一軒家の工事をしたいけれど、以下のような疑問があるという方は少なからずいるでしょう。
・業者はたくさんあるし、そもそも「リフォーム」を謳っている業者と「リノベーション」を謳っている業者がいて、違いがよくわからない
・自分が希望している工事は予算内の金額でできるのだろうか
・工事トラブルの話をよく聞くけれど、どうしたら未然にトラブルを防げるのか
そこで、この記事ではわかりにくいリフォームとリノベーションとの違いや、工事の予算感などについて解説します。
一軒家をリフォームするときの費用相場
リフォームを考えてはいるけれど、まずはどんな工事にいくらぐらい費用がかかるのかを知りたいという方もいるでしょう。
希望が多い水回りの工事を中心に、各工事の費用をまとめていますので、以下の表をご覧ください。
工事箇所 | 工事内容 | 費用 |
洗面所 | 壁面のタイル張り替え | 35万円 |
洗面化粧台の入れ替えと洗濯機パンの取り替え | 100万円 | |
キッチン | システムキッチンと吊り戸棚の入れ替え | 120万円 |
システムキッチンとレンジフードの入れ替え | 150万円 | |
浴室 | 浴室水栓の交換とバスタブの入れ替え | 120万円 |
タイル張りの浴室にシステムバスを導入 | 107万円 | |
トイレ | トイレの入れ替えと床・壁の張り替え、ウォシュレットの新設 | 20万円 |
トイレをバリアフリー仕様に入れ替え・洗面所一体型に変更 | 40万円 | |
リビング | フローリングと壁紙の張り替え・ブラインドの新設 | 100万円 |
和室の茶の間を床暖房付きのリビングルームに変更 | 145万円 |
※トイレは面積が狭いので、見た目が大きく変わっても費用はそこまで高くなりません。
参照サイト:リフォーム会社紹介サイト ホームプロ
原状回復にとどめるリフォームか?作り直してしまうリノベーションか?
「リフォーム」と「リノベーション」はよく聞く言葉であり、業者が似たような意味で両方の言葉を使用していることも多いですが、実は意味が違うものです。
法律などによってそれぞれの意味が明確に定められているわけではありませんが、違いをまとめると以下の表のようになります。
リフォーム | リノベーション | |
定義 | 古くなった建物や設備を、新築に近い状態まで「戻す」工事のこと | 住宅の性能を新築の状態より高いものにする・または価値を高めるために「作り替える」工事のこと |
費用 | 安い | 高い |
工事期間 | 短い | 長い |
完成後のイメージ | 具体的なイメージが容易 | 完成しないとわからないことも |
想定外の事態 | 起きにくい | 起きやすい |
間取り変更 | 不可 | 可能 |
劣化状況の把握 | 住宅全体の強度や劣化状況までは確認できない | 住宅全体の強度や劣化状況をつかめる |
資産性 | そこまで上がらない | 施工後に高まる |
例えば、位置を変えずにキッチン設備を新しいものに入れ替えるのであればリフォームですが、間仕切り壁を壊してアイランドキッチンを作るなどするとリノベーションになります。
リフォーム費用の優先順位を定める
工事後に後悔しないためには、予算内で行う工事の優先順位を定めることが必要です。
ちなみに、「失敗しないためのリフォーム情報サイト」が実施したアンケートによると、中古住宅購入者の34%が水回りのリフォームを最優先に考えています。
参照:失敗しないためのリフォーム情報サイト「リフォームはまずどこから?快適に暮らすための優先順位とは」
やはり、風呂・トイレなど清潔に保つべき箇所は優先順位を上げて工事したいと考える人が多いです。
ちなみにSUUMOが実施したアンケートによると、リフォームやリノベーションをした人の92%が、工事中に当初予算とは別途の追加費用が発生したと回答しています。
参照:SUUMO「こんなにあった!リフォーム 想定外の出費」
できる限り追加費用が発生しないようにするためにも、契約前に工事の優先順位を決めると良いでしょう。また、各工事箇所について機能とデザインのどちらを重視するのかも決めておくことが重要です。
リフォーム業者の選び方
リフォームを計画するときに、設計や工事をどの業者に委託するのかはとても重要なポイントです。まずは、どんな業者がリフォームを請け負っているのかをご紹介します。
リフォームの専門業者
リフォームの専門業者で大手と呼べる会社は少ないのが実情です。業者によって工事の種類に得手不得手があるので、どんな工事をするのか、ある程度決めておいてから見積依頼などするのが良いでしょう。
ハウスメーカー
ほとんどの大手ハウスメーカーは、リフォームの部門若しくはリフォーム専門の子会社を抱えています。大体どんな工事でも対応可能で安心感は高い一方、費用も高くなりがちなのが難点です。
工務店
地元密着の工務店などもリフォーム工事を請け負っています。地元の工務店には昔気質な人も多いので、関係性を作られればプラスアルファのサービスを受けられることもあるでしょう。
電気、ガス、水道の専門業者
リフォームしたい設備が明確に決まっている場合はおすすめです。上記3種類の業者に工事を発注すると、下請けとしてこうした専門業者が入ることがあります。
しかし、工事箇所が設備関係に限定されている場合は、余計な中間経費をかけなくて済むでしょう。
「やっぱり大手が安心」ということならばハウスメーカーがおすすめです。しかし、予算をできる限り抑えていきたい場合は、リフォーム専門業者か地域の工務店を選ぶと良いでしょう。
一方、トイレだけを入れ替えたいなど、工事対象がピンポイントの設備に定まっている場合は、各設備の専門業者に工事を委託すると費用を抑制することも可能です。
まとめ
施工業者を選んだり工事の内容を決めたりするためには、最初に工事の目的を明確化することが最も重要です。目的が定まれば、自然に工事の優先順位も決まってくるものなので、業者選びなども容易になるでしょう。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、まずはじっくり考えることをおすすめします。