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縦長リビングのレイアウトを考えるコツとは?事例から学ぶポイント

リビングは長い時間家族が集う、住まいの中心とも言える場所。日本の住まいではリビングとダイニング、そしてキッチンが一体化していることが多いですが、形状は大きく分けて縦長と横長のものがあります。形状が異なれば、当然適したレイアウトも異なってきますよね。

今回は、2つのうち分譲マンションなどで多く見られる縦長リビングのレイアウトについて解説。実際の事例もご紹介していきます。

縦長リビングのメリット、デメリット

リビングの形状は、大きく分けて縦長と横長があるとお伝えしました。2つは異なる特徴を持っていますが、縦長リビングはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。順番に見ていきましょう。

縦長リビングのメリット

縦長リビングの場合、リビングのドアを開けて窓側にリビング、室内側にキッチンという間取りになっていることがほとんど。窓側には隣接して居室が設けられていることが多いのも特徴です。こうしたことから、次のような点がメリットとして挙げられます。

 ・壁面が広いので、家具レイアウトの自由度が高い。
 ・キッチンからリビング全体が見渡しやすい。
 ・リビングに隣接している居室は日当たりが良くなる。

見通しのいい空間になるのでLDKの一体感を確保できるだけでなく、バルコニーやベランダに面した居室はプライベート空間として使用することも可能。全体的に自由度が高い点がメリットと言えるでしょう。

縦長リビングのデメリット

一方、縦長リビングならではのデメリットもあります。

 ・奥にあるキッチンまで日差しが届きにくい。
 ・レイアウトの自由度が高い分、動線をしっかり考えないと使いづらい。
 ・リビングとダイニングの差がつけにくい。

一体的な空間として使えるということは、裏を返せばリビング・ダイニングをハッキリ区別するのが難しいということでもあります。用途別に空間を仕切りたい場合、動線をよく検討しながら何かしらの対策を講じる必要があるのです。

ポイントは「視線の抜け」と「動線」

一体感のある空間を演出できる縦長リビングのレイアウトを考える上でポイントになるのが、「視線の抜け」と「動線」です。2つのポイントを押さえることで、縦長リビングをより広く快適な空間として活用できます。

「視線の抜け」を確保して縦長リビングを広く見せる

1つ目のポイントが「視線の抜け」を確保すること。縦長リビングの構造上、奥にあるキッチンからバルコニーが遠くなります。そのため、キッチンとバルコニーの間に背の高い家具を置いて視線を遮ってしまうと、光が入ってこないだけなく狭さを感じさせてしまいます。

縦長リビングを広く見せるには、部屋の入口やキッチンから窓の外が見える「視線の抜け」を確保することが大切。具体的には、視線の途中にあたる場所には背の低い家具を置くようにしましょう。背の高い本棚やタンスを置きたいなら、壁際に上手く収めるのがベター。

また、合わせて何も物を置かない床の面積を広めに取っておくと、抜け感をさらに演出することができます。

部屋の使いやすさは動線で決まる

もう1つ、縦長リビングのレイアウトで意識したいのが動線。縦長リビングは壁面が広くレイアウトの自由度が高いとご紹介しましたが、間口が狭いのでレイアウトによっては移動しづらくなってしまうのが難点です。

例えば、ダイニングテーブルを壁付もしくはキッチンカウンター付にして通路幅を確保する、ダイニングテーブル・リビングテーブル・ソファを片側に寄せて、もう一方の壁沿いに真っ直ぐな通路を作るといった具合に動線を工夫することで、リビングの使いやすさがアップします。

動線や抜け感を確保しつつ、リビングとダイニングの差をつけたい場合には、ソファの配置や異なるラグマットを使用するといった方法が有効です。

事例1:動線を第一に考える

ここからは、実際の縦長リビングレイアウト事例をご紹介していきましょう。

1つ目にご紹介するこちらの縦長リビングは、キッチンからの動線がしっかり確保されているのが特徴です。奥にある対面式キッチンのすぐ隣に、キッチンカウンター付のダイニングテーブルを設置。キッチンの延長線上に壁掛けテレビとソファを配置することにより、入口ドアからバルコニーにかけて一直線の動線を確保していますね。

こうすることで、洗濯物を干したりカーテンを開け閉めしたりといった日常の作業も負担なくこなせるのです。

事例2:カウンターに平行配置で抜け感を演出

2つ目にご紹介するのはこちらのリビング。画像を見ると、キッチンからリビングスペースにかけて一直線の抜け感が確保されていることがわかりますよね。

ポイントは、キッチンカウンター・ダイニングテーブル・ソファがすべて平行に配置されていて、かつ高さがリビングに向けて段々と低くなっていること。こうすることでキッチンから部屋全体を見渡すことができ、広くて開放的なリビングスペースを実現できるのです。

両側の壁面沿いに通路があるので、動線もしっかり確保されています。先ほどご紹介した抜け感と動線がいかに大切か、おわかりいただけるのではないでしょうか。

まとめ

今回は縦長リビングのレイアウトについて、押さえるべきポイントと実際の事例をご紹介してきました。縦長リビングは、間口の狭い日本の住まいでよく見られる間取りです。どうしても部屋が暗く雑多になりがちですが、抜け感と動線を意識することで快適なリビングを目指せます。

ご紹介した事例を参考に、自宅リビングのレイアウトを見直してみるといいかもしれません。