最近のビニルクロスは汚れが付きにくく、落ちやすい加工が施されています。 一般的なクロスなら、お掃除に特別難しいことはしなくても、きれいな状態が維持しやすいようになっています。
クロスのふだんのお掃除はホコリを払う程度です。照明スイッチや建具の回りにつく手あかが気になる時は落としておきましょう。
少し時間を取って念入りなお掃除が必要になるのが、キッチン周りの油汚れや、鉛筆跡などをきれいにする時です。基本的には水拭きで落としていきますが、汚れがひどいときは薄めた中性洗剤やクロス専用洗剤も使っていきます。
それでは、具体的な掃除方法を見ていきましょう。
クロスのふだんのお掃除
クロスのふだんのお掃除は、ホコリを落とす程度で十分です。ホコリは集まって固まるとしつこい汚れの原因になることもありますので、ためすぎないよう、定期的に取り除いておきましょう。
スイッチや建具回りの手あかも、ひどくなる前に普段の掃除で落としておきましょう。
準備する道具
・掃除機 またはハンディモップやペーパーモップなど
・ハタキやホウキ
・綺麗な布
・洗剤
天井などの高いところにたまったホコリを掃除するために、柄の長いハンディモップやハタキがあると便利です。踏み台や脚立を出してこなくても掃除ができます。ハンディモップは、市販されている床用化繊タイプがホコリを集めやすいのでおすすめです。
クロスのふだんの掃除方法
■ホコリの落とし方
掃除機を使うとホコリが空中に飛び散らず効率的に掃除ができます。掃除機の床用のノズルをそのまま壁に使って掃除機掛けをしていきましょう。
ハンディモップやペーパーモップなら手軽にお掃除できるので、気になったとき、少し時間が空いた時など、ササっとできます。
天井など高いところもチェックしましょう。壁の隅(壁と壁、壁と天井)はホコリがたまりやすい場所です。ホコリを見つけたら、ハンディモップやハタキなど長さのあるもので払います。
■手あかの落とし方
スイッチ周りや建具回りなど、よく触るところには手あかが残りがちです。クロスのホコリをチェックする時に、手あかの汚れが気になったら、家庭用中性洗剤を薄めたもので拭き取りましょう。お湯拭きするとより落ちやすくなります。汚れを落とした後、乾拭きして仕上げます。
クロスの汚れは市販のクロス専用洗剤を使っても落とすことができます。乾拭きが必要なく、ワックス効果など便利な機能のある製品も出ています。
クロスの念入りお掃除
クロスの汚れで困るのがキッチン周りの油汚れや、鉛筆の跡など。汚れが付いたらすぐに掃除することが大切です。特に液体の汚れは早く対処するほど落としやすくなります。時間が経った汚れは基本的に水拭きで落とします。ひどい汚れは薄めた中性洗剤やクロス専用洗剤で落とします。
鉛筆の跡は消しゴムで消えます。消しゴムで消えないような濃い汚れや、クロスに物がぶつかって擦れた跡などは、メラミンスポンジを試してみてください。力を入れずに軽くこするように使います。
準備する道具
・消しゴム
・メラミンスポンジ
・洗剤
・綺麗な布
クロスの念入り掃除方法
■鉛筆の跡
鉛筆の跡は消しゴムで消します。きれいな面を使って、壁に消しゴムの汚れが付かないようにしましょう。
■ペンやマジックの跡
ペンやマジックの跡は洗剤で落とします。中性洗剤やクロス専用洗剤が落とす力に優れています。こするように拭くと汚れが伸びてしまうので、上からたたくようにして掃除します。
■タバコのヤニや油汚れ
キッチン周りの油汚れやタバコのヤニ汚れでは、放置しておくとホコリを吸着し、カビの原因にもなります。
このような汚れは薄めた食器用洗剤で水拭きします。お湯拭きするとさらに効果的です。仕上げに乾拭きして水分を残さないようにします。市販のクロス専用洗剤を使うと汚れも落ちやすく、汚れを寄せ付けない効果もあるので次のお掃除が楽になります。
■しょうゆやソース、コーヒーやジュースなどの汚れ
しょうゆやソースは付いたらできるだけ早い対応が必要です。付いてすぐなら乾いた布やティッシュで吸い取れます。
時間がたった場合、まずは薄めた中性洗剤をつけた布で優しく上から叩くように拭き取ります。こするように拭くと汚れが広がるので注意が必要です。
クロスの中まで染み込んでしまうと完全には落ちないので、早めの対応が肝心です。
■クロスの傷や剥がれ
クロスに傷が付いたり合わせ目から剥がれてきたりすることもあります。見つけたら、掃除のついでに対処しましょう。
クロスが少しだけ剥がれている状態なら、木工用ボンドで接着できます。少しはみ出る程度にボンドを塗って、クロスを指で押さえて接着します。はみ出たボンドは濡れた雑巾で拭き取っておきます。
傷は程度によりますが、市販のクロス用傷かくし剤で隠せることがありますので、試してみる価値があります。あまり大きな傷には向きませんので、目安としては、小指のツメ程度の大きさまでと思ってください。
ホームセンターなどではクロスの補修キットを購入することができます。汚れ落とし、傷隠しなどのための道具と補修材がセットになっていますので、クロスのお掃除全般に使えます。
・参考:クロスの補修キット(建築の友)
クロスの種類を確かめよう
繊維クロス、珪藻土クロスなどの特殊なクロスは、一般的なビニルクロスよりも注意深いお掃除が必要になることがあります。基本的には、「汚れが付いたらすぐに落とす」ことがポイントです。
日焼け跡や大きな汚れは貼り替えを検討
クロスは日焼けで変色します。額や家具の裏は日が当たらないので、レイアウト替えをした時など、その部分だけ色が違ってしまっていることもよくあります。また、範囲の広い汚れを洗剤などで落とした時も、その部分だけがキレイになりすぎて、浮いて見えるようになりがちです。
こういったクロスのまだらな変色が気になる時は、クロスの貼り替えも選択肢になります。部分的な張替は結局色の違いが解消されませんので、貼り替える際には壁一面を丸ごと貼り替えるのが基本です。
まとめ
今回はクロスのお掃除方法をご紹介しました。
クロスのホコリは汚れの原因になりますので、たまってしまう前にハンディモップやハタキこまめに落としておくとキレイな状態を維持しやすくなります。専用洗剤や便利な道具も市販されていますので、興味のある方は使ってみてください。
参考文献
・PHP研究所,住まいのお手入れハンドブック,PHP研究所
・NPO法人日本ハウスクリーニング協会,掃除の解剖図巻,エクスナレッジ