どのような雰囲気の部屋にするかは、選ぶ家具や小物に大きく左右されます。新品の木材や家具でも、時代処理塗装をすることで大きく雰囲気が変わります。時代処理塗装とはどのようなものなのか、さらにはおすすめの塗料についてもご紹介します。
時代処理塗装とは
時代処理塗装とは、新品や新しいものでも塗装によって古いもののように仕上げることです。わざとキズを付けたり、色をくすませたりして、年月の経過による独特な味わいやオリジナリティを出します。アンティーク塗装とも言われます。
ヴィンテージテイストやアンティークな雰囲気を出したい場合、サビたアイテムや、古びた家具などを置くのが効果的です。しかし、使い古したような木材や家具は手に入りにくかったり、高価であったりします。そこで、新しい木材や家具などを時代処理塗装することで、古びた家具などを購入するよりも比較的安く、アンティークなアイテムを手に入れられます。
時代処理塗装できるものは、木材や金属、プラスチックなど様々です。ただ、金属やプラスチックに塗装する場合は、プライマーという下塗り塗料が必要な場合があります。プライマーには、製品と塗料を密着させる役割があり、乾いた後にはがれるのを防ぎます。素材に合わせて塗装することで、写真立てやゴミ箱、テレビ台や棚など、いろいろなアイテムをアンティークに仕上げられます。
時代処理塗装におすすめの塗料
塗料には、大きく分けて水性と油性の2種類があります。
水性塗料は溶剤が水、油性塗料は溶剤がシンナーです。水性塗料は完全に乾く前であれば、水で洗い流すことも可能なため、初心者にも使いやすくおすすめです。また、臭いが少ないため室内の塗装でも可能です。ただ、製品によっては、金属の塗装に向かない場合があります。
油性塗料は臭いが強いものの耐久性があるため、ウッドデッキなどの屋外の塗装にも使えます。また、油性でも臭いが少ないものもあります。
時代処理塗装に使える塗料にはどのようなものがあるのでしょうか。おすすめの塗料をご紹介していきます。
ブライワックス
イギリス製で、ヨーロッパにおいて家庭用ワックスとしてロングセラーの商品です。ミツロウとカルナウバロウという自然素材が主原料のため、安心です。カラーバリエーションが豊富なので、好みの色を選べるでしょう。木材の保護や着色、ツヤ出しまでできるため、これだけで塗装が完了します。塗るだけで深みのある風合いや使いこまれた雰囲気を出せます。
ターナー アンティークワックス
ミツロウを主原料とし、自然素材でできているため人や環境にやさしい商品です。こちらは日本製です。油性ですが嫌な臭いも少ないので、室内の塗装にもおすすめです。木の保護や着色、ツヤ出しができます。ワックスの伸びが良く、布やスポンジで簡単に塗装できます。きれいに仕上がりやすく、初心者にも使いやすいでしょう。
ターナー ミルクペイントシリーズ
まずは、好みの色のミルクペイントを筆や刷毛で塗り、完全に乾かします。ミルクペイントは伸びが良くて塗りやすく、仕上がりはマットです。その上に、ターナーのミルクペイントシリーズ、アンティークメディウムを使って、ブラウンの汚れが付いたような仕上がりにしていきます。布や刷毛を使って、好みの汚し具合にしましょう。
ミルクペイントシリーズには、ひび割れしたような風合いに仕上げるクラッキングメディウムや、サビたような仕上がりにするラストメディウムなどがあります。どのような仕上がりにしたいかによって、好みのものを選びましょう。ミルクペイントシリーズはすべて水性です。乾いた後に耐水性を持つものと持たないものがあるので、使うアイテムによっては注意が必要です。
ターナー アイアンペイント
水性塗料で臭いが少ないのが特徴です。筆や刷毛、スポンジなどで塗るだけで、鉄や金属のような質感に仕上げられます。乾けば耐水性を持ちます。木材や紙、塩ビパイプにも使えます。ガラスや金属、プラスチックに塗る場合は、プライマーを使用しましょう。
タカラ塗料 錆エイジング塗料
水性塗料で臭いが少なく、絵の具のような感覚で使えます。塗るだけで簡単にサビの付いたような加工に仕上げられます。乾けば水にぬれても大丈夫です。木材はもちろん、下塗りをすれば金属やプラスチックにも使えますが、プラスチックは種類によっては色が付きにくいものがあるようです。
まとめ
時代処理塗装をすることで、持っている家具やアイテムをそのまま使用して、部屋をアンティークな雰囲気に変えられます。塗料を使う際は、素材に合ったものを選び、それぞれの使用方法を確認して安全に使用しましょう。まずは写真立てやゴミ箱などの小さなものから、アンティークに変身させてみてはいかがでしょうか。