左右にレールを滑らせて開閉する両引き戸(りょうびきど)は、部屋の出入り口や押入れ、玄関といったところに設置されています。大きく開いて使いやすいというメリットがあるのですが、良いところばかりではありません。両引き戸を何とかしたい!と不満に思っている方も多いでしょう。
今回の記事では両引き戸の持つ色々なデメリットをあげて、リノベーションでの解決方法を紹介します。またデメリットの裏返しはメリット、両引き戸のメリットもまとめていきましょう。
両引き戸のデメリットあれこれ
・引き込むためのスペースが必要
・レール(敷居)、枠が必要
・デザインが今一つ
・特に玄関が寒い
両引き戸への不満は色々あると思うのですが、これら4つにまとめられるでしょう。それぞれをリノベーションのアイデアと一緒にみていきましょう。
引き込むためのスペースが必要
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室内の両引き戸で困るのは、壁に引き込むためのスペースが必要なことです。戸を引き込むと隠れてしまう場所にはコンセントをつけることもできませんし、絵を飾ることもできません。片引き戸にしたり壁ごと撤去したり、ドアに替えたりすれば解決するのですが、それはそれで別の悩みが生まれてしまいます。片引き戸にすると開口部が小さくなりますし、壁ごと撤去してしまうと今度は部屋が広くなってしまうのです。
今風の両引き戸「スクリーンウォール」はいかが?
両引き戸は気に入らないけれど、広すぎる部屋はいらない。こんな場合に役立つのはスクリーンウォール、パナソニックが手がけている今風の引き戸です。可動式のパーティーションになっており、片側に寄せることで引き戸一枚分に納まります。その分スペースの有効活用ができますね。同様の製品はYKK APが「スクリーンパーティション」、フォリスが「ウォールドア」といった具合に、他のメーカーも販売しています。
両引き戸の足元にレール(敷居)が必要
注目したい「バーンドア」
近年人気が高まっている吊るし戸は「バーンドア」と呼ばれるタイプです。バーン(barn)とは英語で納屋のことなのですが、いかにも重量のありそうな戸が太いレールから吊り下げられている納屋を、アメリカの映画などで見かけたことはありませんか?あの戸に似たものをリノベーションで取り付けるのです。
メリットは足元がすっきりすることと見た目がカッコいいこと。戸を吊り下げるレールは金属製で存在感たっぷり、ヴィンテージ感のあるインテリアと好相性です。戸にはレールから吊り下げるための金具が必要になりますが、金具を付けられればどんなものでもバーンドアになり得ます。お気に入りのアンティークドアも引き戸に使えますね。
両引き戸のデザインが今一つ
玄関の両引き戸は寒い
開口部が大きな両引き戸は便利な一方で、冬場には寒いというデメリットを抱えています。特にこのことを感じるのは玄関。両引き戸が入っているような玄関は天井も高かったりしますから余計に寒さを感じます。原因は両引き戸の断熱性の低さです。
新しい玄関戸は性能が向上
近年の住宅のキーワードは高断熱ですが、その工夫は玄関戸にも活かされています。ガラスが二重の複層になっているのです。他にも敷居のレールが低く設計されていたりしますから、スムーズに出入りできるようにもなりました。
両引き戸のメリットあれこれ
両引き戸のデメリットばかりをあげてきましたが、ここではメリットもあげておきましょう。以下の4つにまとめられます。
・開口部が大きい
・省スペース、床のスペースが活きる
・開け放ちやすい、戸を外せる
・開けるための動きが少なくてすむ
中でも下の2つは大きなメリットです。戸を外して複数の部屋をつなげて使えるのは、日本家屋の昔ながらの知恵と言えますし、手を動かすだけで戸を開けられるのは、荷物を多く持っている時にありがたみを感じます。
まとめ
毎日使う両引き戸、少しでも使いやすくおしゃれにと考えるのは当然のことでしょう。しかし、両引き戸のメリットがデメリットの裏返しであるのと同じで、紹介してきたリノベーションのアイデアもメリットばかりではありません。
実際に使っている人の意見を聞いたり想像力を働かせたりして、両引き戸のリノベーションを成功させたいものですね。