Column

建具の役割とは?建具に使用するガラスの種類もご紹介

建具の役割とは?建具に使用するガラスの種類もご紹介

住宅において建具は欠かせないものです。そんな建具の役割や種類と建具に使用するガラスの特徴について解説します。

建具とは

建具とは扉・障子・ふすま・窓といった室内の仕切り戸のように開閉して空間を仕切るもののことで、壁の開口部などに取り付けます。人の出入り口としての役割に加え、光や風、熱、音、視線などを適度に通したり遮ったりする役割があります。建具は盗難防止や採光、遮音、通風などに欠かせないものなのです。

素材も木製・アルミ製・鉄製・樹脂製・ガラス製・プラスチック製など様々なものがあります。使用する場所や用途に合わせて選びましょう。

開閉方法による建具の分類

建具の役割とは?建具に使用するガラスの種類もご紹介

建具は開閉の仕方によって種類が分かれます。一般的に洋室でよく使われるのが、戸を手前に引いたり押したりして開閉する「開き戸」といわれるタイプです。戸の大きさ分の開閉スペースを考えて設置する必要があります。

建具の役割とは?建具に使用するガラスの種類もご紹介

最近はデザインの種類も豊富になり、多く使われるようになった「引き戸」というタイプもあります。こちらは戸を左右にスライドさせて開閉するため、開閉するにあたって前後の移動やスペースも必要ありません。

建具の役割とは?建具に使用するガラスの種類もご紹介

「折れ戸」といった扉を折りたたんで開閉するタイプもあります。こちらは狭い廊下に面した収納扉や浴室などに使われることが多いようです。

設置場所による建具の分類
玄関や勝手口などのドアを「出入り口建具」、建物の外壁にある窓を「窓建具」、フェンスや門扉を「外溝建具」、室内ドアや障子、ふすま、仕切り戸などを「内部建具」といいます。

建具に使うガラスの種類

​戸の一部をガラスにしたり全面ガラス張りの建具にしたりと、建具にガラスを使用することは多いです。建具に使用するガラスには、どのような種類があるのでしょうか。

フロート板ガラス
一般的に多く使われる透明なガラスです。滑らかな表面でゆがみも少なく、透視性や採光性に優れています。価格が安いのもメリットで、用途に合わせて色や厚みが違う物を選べます。加工しやすいため、DIYにも向いています。

型板ガラス
不透明なガラスで、光を通しつつ視線を遮ることができます。模様のついたローラーで、ガラスの片面に模様をつけることで不透明なガラスを作り出しています。隣の家と近い場合や道路に面した部屋の窓に使用すれば、目隠しにもなりますね。室内の間仕切りや、浴室、洗面所、トイレなどにも適しています。見た目がおしゃれな上、プライバシーも守ってくれるガラスです。

すり板ガラス
こちらも不透明で、目隠しになるガラスです。フロートガラスの表面に細かいキズをつけているため、表面がザラザラしています。キズがあるおかげで、光を拡散してやわらかい光を取り込むことができます。ただ、水に濡れることで透明度がでます。

フロストガラス
ガラス表面に細かいキズをつけたすり板ガラスを化学処理することで、表面を滑らかにしています。そのため汚れなどを拭き取りやすく、すり板ガラスよりも水垢や手垢がつきにくいというメリットがあります。見た目は不透明ですり板ガラスに似ていますが、すり板ガラスよりもキメが細かいのが特徴で、やわらかい光を取り入れることができます。

網入板ガラス
防火地域で使われる防火設備ガラスです。炎に強く、延焼を防ぐ効果があります。ガラスの中にワイヤーが入っているので、ガラスが割れても破片が飛び散りにくくなっています。ワイヤーが入っているからといって強度が強いわけではないため、防犯用ではありません。

合わせガラス
2枚以上のガラスの間に特殊な中間膜を挟んだガラスです。中間膜の種類によって、防音効果や防犯効果、防災効果、紫外線カットといった効果が変わります。防犯対策に使われることが多いようです。合わせガラスは割れにくく、割れても破片が飛び散りにくくなっています。

ペアガラス(複層ガラス)
2、3枚のガラスの間に中間層という空気やガスの層があるガラスです。それにより、室内外の熱の移動を抑える効果があります。そのため冷暖房を効率的に使用でき、省エネ効果に期待できます。ガラスの表面が冷えないため、結露防止機能もあります。さらに性能が高いのが「Low-E複層ガラス」といわれるものです。ガラスの間に特殊な金属膜をコーティングしています。

真空ガラス
2枚のガラスの間が真空状態になっているガラスです。魔法瓶と同じ原理で、断熱効果が高いのがメリット。冷暖房を効率的に使用できるため、省エネ性能が高いとされています。また、結露も発生しにくいようです。ただし、価格は高めです。

強化ガラス
フロートガラスを高熱で処理し、急激に冷却して作られたガラスです。見た目はフロートガラスと同じですが、機能は異なります。熱に強いのが特徴で、割れると破片は顆粒状になるため大ケガにならず安全なガラスといえます。窓やガラス入りの玄関ドア、室内扉など用途は様々です。

まとめ

​建具には人の出入りに加え、採光や遮音、通風、さらには盗難防止などたくさんの役割があることが分かりました。

建具に使用するガラスにも多くの種類があり、それぞれ効果や機能が異なります。建具にガラスを使用する際は、使う場所や目的に合わせて最適なガラスを選びましょう。