広々としたリビングに設けられた、ちょっとした和の空間が「小上がり」です。
リビングの空間を生かしながらも、部屋のアクセントや快適性アップにもつながる、小上がりとはどのようなものなのでしょうか。
今回は、そもそも小上がりとは何か基本から、メリット・デメリットまで徹底解説していきましょう。
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そもそも小上がりとは?
最初に、小上がりとはどのようなものなのか確認しておきましょう。一般的な定義はつぎの通りです。
小上がり:小料理屋などにある、椅子席から簡単な仕切りで隔てて設けた小さな座敷。
出典:小上がり
和食レストランなどでよく見かける、靴を脱いで上がるような座敷スペース、と考えればよいでしょう。
これを住宅に取り入れる場合、リビングスペースの一角を一段高くして和室を設けることになります。大きさは物件によりますが、3〜4畳程度の小ぶりなものが多いです。
リビングに小上がりを設けるメリット
小上がりがどのようなものかイメージがついたところで、リビングに小上がりを設置するメリットについて見ていきましょう。
床下収納を確保できる
長時間を過ごす空間であるリビングルームは、空間を広く取るため収納スペースが限られていることも多いのではないでしょうか。
小上がりを設けることで、一段高くなった下の部分に収納を設置することができます。特に新たな収納を増やすのが難しいマンションでは、貴重なまとまった収納スペースになります。
子供を安心して遊ばせられる
小上がりに畳を敷いておけば、子供の遊び場としての活用も可能です。畳は柔らかく吸音性に優れているので、飛んだり跳ねたりしても階下に音が響きにくいメリットもあります。
さらに「小上がりの範囲で遊ぶ」というルールであれば、子供がおもちゃを散らかしても、片づけをしやすく、おもちゃをなくしたりする事態が起こりにくくなるのもうれしいところです。
ちょっとした休憩スペースになる
小上がりの段差は大人が腰掛けるのにちょうど良く、ちょっとした休憩スペースになるのもポイントです。テレビや窓に向かい合う配置にしておけば、ソファ代わりにもなります。
また、フローリングと違って畳は直接寝転がることができます。作業で疲れた時、少し寝転がって休憩することもできて、リビングの快適性が格段にアップするでしょう。
一方でこんなデメリットがある
このようにリビングを快適にしてくれる小上がりですが、特有のデメリットも存在しています。そちらも合わせてご紹介していきましょう。
バリアフリーではない
小上がりは一段上がっているため、当然ながらバリアフリーには逆行することになります。
特にご高齢の方や歩き始めの小さな子供がいる家庭では、思わぬケガの元にもなりかねないので注意が必要です。
また、最近利用する家庭が増えているロボット掃除機も小上がりが邪魔になります。フローリングとは別に掃除をしなければいけないのも、ちょっとしたデメリットと言えるでしょう。
リビングスペースを圧迫する
小上がりは3〜4畳程度の小さな空間とは言え、リビングスペースの一角を占有することになります。そのため、フラットで使う場合と比べると、リビングにおける空間の使い方に制限が出てしまいます。
また畳敷きにした場合、傷つきやすくなるため、大きな家具を置くのには向いていません。小上がりを設置することで、家具を配置できるスペースが限られると言うのもデメリットです。
リビングスペースへの影響を小さくするためには、小上がりを設置する場所や広さを工夫する必要があります。
小上がりはこんな人にオススメ!
ここまで小上がりのメリット・デメリット両面を解説してきましたが、小上がりはどのような人にオススメなのでしょうか。
生活空間にメリハリをもたせたい人
最初に小上がりをオススメしたいのは、在宅で仕事や作業をすることが多い人です。
家にいる時間が長いと、どうしても変化が乏しくなります。こういった場合、リビングに小上がりを設けることで、空間の面から家で過ごす時間の中に変化をもたらすことができ、より快適に過ごせるでしょう。
たとえばこの家では、畳敷きではないシックな小上がりとすることで、リビングの中に落ち着きながらも締まった空間を作り出しています。小上がりには、部屋にこうした変化をもたらす作用があります。
子供を常に見ながら家事をしたい人
先ほどご紹介した通り、小上がりの和室は、子供の遊び場として活用することもできます。キッチンから見える範囲に小上がりを設ければ、家事をしながらでも子供の様子を常に見ていることが可能です。
家事に少し疲れた時は、小上がりに腰掛けて気軽に休憩することもできます。このように子育てしたいファミリーにも、小上がりはオススメです。
たとえばこの家の小上がりを見てみると、キッチンからすぐ見えるところに設置されています。キッチンで作業しながらも、常に子供の様子を確認でき、何かあればすぐ駆けつけることができます。
まとめ
今回は、リビングに小上がりを設置するメリット・デメリット、どのような人に向いているかことについてご紹介してきました。
小上がりを設けることで、空間の使い方が広がってリビングの快適度がアップすることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
リビングをどのような空間にしようか悩んだら、是非この記事を参考に、小上がりを検討してみることをオススメします。
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