キッチンに必要なものは、加熱調理をするための「コンロ」、洗い物をするための「シンク」、食材を切ったりする「調理台」の3つです。これらのレイアウトでキッチンは3種類に分けることができますが、その一つが「L型キッチン」です。スタンダードなものは、コンロとシンクが Lの字に配置されています。
ここではL型キッチンを選ぶメリットやデメリット、設置場所による「壁付け」「対面」の2種類のバリエーションについてまとめていきましょう。
L型キッチンを選ぶメリットとは?
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L型キッチン」は作業効率を第一に考えられたレイアウトです。以下の2つのメリットが大きいでしょう。
● 料理中の体の移動が少ない
● 作業スペースが広く取れる
料理中に体の移動が少ない
作業動線が短いのがL型キッチンの優れている点です。コンロからシンクへの移動は、体を90度にひねるだけで良いのです。Ⅰ型キッチンだとコンロ、調理台、シンクと一直線にレイアウトされていますから、コンロからシンクへの移動は横歩きが必要になります。L型キッチンの効率の良さがわかるでしょう。
作業スペースが広く取れる
二面を使ってレイアウトされるL型キッチンは、Ⅰ型と比べると大きくなります。その分、作業スペースも大きく取れます。L字のコーナー部分には調理台が配されることが多いのですが、奥行きの深さは魅力になるでしょう。凝った料理を作るとか、家族が多いとか、ゲストを招く機会が多いなどの場合に、ありがたみを感じるレイアウトといえます。
L型キッチンを選ぶデメリットとは?
効率が良いL型キッチンなのですが実際に使ってみると、いくつかのデメリットに気が付きます。代表的なものは以下の3つです。
● 設置するのに広いスペースが必要
● 価格が比較的高い
● コーナー部の収納力が弱い
設置するのに広いスペースが必要
L型キッチンの最大のデメリットは、広いスペースが必要になることです。キッチンは大型になりますし、壁も二面つぶれてしまいます。限られたスペースしかキッチンに割くことができないケースでは、あまりおすすめできないレイアウトです。
価格が比較的高い
シンプルなⅠ型キッチンと比べると、大きく形も複雑なL型キッチンは、価格が高くなってしまいます。
コーナー部の収納力が弱い
壁を二面使った大収納は、L型キッチンの魅力でもありますが、同時にデメリットにもなります。引き出しを設置するわけにはいきませんし、奥行きがありすぎますから、L字のコーナー部分の収納がどうしても弱くなってしまいます。
L型キッチンのコーナー対策とは?
広いスペースが必要だとか価格の問題はともかく、L型キッチンのコーナー部が使いづらいというデメリットについては、システムキッチン選びやリノベーションで対策をたてることができます。
引き出し型のワゴンを仕込む
コーナー下部の使いづらさを解消するために、丸ごとワゴンにしてしまうという方法があります。完全に引き出すことができますから奥にあるものも取り出しやすい!日持ちがするものをストックしておくのに最適でしょう。各メーカーがオプションとしてラインナップしています。
コーナー部をシンクやコンロにする
シンクやコンロにするというアイデアも使えます。シンクにするなら排水管をコーナーの奥に収めることができますから、スペースの効率が良くなるのですが、問題点は、コーナー用のシンクやコンロを作っているメーカーが少ないことです。システムキッチンでは難しいため、オーダーで検討したほうが良さそうです。
対面に向いているL型キッチン
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L型キッチンのスタンダードな設置方法は壁付けにすることですが、近年のトレンドは対面キッチンです。料理中でもダイニングやリビングとコミュニケーションが取りやすいことや、オシャレな見た目が魅力です。そしてL型キッチンは、壁付けにも向いています。
たとえば、Lの字の短い辺にコンロを配置、壁付けにしたケースを考えてみましょう。コンロから上がる煙や匂いは、すぐ上のレンジフードへ流れます。ダイニングやリビングに広がりにくいのです。それらを防ぐための壁も小さくて充分、もしくは必要ありませんから、オープンキッチンの開放感を楽しむことができるのです。
一方Ⅰ型では、コンロの長辺がダイニングに面しますから、煙や匂いが広がりやすいです。防ぐための壁も大きくなってしまいますから、せっかくの対面キッチンなのにセミオープンになってしまいがちなのです。
対面キッチンへのリノベーションを検討しているなら、ぜひL型キッチンのレイアウトを検討してみてください。
まとめ
L型キッチンは作業動線に優れたレイアウトです。コーナー部の活用に難がありますが、工夫次第で改善は可能でしょう。そしてL型キッチンは対面に設置するのに向いています。開放的なキッチンを考えているなら、おすすめのレイアウトになります。