洗面器(ボウル)は、洗面所の印象を大きく左右するパーツです。現在、国内メーカーの主流となっているのが「オーバーカウンター型」で、中でもカウンターすべてが洗面器でおおわれている「一体式」です。
しかしオーバーカウンター型の洗面器は一体式だけではないのです。オシャレな洗面所を造りたいと思っている方ならば、オーバーカウンター型の「埋込み式」をチェックしましょう。
オーバーカウンター型洗面器とは
オーバーカウンター型洗面器とは、カウンター上部に洗面器が乗っているタイプを指します。反対語は「アンダーカウンター型」、カウンターの下に洗面器が埋め込まれているタイプです。
日本での主流はオーバーカウンター型洗面器の中でも、カウンターすべてが洗面器でおおわれた「一体式」となっています。
「一体式」オーバーカウンター型洗面器のメリット
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近年、各メーカーが力を入れているのは「オーバーカウンター型・一体式」の洗面器、これだけ国内で広まっているのには大きなメリットがあるからです。
まずあげられるメリットは、「手入れがしやすい」というところです。カウンター全面に洗剤を使ったり水洗いすることができますから、洗面台を常に清潔に保つことができます。キレイ好きな国民性を表しているのかもしれません。
次にあげられるメリットは「水が飛び散りにくい」というところです。飛び散った水のほとんどは、巨大な洗面器が受け止めてくれるのです。現在ではさらに進んで、洗面器の壁面が高くなったハイバックタイプが人気となっており、さらに水が飛び散りにくくなりました。
「一体式」オーバーカウンター型洗面器のデメリット
一体式オーバーカウンター型のデメリットはあまり見つかりません。あえていうなら、デザインが退屈なところでしょうか。ありがちでオシャレ感が薄いところでしょうか。
「埋込み式」オーバーカウンター型洗面器とは
海外で見かけるオーバーカウンター型洗面器は、日本で見かける一体式ではなく、カウンターの上に洗面器が乗っています。カウンターに埋め込まれるように設置されていますから区別するために「埋込み式」と呼びましょう。
「埋込み式」オーバーカウンター型洗面器のメリット
著名なデザイナーが手掛けたものなど、埋込み式オーバーカウンター型洗面器にはオシャレなものが多数あります。中でも目をひくのは器がそのまま乗っているような「ベッセル式」と呼ばれるものです。カウンターも選ぶことができますから、好みに合った洗面台にすることができるのがメリットといえます。
たとえば上の写真は浅草「スーパードライホール」を手掛けたことでも知られる、フィリップ・スタルクがデザインした洗面器なのですが、いかがでしょうか?
「埋込み式」オーバーカウンター型洗面器のデメリット
洗面器とカウンターの間に汚れがたまりやすいのがデメリットです。また一体型ほど洗面器が大きくないので、水が飛び散りやすいというのもデメリットといえるでしょう。
ただ、カウンターの材質を工夫することで掃除のしやすさは変わってきます。人工大理石などでできたカウンターを選べば、飛び散った水もサッとひと拭きできてしまいます。
海外では著名な「デュラビット(DURAVIT)」社
海外では主流のタイプだけに、埋込み式オーバーカウンター型洗面器は数多くのメーカーが手掛けているのですが、一つ選ぶとするならばドイツ「デュラビット」社でしょうか。
1817年に創業した老舗で洗面器やバスタブなどを製造しています。フィリップ・スタルク以外にも数多くのデザイナーとコラボレーションをおこなうなど、デザイン性が高い製品を数多くリリースしているところが特徴です。世界的に高い知名度を持つメーカーで、130カ国以上で販売されています。
国内では上位モデルにラインナップ
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埋込み式オーバーカウンター型洗面器は、国内メーカーでも見かけるようになりました。たとえばTOTOの最上位モデル「エスクア」は洗面器も埋込み式で洗練されているのですが、カウンター下のキャビネットごと宙に浮いたようなデザインが目をひきます。
まとめ
海外の埋込み式オーバーカウンター型洗面器のデザインの高さばかり強調してきましたが、最後にも書いている通り、国内メーカーも上位モデルを中心に優れたデザインのものを発表し始めました。TOTOだけでなくLIXIL「ルミシス」、パナソニック「Lクラス」などでも埋込み式の洗面器を見ることができます。
ただ上位モデルだけあって、価格が高いのが難点です。手頃な価格でデザインもオシャレというと、デュラビット社など海外のものが一歩リードしている印象なのです。