多くの方があこがれる空間といえば書斎です。ところが、スペースを確保できずにあきらめてしまうケースも多いのではないでしょうか。
しかし、間取りは工夫次第、設計士やリノベーションプランナーの腕の一つで、書斎を造ることも可能です。
ここでは「技アリ」で書斎スペースを造り出した例をご紹介しましょう。狭いものの包まれ感があるものもあれば、開放的なものもあります。どれも快適そうな書斎ばかりです。皆様の参考になればと思います。
既存のスペースに書斎を造る間取り3つ
既存の空間に手を加えることで、快適な住まいにすることがリノベーションです。しかし悩みどころは空間が限られていることです。そこに書斎のスペースを造るには、割り切りが必要となるでしょう。
ここでは、限られたスペースでも、住居としての快適さはできるだけ失わず、書斎を造った例を3つご紹介しましょう。これらに共通するのは、狭いながらも三方が壁で囲まれた空間で、包まれるような安心感があるところです。
その1:ベッドルームの一部を書斎にする
ベッドルームの一部を書斎にした間取りです。バスルームに隣接していたベッドルームの一部を書斎(赤で囲った部分)へとリノベーションしました。ベッドルームが狭くなったというデメリットの一方で、書斎ができた以外にもバスルームでの音が響かないというメリットも生まれています。
その2:クローゼットの一部を書斎にする
本来ならクローゼットにすべきスペースを書斎にした例です。キッチンと壁一枚を隔てる間取りにすることで、プライベートを確保する一方で、室内窓をしつらえる工夫がなされています。閉塞感を和らげ、緩やかなつながりを感じられます。
クローゼットの活用はリノベーションの肝になるという好例です。
その3:広すぎるダイニングの一部を書斎にする
ダイニングの一部に大きく書斎が張り出している珍しい間取りです。本来なら書斎部分に圧迫感がありますが、キッチンの終わり部分と書斎の面(ツラ)を合わせることでメリハリを演出しています。
LDKが狭くなったというデメリットがある一方で、書斎と空間のメリハリが得られたという間取り例になります。
書斎のために間取りを造り出す3つの方法
空間に包まれるような狭い書斎も魅力的ではあるのですが、やはり広いスペースが欲しいというのが本音かもしれません。しかし増築をするにはコストがかかりすぎてしまいます。こんな場合におススメの方法を3つご紹介。いわば新しい間取りを造り出す方法です。
特に一つ目のロフトを造る方法はマンションのリノベーションでも参考になるでしょう。
その1:ロフトを造り書斎にする
書斎を読書や仕事をするスペースと考えるならば、何も天井を高くする必要はありません。移動は中腰、作業は座ってと割り切ればよいでしょう。こんな考えから生まれたのがロフトです。天井の一部が低くなるというデメリットはありますが、視線に変化が出ます。
その2:中二階を造り書斎にする
一戸建てのリノベーションで新しくスペースを生み出す場合、中二階はよく使われる方法です。間取りの好例はミサワホームが得意としている「蔵のある家」です。中二階だけでなく半地下という方法もあります。
その3:和室を間取りに加えて書斎にする
もっともムリがない書斎造りの方法は和室を造ることです。和室は、布団を敷けばベッドルーム、ちゃぶ台を出せばダイニングと複数の用途に使うことができます。洋室にはない大きなメリットを持っているのが和室なのです。
書斎として使うには文机と本棚を置くだけです。収納ができる文机を選べば、すぐに他の目的にも使うことができます。和室をつぶしてしまうことは、リノベーションで真っ先に考えがちですが、それは余りにも惜しいものです。書斎としても使えるマルチルームとして、和室を間取りに加えるというのも、非常に良いアイデアであることを覚えておいてください。
まとめ
以上、書斎のためにいかに間取りを工夫するかを見てきました。書斎を造るに際に大切なのは、いかに住居の快適さを失わないかになります。中でもおすすめなのが最後に紹介した和室を造る、もしくは活かす方法ですが、こんな場合に頼りになるのが優れた設計士やプランナーになります。なるべく多くのプロのアイデアを聞いて快適な書斎ライフ、リノベーションライフを実現してください。