中古マンションを探すときに、必ず通るのが築年数問題。漠然と「新しいほうが良さそう」というイメージはあるものの、では実際にはどんな良さがあるのでしょうか?メリット・デメリットは全員にとってのメリット・デメリットというわけではありません。自分の中で必要かどうかでメリットにもデメリットにもなりうるので、参考にしてみてください。
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築浅リノベーション(築5〜15年程度)のメリット・デメリット
リノベーションと一口に言っても、対象となる住まいの築年数によって状況は異なります。先に、築5〜15年程度の築浅物件をリノベーションする場合のメリット・デメリットを順番に見ていきましょう。
・築浅リノベーションのメリット
メリット1:築古リノベーションに比べてコストが安価
築浅物件の場合、大きな修繕が不要なためコストを低く抑えられる場合が多いのです。修繕にお金がかからない分、こだわりたい部分に予算をかけられるというメリットもあります。
メリット2:工事期間が比較的短く、早く住み始められる
築浅だと工事箇所が少ない分、工事期間を短くすることも可能。これはコスト面でも大きな意味を持ちます。リノベーションは物件を購入してから工事開始となりますので、工事期間中は仮住まいの家賃も支払い続けなければなりません。築浅物件なら早く住み始められるため、余計な出費を抑えられるというわけなのです。
・築浅リノベーションのデメリット
デメリット1:築古物件に比べると物件取得価格が高い
中古物件は立地などが同じような条件であれば、築年数が浅いほど価格が高くなる傾向があります。築浅物件はリノベーション費用が安く済む分、物件取得価格は高め。それでも当然のことながら、新築物件よりは安く購入できます。
デメリット2:物件の選択肢が少ない
築浅物件は中古物件の中でも人気が高く、希望通りの物件がなかなか見つからない場合も。立地や環境にこだわりがあるのであれば、築古物件も含めて物件探しをした方がいいでしょう。
築古リノベーション(築20年以上)のメリット・デメリット
築浅リノベーションに続いて、築20年以上の築古物件をリノベーションする場合のメリット・デメリットについても順番に解説していきます。
・築古リノベーションのメリット
メリット1:物件を安く購入できる上に、資産価値が下がりにくい
通常は築年数が経過するほど物件は安くなりますので、築古物件は比較的安価に取得可能です。加えて、築古物件は築浅物件と比べて資産価値が下がりにくいというメリットもあります。
固定資産には「法定耐用年数」が定められており、一定の年数を過ぎると資産価値がほぼゼロになるとされます。木造戸建の法定耐用年数は22年ですから、築20年以上の物件では建物の価値はほとんど無い=それ以上築年数が古くなっても価値は下がりにくい、と言えるのです。
鉄筋コンクリート造のマンションの耐用年数は47年。木造住宅に比べると長いですが、東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」によると、中古マンションの平米単価は築20年を超えると比較的安定することがわかります。取引価格が下がりにくい上に、リノベーションで付加価値をプラスできるのは大きなメリットですね。
メリット2:物件の選択肢が豊富
人口減少により空き家が増えている日本においては、そもそも築古物件の取引数が多いということが言えます。さらに新築や築浅では到底手が届かないような一等地であっても、築古物件なら手頃な価格で取得可能。物件の選択肢が豊富で、希望条件に合う物件にめぐり会える可能性が高いのが築古リノベーションと言えるでしょう。
・築古リノベーションのデメリット
デメリット1:修繕箇所が多く、リノベーション費用が高くなる
築古物件は床・壁・天井や配管などあらゆる箇所が老朽化しており、修繕するだけでも相当なコストがかかります。さらに、1986年以前に建設された中古マンションや2000年以前に建設された木造住宅は、現在の耐震基準を満たしていない可能性がある点も要注意。耐震基準を満たさない場合、新たに耐震化工事を行わなければならず、コストがさらに上乗せされます。
デメリット2:工事期間が長い
修繕箇所が多ければ、当然工事期間も長くなります。工事期間が長くなるほど仮住まいの家賃など余分なコストも発生するのです。
デメリット3:隠れたリスクの可能性がある
築古リノベーションでよくあるのが、床・壁・天井を解体してみて初めて、隠れた配管や基礎の老朽化・破損に気づくというパターン。中には、住み始めてから配管の破損による漏水が発生したというケースもあります。価格の安さはリスクと引き換えと考えて、予算を余分に考えておいた方がいいでしょう。
デメリット4:住宅ローン減税が受けられない可能性がある
一定条件を満たす住宅購入やリノベーションについて、納めた税金の一部が戻ってくるという住宅ローン減税制度。
条件の一つとして築年数の制限が設けられており、2021年現在、築20年以上の木造住宅および築25年以上の鉄筋コンクリート造マンションは原則対象外とされています(ただし、物件取得前2年以内に耐震基準が証明されている物件を除く)。住宅ローンそのものも築年数制限がある場合も多いので、ローンを検討している人は事前に確認しておきたいところです。
まとめ
一般的に築年数と価格は連動しており、古いほど安くなりますが補修や工事の費用や期間に影響する可能性があることがわかりました。一方で、物件価格が安いということは、リノベーションに予算を回すこともできること、築年数にこだわらなければ物件の母数が増える点もおさえておきたいところです。
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