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無垢材の種類、1平方メートルあたりの金額で並べてみた

無垢材の種類、1平方メートルあたりの金額で並べてみた

住まいを作るときに取り入れたいのが無垢材のフローリング。たくさん種類がありすぎてどれを選べばよいか迷います。

今回はフローリングに絞って、無垢材の種類を1平方メートルあたりの金額で並べて、特徴を合わせてご紹介しています。

パイン

世界各地で広く使われるフローリング材
日本では「松の木」と呼ばれます。柔らかい木肌は足触りがよく、油分が比較的多いためしっとりとした踏み心地です。

パインのフローリングは荒々しい表情が特徴です。

木が育つ過程で枝が出やすく、フローリングにすると節が多く出ます。ログハウスやコテージなど、自然の中の小屋のイメージです。
松類は世界中に分布しているため、様々な地域で利用されています。
地域により生えている木に特徴があるため、様々なブランド名で流通しています。

1平方メートルあたりの金額 8,000円
世界中で取れ、大量に流通しているため最も安価に取り入れることのできる材料です。取れる地域によってブランド名があり、金額も少しずつ違います。

無垢材の種類、1平方メートルあたりの金額で並べてみた

馴染み深く足触りの良い材料
古くから利用され、日本人には大変馴染みの深い木材です。
柔らかい木肌は足触りがよく、厚い空気層は保温性・断熱性に優れており、足に優しく馴染みやすい床材です。
フローリング材の中では、かなり柔らかい材料で、ヘコミがつきやすいデメリットがあります。

杉のフローリングは色の変化の大きい材料です。
杉材は芯に近い赤身の部分と周辺の白太の部分との色の差がはっきりと出ます。張ってしばらくすると、少し茶色に色が変化し馴染んできます。
フローリングには、丸太の芯に近い赤身と周辺の白身が混じった「源平」という板材がよく使われます。

1平方メートルあたりの金額 12,500円
最もよく使われる杉フローリングは、幅9~12cm、長さ3.6m程度の長尺製品です。
表面の綺麗さを表す「上小節」グレードが多く使われています。

ヒノキ

抗菌効果・防蟻効果に優れる材料
スギと同じく、古くから使われている材料です。ヒノキオールと呼ばれる油性成分が抗菌効果・防蟻効果があり耐久性に優れています。

ヒノキのフローリングは、優しい木目が特徴です。

針葉樹のまっすぐに延びたピンク色の木肌は目に優しく、柔らかい木肌は足触りが良いのが特徴です。スギよりも若干固い踏み心地です。
日本各地で取れるため、それぞれにブランド名がついて流通しています。

1平方メートルあたりの金額 12,500円
スギフローリングと同じく幅9~12cm、長さ3.6m程度の長尺製品がよく使われます。表面の綺麗さを表す「上小節」グレードが多く使われます。

クリ

日本で古くから親しまれるクリ材
日本でも古くから建材として親しまれており、縄文時代の遺跡からクリでできた木船も見つかっています。クリは耐水性がよく、日本では家屋の土台として長く使われてきました。

クリのフローリングは耐水性が高く、膨張収縮率も低いことが特徴です。
この特徴を生かして、古くから水回りのフローリングとして使われてきました。木肌はオークやナラに似た力強い木目が印象的です。

1平方メートルあたりの金額 14,000円
幅9cm~12cm、1枚の長さが30cm~120cmぐらいを組み合わせた材料がよく使われます。広葉樹系の木材は、長く幅広い材料が取りにくく、長さ180cmを超える材料は貴重な材料で金額も高くなります。

アッシュ・タモ

フローリングに適した特徴を持つ材料
オーク・ナラと同じく広葉樹の仲間でモクセイ科に属します。庭先に植えてあるシマトネリコが近い仲間です。
日本にも自生しており、丈夫で木目がはっきりした板材が特徴です。

アッシュ・タモはフローリングに適した性質を持ちます。

堅く粘りがあり、加工しやすい木材です。オーク、ナラよりはっきりした木目を持ちますが、よく似ているので横に並べないと判別が難しいです。
フローリングのほか、家具にも使われます。

1平方メートルあたりの金額 16,000円
幅9cm~12cm、1枚の長さが30cm~120cmぐらいを組み合わせた材料がよく使われます。
広葉樹系の木材は長く幅広い材料が取りにくく、長さ180cmを超える材料は貴重な材料で金額も高くなります。

バーチ

繊細で美しい木肌が特徴的
バーチは、カバノキ科の樹木です。同じ仲間にシラカバがあります。日本ではカバサクラという名前で流通しています。先に紹介したオークやアッシュと同じく広葉樹の仲間ですが、比較的寒い地域に多く見られます。

バーチのフローリングは、木目が繊細で美しい木肌が特徴です。
木目は薄く透き通るような透明感があり、一部に縮れ模様の放射杢が特徴的です。見た目から柔らかな印象を持ちますが、フローリングに適した堅さと粘りを持ちます。

1平方メートルあたりの金額 17,000円
幅9cm~12cm、1枚の長さが30cm~120cmぐらいを組み合わせた材料がよく使われます。
広葉樹系の木材は長く幅広い材料が取りにくく、長さ180cmを超える材料は貴重な材料で金額も高くなります。

メープル

堅い木肌が耐久力抜群
メープルは、ムクロジ科の樹木で、日本ではカエデと呼ばれています。材料の耐摩耗性が高く、ボーリング場やダンスフロア、体育館などに使われてきました。

メープルのフローリングは、明るい木肌が印象的です。
木目はごく薄く、きめ細やかなピンク色の木肌を持ちます。木肌をよく観察すると表面が透き通ったような木肌が見られます。木肌に「鳥目杢」と呼ばれる小さな渦をまいたような木目が出ることもあります。

1平方メートルあたりの金額 17,000円
幅9cm~12cm、1枚の長さが30cm~120cmぐらいを組み合わせた材料がよく使われます。広葉樹系の木材は長く幅広い材料が取りにくく、長さ180cmを超える材料は貴重な材料で金額も高くなります。

オーク・ナラ

フローリングに最も適した木
オーク・ナラはいわゆる「ドングリの木」、広葉樹の仲間です。ヨーロッパでたくさん取れるため、古くから利用され親しまれていました。木目が美しく、独特の「虎杢」が特徴です。

オーク・ナラはフローリングに最適な材料です。

硬く、耐久性があり加工もしやすい特徴があります。グレードによって節や白太が含まれることもありますが、美しい木目は変わりません。
フローリングのほかに家具にも使われます。

1平方メートルあたりの金額 17,000円
幅9cm~12cm、1枚の長さが30cm~120cmぐらいを組み合わせた材料がよく使われます。
広葉樹系の木材は長く幅広い材料が取りにくく、長さ180cmを超える材料は貴重な材料で金額も高くなります。

ウォールナット

無垢材の種類、1平方メートルあたりの金額で並べてみた

特徴を一言で
ウォールナットはクルミ科の樹木です。チーク、マホガニーと共に、世界三大銘木として人気のある樹木です。
深みのある木肌が、古くから家具やフローリングに使われてきました。

ウォールナットのフローリングは重厚感のある濃い木肌が特徴です。
艶のある美しい木目が、より一層高級感を引き出します。このウォールナットの艶のある美しい木目はオイルステン塗装を施すことにより生まれます。

1平方メートルあたりの金額 20,000円
人気のある分、他の樹木より高値で取引されます。
幅9cm~12cm、1枚の長さが30cm~120cmぐらいを組み合わせた材料がよく使われます。
広葉樹系の木材は長く幅広い材料が取りにくく、長さ180cmを超える材料は貴重な材料で金額も高くなります。

まとめ

今回は、フローリングによく使われる無垢材を価格順に並べてみました。
実際には、それぞれの材料の産地・グレード・長さ/幅によって同じ材料の中でも価格の幅が大きいものです。それぞれの特徴をふまえ、用途にあった材料を選んでください。

尚、記事内に記載されています1平方メートル単価は、積算資料やカタログ等から抽出した設計価格の平均単価を表示しています。工事の際は、見積りをとる業者、製品によって価格に差が出ることをご承知おきください。

参考:
・積算資料ポケット版 住宅建築編 2015年度版 / 経済調査会
・積算資料公表価格版 経済調査会
株式会社マルホン
Woodone
プレイリーホームズ株式会社