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珪藻土の基礎知識、部屋の臭いを除去する仕組みを分かりやすく解説

生活していて気になる部屋の嫌な臭い。これを取り除くために珪藻土の壁にリノベーションする方も増えているようです。一方で珪藻土の壁は、なぜ臭いを除去できるのだろうかと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、珪藻土が臭いを除去する仕組みを分かりやすく解説します。この記事を一読すれば珪藻土の活用方法が分かり、快適で過ごしやすい部屋へと変えられるでしょう。内壁のリノベーションに興味のある方は、この記事を参考にしてください。

珪藻土は何でできている

内壁の他にもバスマットや玄関の消臭にも使われている珪藻土ですが、何の材質でできているのかご存知ない方も多いかもしれません。ここでは「珪藻土とは?」を詳しく解説します。珪藻土の内壁を検討している方は、前もって理解しておきましょう。

珪藻土は川や沼から採取される自然素材

珪藻土は珪藻という植物プランクトンが化石化したものです。川や沼などに生息しており、珪藻が寿命を迎えると残った殻が沈殿して積み重なります。珪藻土は、沈殿して化石化された珪藻を原料にしています。

珪藻土の主成分

珪藻土の主成分は二酸化ケイ素で、シリカや無水ケイ酸と呼ばれることもあります。二酸化ケイ素は珪砂や珪石、成熟した砂漠の砂などにも含まれている物質です。二酸化ケイ素は無機ガラスや医薬品添加物、および乾燥剤や化粧品などにも使われています。

珪藻土に似た自然素材として漆喰が挙げられますが、漆喰の主成分はカルシウムです。アルカリ成分が含まれており、カビが生えにくいという特徴もあります。

古くから建材として利用されている珪藻土

珪藻土は古くから建材として利用されてきました。例えばギリシャでは研磨剤や軽量レンガとしても珪藻土が使われていました。また、トルコの首都イスタンブールの博物館には、東ローマ帝国時代に使われた珪藻土のドームが展示されています。

国内でも珪藻土活用の歴史は長く、火に強い土として例えば耐火レンガや七輪としても使われています。さらに戦時中にはキャラメルやビスケットの増量剤としても使用されました。

珪藻土に臭いを除去する効果がある理由

珪藻土の壁には脱臭や消臭の効果もあり、部屋に漂う気になる臭いを取り除けることに着目する方も多いようです。ここでは、珪藻土が臭いを除去するメカニズムを分かりやすく解説します。

無数の穴が臭いを取り除く

珪藻土の表面には小さな無数の穴があります。湿気が多いときには湿気を吸い込み、部屋が乾燥しているときは湿気を放出するのです。珪藻土が湿気を除去する能力は優れており、部屋の湿度を40~60%に保つと言われます。言わば空気清浄機の役割を果たすので、いつでも部屋を快適な状態にできる点が魅力でしょう。

珪藻土の表面の穴は空気だけではなく、有害物質を吸収する機能も備わっています。シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドも取り除けるので、小さな子供のいる家庭やアレルギーを抱えている方にもおすすめです。

また珪藻土に備わっている調湿機能には速乾性があり、カビ菌やバイ菌の繁殖を防ぐ効果もあります。カビやバイ菌の発生を抑えられるので、その結果、消臭効果も期待できるというわけです。

珪藻土を選ぶときの注意点

珪藻土は固まる性質がないため、壁材として使用する場合には凝固剤を使用します。凝固剤には自然素材からできたものと、合成樹脂でできたものがあるので注意しましょう。合成樹脂を含んだ凝固剤は表面の穴をふさぐこともあり、調湿効果や消臭効果がなくなる可能性もあります。

自然素材を使用した凝固剤についても、凝固剤の割合が高いと消臭の効果が弱まる可能性があります。珪藻土を使用した壁のリノベーションを業者に依頼するときは、使用する珪藻土の成分を確認しておきましょう。

珪藻土が臭うことはある?

珪藻土の壁へのリノベーションを検討されている方の中には、珪藻土自体は無臭なのかと疑問に思う方もいらっしゃるようです。ここでは、珪藻土の臭いについて解説します。

珪藻土の臭い

珪藻土は自然素材を使用しているので、珪藻土自体に気になる臭いはありません。ただし、珪藻土を施工する際に、接着剤が含まれた下地材を使用すると珪藻土の持つ消臭機能の効果が弱まり、臭いが気になる可能性もあります。

珪藻土には使用期限がある

珪藻土は年月とともに吸着力も弱まっていきます。部屋の湿気を吸着する際に不純物も一緒に吸着するため、次第に吸水力が弱くなるためです。消臭効果が弱まったと感じたときには、リフォーム業者に相談しましょう。

まとめ

珪藻土には表面に無数の穴があり、部屋の湿度が高くなると湿気を吸い込みます。水分を吸い込む際にホルムアルデヒドなどの有害な成分も一緒に吸着するので、部屋に充満した嫌な臭いを取り除く効果もあります。ただし、珪藻土を壁材として使用する際に使う凝固剤に合成樹脂などが含まれると、効果が弱まることも。施工前にリフォーム業者に確認しましょう。

珪藻土自体は無臭ですが、年月を重ねると吸着力が落ちてしまう可能性もあります。消臭効果が弱まったと感じたときには、業者への相談をおすすめします。