小上がりは人気の設備のひとつ。リノベーションや新築の機会に設置しようと思っている方も多いでしょう。しかし一方で、小上がりに不満を感じることも多いと聞きます。試しに「小上がり 撤去」でWeb検索をかけてみると、次々と事例が出てきます。それらから見えてくるのが小上がりの弱点。設置しようと考えているならその前に、もう一度検討する必要がありそうです。
ここでは、人気の小上がりを撤去したくなるケースを考えます。また実際に撤去するには、どのような手順でおこなうかを見ていきましょう。
小上がりを撤去したくなる理由とは?
なぜ念願の小上がりに不満を抱えてしまうのか。主な理由は以下のとおりです。
小上がりのおかげで部屋が狭い
小上がりに対する不満で多く見かけるものは、部屋が狭いというものです。小上がりのメリットの一つは「変化する床の高さが目線の変化につながり、部屋が広く見える」というものですが、小上がりは室内に大きな障害物があるのと同じとも言えます。十分なスペースがない空間に設置してしまうと、好みのリビングセットが置けないといった不満も出てしまいます。
対策は小上がりを撤去する以外にありませんが、それなりに費用がかかってしまいます。使っていない部屋とつなげるなど、逆にリビング側を広げる検討もしてみましょう。
小上がりの段差が気になる
せっかく設置した小上がりですが、10年ほど経つと不満もいろいろと出てくるようです。中でも10cm程度の低めの小上がりの場合に、つまずいてしまうとか、小上がりから降りる時に足を滑らせてしまうとか等、加齢による足腰の衰えも小上がりに不満を抱かせる理由。世の中の流れはバリアフリー。敷居など室内にある段差はなるべくなくそうというのが世の中の流れですから、小上がりは時代に逆行していると言われることもあります。
対策として小上がりを撤去する以外に、思い切って高くするという事例も見かけるようになりました。10cmほどの高さの障害物はかえってつまづきやすいもの。いっそ40cm程度にかさ上げしてしまうというのはいかがでしょうか。フローリングや壁紙を新しく施工するコストを抑えることができますし、40cmの高さがあれば小上がりの下部を収納として利用もできます。
小上がりの箇所の天井が低い
40cm程度の小上がりをキッズスペースとして利用した場合に、子どもの成長とともに出てくる不満のひとつです。一般に天井までの高さは240cm程度ですから小上がり部分の天井高は200cm、身長が150cm程度になると圧迫感があるでしょう。
対策は小上がりを撤去すること。逆に天井を撤去するという方法もありますが、現実的ではないでしょう。
その他の小上がりの不満
部屋の模様替えをしたくても融通がきかない、収納が使いにくい、掃除ロボットが使えない。この程度なら撤去するまでには至りませんが、小上がりに対する不満は他にも色々あるようです。小上がりに限らずメリットがあればデメリットもあることを、設置前によく考えておきましょう。
小上がりの撤去の手順
小上がりの撤去工事は意外と大仕事と言われます。なぜなら小上がりだけを解体すれば良いわけではないから。撤去後に違和感がないよう、フローリングや壁紙にも手を入れるリフォーム工事も必要でしょう。
小上がり解体・撤去
単に解体・撤去するだけなら、広さにもよりますが1時間程度の工事で済むでしょう。しかし大変なのがその後。撤去後の空間の違和感ない仕上げも、十分に検討しておくことをおすすめします。
フローリング施工
小上がりを撤去した後は下地が見えてしまっていますから、フローリングなどの床材を新たに施工する必要もあります。新しく敷いたフローリングと元からあった箇所では、どうしても違和感が生じてしまいますので、気になる場合は部屋全面を張り直したほうが良いでしょう。
壁施工
小上がりを撤去してしまうと壁の下地が丸見えになってしまうのですが、その部分だけ壁紙を張りなおすと仕上がりが今一つになってしまいがち。おすすめは全面の壁紙を張りなおすこと。一部屋丸ごとリフォーム、リノベーションするつもりで取り掛かりましょう。
小上がり撤去のコストに幅がある理由
ここまで読んで気になるのが「小上がりを撤去するのにいったいいくらかかるか?」だと思います。しかし小上がりの大きさにもよりますし、撤去した後の仕上がりをどこまで求めるかで大きくコストは変わってしまいますから、一概には言えないというのが正直なところです。まずは、工務店やリフォーム会社に相談してみることをおすすめします。
まとめ
新築したりリノベーションした直後はベストと思っても、暮らしていくと時と共に不満は出てくるもの。家族の形態やライフスタイルは変化していきますから、小上がりに限らずこれは避けられないことと心得ましょう。ならば、どうするのか?なのですが、後付けの小上がりにしておくというのはいかがでしょうか。これならば移動もできますし、撤去する場合に業者に依頼する必要もありません。
ただし、造り付けの小上がりと比べると、どうしてもしっくりこないのが既製品と感じる方も多いかもしれません。長い期間設置しておくと、その部分はヤケが進行しませんからフローリングや壁紙に違和感が生じるでしょう。何とも悩ましいですが、ライフスタイルの変化と共に間取りや設備も変化せざるを得ないことだけは覚えておいてください。