • 玄関扉を引き戸に変更する
  • 玄関の間口を広くする
  • 床を滑りにくい素材に変更する

外出の際に必ず通る場所なので、車椅子に乗ることも想定したうえでリフォーム内容を検討するのがおすすめです。

リフォームの優先度が高いのはどんな場所?

箇所ごとに介護リフォームでできる対策を紹介してきましたが、限られた予算の中で優先度をつけなければならない場合もあるでしょう。では、どのような場所を優先的に対策すべきなのか紹介していきます。

日常の移動に関わる場所

まず、優先的にリフォームを検討したいのが日常の移動に関わる場所です。

たとえば、階段や廊下といった、室内を移動するために通らざるを得ない場所には、優先的に手すりを設置したり、滑りにくい床材を採用したりといったリフォームを施すことで、高齢者も安心して日常生活を送れます。車椅子を利用するようになった場合、通路幅がしっかりと確保されていれば、住まいのあらゆるところにストレスなく移動できます。

家の中での移動が自由にできないというのは、大きなストレスになりますから、リフォームでなるべくストレスを軽減するよう考えるとよいでしょう。

外出に関わる場所

もう一つリフォームの優先度を上げたいのが、廊下や玄関といった外出に関わる場所です。

介護が必要になっても外に出る時間は大切。デイサービスなどを受けるにあたっても、出かけやすいかどうかというのは、本人の活力にも直結する重要なポイントです。

まとめ

介護する側・される側双方にとって、ストレスの少ない住まいづくりを実現できる、介護リフォーム・リノベーションは、高齢化の進む日本において、ますます重要性が高まっています。

リフォームによって、介護のしやすさをアップするのはもちろん、なるべく高齢者が自分の力で生活を送れるよう、ハード面からサポートするという視点も忘れないようにしましょう。介護リフォーム・リノベーションによって、家族全員が快適に過ごせる住まいを目指してみてはいかがでしょうか。

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