誰でもわかるリノベ用語集326

■引張力（ひっぱりりょく）

「引張力」とは「ひっぱりりょく」と読みます。誤った読み方として「いんちょうりょく」と言われることがありますが、正しくありません。建築業界では引張力という言葉が使われますが、張力というときもあります。

「引張力」とは、部材を伸ばす力のことです。一般的に単に引っ張る力という意味で使われることもありますが、物理学では平面の物体において引っ張り合う垂直応力と定義しています。物を引っ張ると、力を釣り合わせるために物の内部に力が生じます。このとき、垂直方向に加わる力のことを引張力と呼ぶのです。

各辞書・辞典からの解説

「引張力」について、他の角度からも内容を見ていきましょう。

（１）「デジタル大辞泉」より
「デジタル大辞泉」において引張力と同じ意味を持つ「張力」とは、「物体内の任意の断面に、垂直に、面を互いに引っ張るように働く応力。液体では通常、表面積を小さくしようとする一種の張力が働く。」となっています。

（２）「精選版 日本国語大辞典」より
「精選版 日本国語大辞典」において引張力と同じ意味を持つ「張力」とは、「引っぱり合う力。物質の内部に任意の面を考えたとき、その面に垂直で、両側の部分を引き離すように働く力。 」となっています。

意味は「デジタル大辞泉」とほぼ同様です。

（３）「世界大百科事典」より
「世界大百科事典」において引張力と同じ意味を持つ「張力」とは、以下のような文章で説明がされています。
「糸や弦のような細長い物体に，その長さを伸ばす方向に外力を加えるとき，この力を張力という。このとき物体の内部で長さの方向に垂直などの断面を考えても，その両側の部分は互いに引き合う状態になっているので，その力の大きさを断面積で割った値，すなわち単位面積あたりの力(応力)によって，その部分の張力(の強さ)を表す。なお，押し合う力の場合は圧力という。また，水蒸気張力などというように，蒸気の圧力のことを張力という場合もある。」

（１）〜（3）を合わせてみると、リフォーム、リノベーションにおいて「引張力」とは、「引っ張り合う力」のことであるとおわかり頂けたと思います。