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使うなら壁紙ではなく「本物」を!おしゃれな壁リフォーム実例集

室内の内装を考えるとき、気軽さなら壁紙が有利ですが、「本物」には特別なおしゃれさがあります。
ここでいう本物とはモルタルや塗装、タイルなどのこと。これらを模した壁紙はありますが、本物ならではの質感は大きな満足を与えてくれるでしょう。

本物を使う壁のリフォームにはデメリットもあります。それは壁紙とくらべると、数倍のコストと工期がかかることもあるという点。コストのことは気になりますが、インテリアの印象を大きく左右する壁材ですからこだわたいところでもあるでしょう。例を見ていきましょう。

「躯体現し」で壁をリフォーム

躯体(くたい)とは、建物の骨組みのこと。躯体現しとは壁紙をはがすなどして、出てくるコンクリートの骨組みを内装に活かします。とはいえ単に壁紙をはがしただけでは、内装には使えません。パテや接着剤の跡、表面のザラ付きなどを処理する必要がありますから、他の本物での壁リフォームと同様に、結構なコストがかかることは覚悟しておいてください。

無機質でハードな印象になりますから、インダストリアル調やアンティーク調のインテリアにマッチします。

「躯体現し」の注意点

意外とコストがかかる以外に注意すべきは、すべての壁を躯体現しにはできないこと。たとえば、外気に接する壁には断熱材が使われているのですが、これを外すと暑い・寒いの影響をもろに受けるようになりますから、躯体現しにはできないのです。躯体現しのリフォームをおこなうときには、これらのことを熟知した業者に依頼しましょう。

「塗装」で壁をリフォーム

壁紙の均一な仕上がりはつまらない。そんな方には塗装でのリフォームがおすすめです。手塗りでしか出せない味が出ますし、磁石が効くようになるなど、楽しい機能を備えたものも販売されています。

上の事例は乾けば黒板になる塗料を、ワークスペースの壁の一面に使った例です。子ども部屋に使えば、落書きし放題という楽しい壁に仕上がるでしょう。

「塗装」の注意点

注意点はニオイが残るかもしれないこと。時の経過とともにニオイは薄れていきますが、どうしても気になるという方もいるようです。塗料はニオイの優しいエマルジョンペイントを選んだり、ダイニングやベッドルームは避けるなど塗装する場所選びは慎重におこないましょう。

「塗り」で壁をリフォーム

漆喰や珪藻土の塗り壁にすることで、塗装よりもさらに豊かな表情の壁にリフォームできます。たとえばスパニッシュ仕上げにすることで、南欧調のインテリアがより映えるようになるなど、仕上げに応じて様々な効果が期待できるのです。調湿性や消臭性といった機能を期待できるのも、塗り壁を選ぶメリットです。

「塗り」の注意点

塗り壁の注意点は、仕上げが左官職人さんの腕だよりになるところです。漆喰はひび割れ、珪藻土はぼろぼろ落ちる心配があるのですが、こちらも職人さんの腕によるところが大きいのです。優秀な職人さんとパイプを持つ、リフォーム会社を選びましょう。

「タイル」で壁をリフォーム

汚れにくく耐火性・防水性も高いタイルは、キッチンやバスルーム向きの壁材です。お好みのタイルを選ぶのはもちろん、色とりどりのカラー目地を使えば、一層おしゃれなリフォームになるでしょう。

「タイル」の注意点

大きなダメージを与えない限り、タイル自体は劣化することはありませんが、目地や接着剤は年々劣化していきます。10年程度が寿命とされていますから、いずれ張替の時期が来ることを覚悟しましょう。

・参考:TILE STYLE「どれくらい持つの?タイルの張替え時期とは?」https://www.tile-style.net/blog/knowledge/270/

「ウッドパネル」で壁をリフォーム

板状の木材を壁に張るのがウッドパネル、様々なバリエーションが用意されていますから、インテリアにあわせて選ぶことができます。写真のウッドパネルは国産の杉の木に、エイジング加工と塗装を施したもの。ヴィンテージ感と上品さをあわせ持っています。

「ウッドパネル」の注意点

塗装が施されていない、無垢材のウッドパネルを選ぶなら要注意です。理由は汚れが付きやすく、経年変化をおこしやすいから。汚れはすぐにふき取る必要がありますし、色目で選んだなら数年後にガッカリしかねません。表面の塗装や加工には注意して選びましょう。

「レンガ」で壁をリフォーム

カッコいいレンガの壁ですが、必ずしも重たいレンガを積み重ねる必要はありません。リフォームで使いやすいのは、レンガを薄く切ったスライスレンガ。タイルのように貼り付けていくことで、人気のブルックリンスタイルが完成します。

「レンガ」の注意点

レンガは非常に耐久性の高い素材ですが、タイルと同じように接着剤の寿命に注意しましょう。高いところからの落下は大変なことになりかねませんから、10年をめどに張替えを検討したほうがよさそうです。

まとめ

本物による壁のリフォームはおしゃれな仕上がりが期待できますが、壁紙よりもコストがかかるのが玉にキズなのです。ならばやってみたいのがDIYでのリフォーム、いきなり広い面積から取り掛かるのではなく、一面だけ仕上げて「アクセントウォール」にするのがおすすめです。ラフな仕上がりも味と考えられるなら、ぜひDIYでの壁のリフォームに挑戦してみてください。