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あこがれの猫足バスタブ、置くならどんなバスルーム?

あこがれの猫足バスタブ、置くならどんなバスルーム?


アンティーク家具で目にする、S字の脚のデザインは「猫足」と呼ばれます。

カブリオルレッグとも呼ばれる猫足は、17世紀末から18世紀のヨーロッパで流行。優雅な雰囲気を持っており、アンティークを好む方だけでなく「姫系」など女性を中心に支持されているようです。そして、猫足を持つアイテムの中で究極の存在がバスタブ!映画などで見かける猫足バスタブを備えたなら、この上ない豊かなバスタイムが過ごせるでしょう。

しかし猫足バスタブをバスルームに備えるには、なかなか高いハードルも待っていると言われます。詳しく見ていきましょう。
 

気分はシネマスター!猫足バスタブとは?


優雅なバスタイムを過ごせること間違いなしの猫足バスタブは、19世紀後半のアメリカで流行したといいます。ユニットバスが中心の現代日本では、猫足バスタブなど見かけないかというと大間違い。根強い人気があり、LIXILやTOTOなど大手メーカーも手掛けています。


猫足バスタブのメリット

バスルームのリノベーションやリフォームで猫足バスタブを入れたいという方なら、当然のようにご存知かとは思うのですが、猫足バスタブの最大のメリットは「空間がオシャレになる」ということでしょう。特にハマるのが3in1のサニタリールーム、バス・トイレ・洗面を一か所にまとめた本格的な洋風の間取りと言われます。

米・コーラー社など、アンティーク調を得意とするメーカーのボウルや水栓とコーディネートしたいですね。


猫足バスタブのデメリット

一方で、日本の入浴習慣とそぐわないと言われるのが猫足バスタブで、デメリットと思われがちです。当然ですが、猫足バスタブは西洋の入浴習慣を元に造られています。彼らは髪や体をバスタブの外では洗いませんし、バスタブにたっぷりと湯を満たし、中で温まることはありません。加えて水が乏しい地域では、体をすすぐという習慣もありません。

バスタブの外で体を洗いたいならば、洗い場を別に設けなければいけません。たっぷりとお湯を張りたいならば、排水を工夫しなければなりません。また、体をすすぎたいならばバスタブの上にシャワーを設置するか、シャワーエリア的なものを設けなければならないでしょう。

つまり、どのように猫足バスタブを使うかを、導入時にしっかりと伝えなければ、西洋式の入浴習慣を強いられてしまいますし、日本式に使いたいならばバスルームに工夫が必要になるのが、猫足バスタブと心得ましょう。

さらに、バスタブの下の部分に隙間が空いていますから、掃除が面倒というのも猫足バスタブのデメリットと言われます。
 

猫足バスタブをバスルームに導入するには?


猫足バスタブを楽しむならば、バスルームに工夫が必要でしょう。ホテルにあるような単なる3in1サニタリールームにするならば、専用のユニットバスを導入するだけですから苦労はないでしょう。しかし、猫足バスタブはアンティーク調インテリアとの相性がよいですから、トータルバランスを考えた工夫も必要です。


室内は防水加工

当然ですがバスルーム内は全て防水加工が必要です。おすすめは全面タイル張りにすることですが、塗装やパネルを用いるのも良いでしょう。タオルや下着類をストックしておくのに猫足バスタブにマッチした家具も置きたいところですが、湿気にやられてしまうので、避けたほうが良いかもしれません。


床はモルタルやタイル仕上げ

西洋式に入浴をするならばバスタブからお湯はあふれないはずですが、実際はそうもいきません。猫足バスタブならフローリングに設置したい所ですが、床はモルタルやタイル仕上げにするべきでしょう。

また猫足バスタブ以外に、洗い場やシャワーエリア的なものを設けるならば、バスルームのデザインにも整合性が求められます。インテリアコーディネーターさんの知恵を借りながら、かっこいい空間に仕上げたいものです。

加えて考えたいのがバスタブで影になってしまう床についてです。猫足バスタブのそばで体を洗ったりするならば、湿気がたまり放題になってしまうでしょう。強力な除湿設備を設置するなど、清潔な環境づくりにも心がけてください。
 

大手メーカーの猫足バスタブ



猫足バスタブといえば海外製の鋳物のものが中心ですが、輸入物だけに多大な導入コストがかかってしまいがちです。そこでチェックしたいのが国内メーカー。ずばり「猫足」のものは少ないのですが、脚付きのバスタブならLIXIL「アーバンシリーズ」YB-1510や、TOTO「ラフィア」PHS1508など、いくつかの候補が浮かびます。

そして、金属製のずばり猫足が付いたバスタブはサンワカンパニーの「クラシカルモデル」です。日本人の体型に合わせて大きさや背もたれ角がリデザインされていますから、満足度も大きいでしょう。
 

まとめ

西洋式の入浴を前提にデザインされている猫足バスタブは、導入するのにいくつものハードルがあるとおわかりいただけたかと思います。日本式の入浴をする場合には、バスルーム全体でリフォーム検討することをおすすめします。

しかし数々の高いハードルを越えて猫足バスタブを実現させたならば、きっと満足度も高いはず。入浴のたびに楽しめる大きな満足感を考えるならば、困難さなどそれほどでもないかもしれません。信頼できる工務店と協力しながら、あこがれのバスルームを目指してください。