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水回りにシロアリを発生させない!そのための対策は?

新築・中古を問わず、木造住宅の心配事といえばシロアリ。柱などを食べて家に深刻なダメージを与えてしまうのですが、そんなシロアリは特に水回りで発生しやすいといわれています。その理由はなぜでしょうか?そして発生させない方法はないのでしょうか?

ここでは水回り、そして家自体にシロアリを寄せ付けない方法についてお話しします。

なぜ水回りにシロアリが発生するのか?

シロアリが発生しやすい箇所といえば、バスルームやキッチン、トイレといった水回り。そして床下や天井裏、玄関ですが、これらの箇所には共通点があります。それは、シロアリが好む3つの条件がそろっていることです。

シロアリが好む3条件とは?

シロアリが好む条件とは「暖かく湿度が高いこと」「食べ物が豊富にあること」「外敵がいないこと」の3つです。

シロアリ本来の活動時期は春から秋で、冬には活動が鈍るとされていますが、暖房が効いた家屋はシロアリにとっても年中快適です。中でも水回りは湿度の高さという点でも、申し分ありません。シロアリの食べ物は主にセルロース、木だけでなく落ち葉や本、畳など木質のものなら何でも食べてしまうのですが、木造住宅はセルロースの宝庫です。またクロアリやカエル、トカゲ、スズメなどがシロアリの外敵とされています。

水回りをシロアリが好まない環境にするには?

シロアリが好む3条件のうち、人間がコントロールできるのは最初の1つです。つまり水回りを、シロアリが心地よさを感じない環境にしてやればよいのです。

湿気をそのままにしておかない

水回りから水分が浸透し下地の木材まで届いてしまうと、シロアリの絶好の住み家になってしまいます。新しいシステムキッチンやシステムバスなら、それほど心配はいりませんが、気を付けなければいけないのは、タイル貼りのバスルームやトイレ。老朽化した目地やシーリング、割れたタイルなどのすき間から、水気が染み込んでいくことがあるのです。

対策は、付いた水気を早く取り除くこと。たとえばバスルームなら、換気をしたりクロスで水気をふき取ったりすることが大切です。浴室乾燥機を取り付けるのも良いでしょう。タイル貼りのトイレなら、掃除で床に直接水をまくことは避けるべきです。

また老朽化した目地やシーリング、割れたタイルは、いち早い補修が必要になります。

床下を濡らさない

キッチンで注意すべきは、床下で起こる水漏れです。排水管が詰まったり、排水ホースが抜けてしまうと床下に水が流れてしまい、シロアリが好む環境ができてしまいます。

対策は、排水の流れが悪いと感じたら、ワイヤーブラシなどを用いてすぐに解消することと、シンク下の収納を使う際に、ホースを引っ張らないように注意することです。

家全体をシロアリが好まない環境にするには?

シロアリの多くは床下から家に侵入してきますから、床下にシロアリが住みつかないようにすることが重要です。また羽の生えたシロアリである羽アリは、床下以外からも屋内に入ってきますから、家の周りもシロアリが好まない環境にすることが大切です。

床下の通気を良くする

床下を常に乾燥した状態にしておけば、シロアリがそこに住みつくことは少なくなります。まず、床下の通気口は開いているかを確認。通気口が雑草でおおわれていたり、通気口をふさぐように物が置かれていては、充分な働きができません。住宅の外回りを掃除する際には床下の通気口もチェックしましょう。

また、検討したいのが「床下換気扇」の取り付け。電動のファンを通気口に取り付けて、床下の湿度を低く保つもので、近年ではソーラーパネルとセットになった太陽光で稼働するタイプも販売されています。湿気のたまりやすい水回りの床下などに、重点的に取り付けましょう。

家の周りにシロアリのエサを置かない

材木や段ボールなど木質のものを家の周りに置いておくと、シロアリを引き寄せてしまう原因になります。家の周りをスッキリ片づけておくことはもちろんのこと、注意したいのはエクステリアに用いられる枕木やウッドデッキです。購入した当初は防蟻処理がほどこされており、シロアリが寄り付くことはありませんが、時と共に効果が薄れていってしまいます。ご自身で薬剤を用いて、定期的に防蟻処理をやり直すか、アルミやプラスチック製のものに交換すると良いでしょう。

プロにシロアリ予防を依頼する

シロアリの被害にあいやすい土台に使われる木材には、新築時に防蟻処理はおこなわれているものですが、薬剤の効果は時と共に薄れていきます。一般に薬剤の効果は5年とされていますから、5年ごとに新たに予防処理を依頼するのが理想です。

(参考:エコパウダー「防蟻(シロアリ)薬剤について」)

まとめ

水回りのシロアリを防ぐために、大切なことは湿度をコントロールすること。水分が周りの木材や床下まで、届かないようにすることです。そのためには水分が染み込まないよう、タイルや目地やコーキングの劣化に、日ごろから気を付けておきましょう。また多くのシロアリは床下に住み付きますから、湿度を低く保つことも重要です。通気口を塞がないように注意し、床下換気の取り付けを検討してみましょう。