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1畳のトイレって狭くない?トイレの広さについて考えてみた

家の中でも使う頻度の高い空間であるトイレは、どれくらいの広さが適切かわかりにくいですよね。狭すぎても使いにくいし、逆に広すぎても落ち着きません。他の居室であれば、例えば「6畳は標準的」「4畳半だと小さめ」といった何となくの基準がありますが、トイレの標準的な広さと言っても見当がつかないという人も多いはず。

そこで今回は、1畳という広さに着目。トイレの標準的な面積について解説した上で、1畳のトイレが果たして広いのか、狭いのかについて考えていきたいと思います。

トイレの広さはどれくらいが適切?

まず、トイレの広さの基準について解説していきましょう。極端な話ですが、トイレが4畳半ある家というのはさすがに見たことがないですよね。オフィスやレストランならともかく、家族だけが使う家のトイレはそこまで広い必要がありません。

家のトイレのサイズとしては、0.4坪(幅78cm×奥行123.5cm)・0.5坪(78cm×169cm)・0.75坪(123.5cm×169cm)の3つが一般的です。地方によって京間や江戸間など畳のサイズは異なりますが、大まかに1坪=2畳と計算できますので、だいたい0.8畳〜1.5畳程度のトイレが多いということになります。

こうして考えると、1畳のトイレというのはごく標準仕様ということですね。もっとも小さな0.4坪タイプのトイレは、賃貸マンションや団地などで多く見られるサイズ。つまり、トイレは0.4坪(約0.8畳)もあれば十分に機能を果たせるということです。

トイレに手洗い場を設置したり、介護用の手すりや車椅子スペースを設置したりする場合には、0.5坪・0.75坪あるいはそれ以上のスペースを確保する必要があります。

戸建で一般的な1畳のトイレ

今回のメインである1畳のトイレは、先ほどの分類に置き換えれば0.5坪タイプ。こちらは戸建のトイレとして一般的なサイズで、一部のマンションでも見られます。

0.4坪タイプに比べてスペースに余裕があるので、手洗い場や収納を設けたいという人におすすめのサイズです。ただ、ドアの位置によって使い勝手が大きく変わる点は要注意。

トイレが廊下に垂直な配置になっている場合、ドアは便器の正面となります。これだとドアから便器への動線がスペースのほとんどを占めるので、コンパクトな手洗い場以外の設置は難しく、使い勝手としては0.4坪タイプとあまり変わらないでしょう。収納も設置したいなら、トイレを廊下と平行に配置するのがおすすめ。側面にドアがくるので、残りの壁面を有効に活用することができるのです。

1畳でも広く使える方法

トイレは1畳でも十分だということはわかりましたが、決して余裕のある広さではありません。1畳という限られた面積を有効活用するためには、どのような方法が考えられるのでしょうか。続いては1畳のトイレを広く使う方法について解説していきます。

洗面所に隣接させてタンクレストイレにする

最近増えているタンクレストイレは、従来のタンクつきトイレに比べて奥行が少なくコンパクトなのがメリット。タンクレストイレに交換すれば、同じ1畳でも使えるスペースが広がります。ただし、タンクレストイレには手洗いがないので、別に手洗い場を設けなければならない点は要注意。トイレの中に設置しようとすると結局場所を取ってしまいます。トイレを広々使いたいのであれば、隣接する洗面所で手を洗うことにするなど、手洗い場を外に設置する方法を検討しましょう。

便器や手洗い場をコンパクトタイプにする

面積の狭いトイレでも設置可能なコンパクトタイプの便器や手洗い場もあります。上でお話しした通り、タンクレストイレだと手洗い場が別に必要になることを考えると、実はタンク付のコンパクトトイレの方が場所を取りません。一方、タンクレストイレは高機能なものが多いので、機能面と配置計画の両面からどういったタイプのトイレが向いているのか検討するのがおすすめです。

新築なら入口とトイレの向きに注意!

これも先ほど触れましたが、同じ1畳のトイレでも入口の場所によって使い勝手が大きく変わってきます。新築でトイレの配置を変更できる場合には、スペースの使い方や動線を考慮して入口の位置をしっかり検討するといいでしょう。

間取り上問題がないのであれば、基本的に廊下と平行向きにトイレを設置する方がベター。ドアが側面につくため、残りの壁面を有効に活用できます。手洗い場をドアの正面、収納を便器の正面に設ければ、1畳でも十分に機能的なトイレを実現することができます。

間取りによっては、どうしても廊下と垂直向きにトイレを設置せざるを得ない場合もあるでしょう。この場合、手洗い場を設置するのはなかなか難しいかもしれません。コンパクトでドアに干渉しないものを選ぶ必要があるので、選択肢は狭まってしまいます。収納に関しては、便器の背後にある壁面や便器の上部に設置すればスペース的に問題ありません。

なお、垂直向きだとドアを内開きにすることも可能。水回りや居室の入口が近接していて、ドアが廊下の動線を邪魔しているといった場合には検討の価値があると言えます。

まとめ

今回はトイレの広さについて解説してきましたが、トイレは1畳程度が標準的な広さであり、配置を工夫すれば快適に使用できるということがおわかりいただけたかと思います。特にマンションではトイレの配置を変えることが難しいですから、既存の間取りでいかに広く使うかという点が重要です。間取りを変えられないのであれば、便器の種類や手洗い場・収納の配置などを工夫して、快適なトイレを実現しましょう。

・参考:&Reno「快適なトイレの広さって何畳くらい?トイレのサイズを検証してみよう」