床は無垢フローリング、一枚板のカウンターに埋込型の洗面ボウル。
素敵な洗面所を雑誌などで見かけて、あこがれている方は多いことでしょう。しかし、木材を多用すると心配になってしまうのが水はね跡。水シミができることが気になって、あこがれの洗面所をあきらめてはいませんか?
しかし意外なことに、水はねはカンタンなメンテナンスで消えてしまうことをご存知でしょうか。また、あらかじめ手を打っておけば水はね跡はできにくくなるのです。水はね跡が恐れてあこがれの洗面所をあきらめるのはもったいない!これを読んで木材を多用した洗面所に挑戦して下さい。
木材の水はね跡の原因は?
木材といっても、メラニンなどで作られた木材「風」のものなら水はね跡ができることはありません。水はね跡ができるのは天然の木材を使っているケース。中でも無塗装の無垢材を用いている場合とされます。
水はね跡の原因は、水分で木材に含まれている汚れやヤニが浮き出るからです。汚れやヤニを目立たなくしてやればよいのです。
木材の水はね跡を落とすには?
無塗装での仕上げ以外なら、水はね跡は比較的カンタンに落とすことができます。たとえばウレタン塗装なら水分に強いことが特長ですから、できた水はね跡も雑巾でこすってやれば落ちるはず。一度で落ちない場合は、何回かに分けてこすりとってみましょう。
しかし無塗装やオイル仕上げの木材の場合は、少しだけ厄介。以下で対処方法をご紹介します。
アイロンを当てる
水はね跡ができて間もない場合で有効なのが、水を蒸発させてやる方法です。使うのはアイロン。水はね跡の上に雑巾など布を掛けて上からアイロンを20秒程度当てる。この作業を水はね跡が消えるまで繰り返してください。
注意点は、「スチーム」ではなく「ドライ」でおこなうことです。
水をつけたスポンジでこする
台所用スポンジに水を付けて、ザラザラ面で水はね跡をこすってみてください。これで大抵の水はね跡は消えるはずです。木材に水?と思われる方も多いかと思いますが、無垢材が水分に弱いというのは誤解です。少々の水なら吸収したのちに発散を行いますから、全く問題ありません。気がねなくゴシゴシとこすってやりましょう。
オイル仕上げの場合は、こすった部分にオイルを足してください。
歯磨き粉を付けたブラシでこする
スポンジで落ちない水はね跡は、木材の表面を削って消してやります。まず使うのは研磨剤入りの歯磨き粉、少量をボロ布や歯ブラシに付けて水はね跡をこすります。注意点は木目に沿ってこすることと言われます。こすった後に10分程度そのままにしておけば、歯磨き粉が乾きますから雑巾などでふき取ってください。水はね跡は消えていることでしょう。
オイル仕上げの場合は、こすった部分にオイルを塗ってください。
サンドペーパーで削る
歯磨き粉を使っても落ちない水はね跡の場合は、もっと深くまで削る必要がありますから、サンドペーパーを使いましょう。使うのは240番くらいの目の細かい仕上げ用のもの。水はね跡の範囲が広い場合はサンダーを使う方法も有効です。
ここで注意すべき点は、無垢材のカウンターやフローリング以外でサンドペーパーを使うのは避けるということ。天然木が張られているものやプリントされているものの場合、サンドペーパーなどで表面が損なわれてしまうと回復は不可能でしょう。
木材の水はね跡を防ぐには?
水はね跡を防ぐ方法のひとつは木材の表面を保護してやることです。対策として、オイルやワックスを塗りましょう。オイルやワックスで仕上げられた木材ならば、時間の経過とともに抜けていってしまいますから、シーズンに1度くらいオイルやワックスを足してやれば、水はね跡の予防にもなります。
しかし無塗装の無垢材を使っている場合はそうはいきません。オイルやワックスを使うと元の風合いが損なわれてしまいます。それを覚悟でオイルやワックスを使うか、マメに水はね跡を消してやるしか方法はないでしょう。
液体ガラスなどのコーティング
オイルやワックスを足してやるというのは面倒!そんな方に挑戦していただきたいのがコーティング。市販されているコーティング剤にはウレタン、シリコン、UV硬化、ガラスの4種類があり、後に書いたものほど耐久性と価格が高い製品です。
注意点は乾燥のための時間がかかることと、コーティング剤を塗りたくない場所には作業前にマスキングの手間があること。そして無塗装のものは、残念ながら風合いが損なわれがちなことです。
ムラなく仕上げたいならプロに依頼するのが一番ですが、洗面カウンターなど狭い範囲ならDIYでも可能でしょう。費用を節約するなら、思い切ってDIYしてしまうのも一つの方法かもしれません。
まとめ
慣れないうちは水はね跡を見つけるたびにゾッとしがちなのですが、意外とカンタンに消えてしまうのも水はね跡。木材を多用した洗面所など、挑戦してみることをおすすめします。ただし避けるべきは無塗装の無垢材。メンテナンスのことを考えてオイルやワックスで仕上げられた木材を使うべきでしょう。
また、コーティングはいったんおこなったら、数年はメンテナンスが不要という点がメリットです。一方で、風合いが損なわれがちなのがデメリットでしょう。オイルやワックスのような自然な仕上がりは期待できません。木材を多用した愛着ある洗面所は、メンテナンスのたびに味わいも増すと思うのですがいかがでしょうか。