キッチンやお風呂、トイレなどの水回りは使用頻度が高いため、使いやすい場所にあると便利です。使いにくい場合は、配管の移動をして水回りの位置を変えるという方法もありますが、その際にはいくつか注意点があります。場合によっては移動ができないことも。詳しくみていきましょう。

水回りを移動させるリフォーム･リノベーション

毎日使うことも多いキッチンやお風呂、洗面所、トイレなどの水回り。水回りの使い勝手が悪い場合、改善するための方法の1つに水回り設備の移動が挙げられます。

どんなリフォーム･リノベーションがある?

例えば、壁付けキッチンから対面キッチンに変えることで、キッチンに立っている間も子供の様子が見られる、家族や友人とコミュニケーションがとりやすくなるなどのメリットがあります。
また、家事動線を良くするためにお風呂や洗面所の位置を変えたり、リビングとトイレが離れていて使いにくい場合は近くに移動させたりといったリフォームも。家に帰ってすぐに手を洗いたい場合、玄関の近くに洗面台を移動させたり、増設したりする方法もあります。
水回りを移動させることで、日常生活における使いにくさを解消し、ストレスを軽減させたり安全性を向上させたりしましょう。

水回りを移動させる際の注意点

水回りを移動させるリフォームにおいては、いくつか注意点があります。

リフォーム･リノベーションの目的を明確に

水回りを移動させるには、ガスや水道などの配管の移動や排気ダクトの配管工事、電気工事などが必要です。そのため、水回りの移動をともなうリフォームは大掛かりです。リフォームの目的をはっきりとさせ、使いやすくなるように家事動線なども考慮してリフォーム内容を決めましょう。

設備の大きさの確認を

水回りの移動後も元の浴槽や洗面台、キッチンなどの設備を使い続ける場合、それらのサイズが移動後のスペースに適切かどうかも要確認です。場合によっては、大きすぎて使えないことも。移動したことで使いにくくならないように、サイズは確認しましょう。
設備を使い続けられる場合は、移動の工事費用のみですが、設備が古くて使えない、サイズが合わないなどで設備を新しくする場合は、古い設備の処分費用や新しい設備の購入費用も発生します。

水回りの移動ができない場合も

希望通りに水回りを移動させられないこともあります。戸建て住宅の場合は、比較的移動の自由度が高いですが、マンションの場合は制限されることが多いです。マンションにおける水回りリフォームについては、次の項目で詳しく記載します。

マンションにおける水回りのリフォーム･リノベーション

マンションにおいて水回りのリノベーションをする場合、マンションならではの注意点があります。詳しくみていきましょう。

配管の移動に制限がある

マンションにおいては、管理規約によって水回りの移動自体を禁止していることもあります。また、移動ができる場合でも、床下の状態や高さによっては希望通りの位置に変えられない場合もあります。移動できるかどうかは、床下の排水管が重要なポイントです。
マンションの1階から最上階までを縦につらぬいている配管は共用部で、こちらは移動させられません。移動できるのは、横方向に伸びている専有部の排水管です。縦方向の配管に向かって水をスムーズに流すためには、横方向の排水管に勾配をつける必要があります。そのためには、床下にある程度の高さが必要で、縦方向の配管から遠い位置には水回りの移動をさせられないことがあります。

間取りの変更ができない場合も

柱や梁で支える構造のマンションの場合は、間取りを自由に決められる場合が多いのですが、壁や床で構成された壁式工法のマンションの場合は、間取りの変更に制限があります。中には建物を支えるのに必要な壁があるため、そのような壁を撤去することはできないからです。間取りの変更に制限がある場合、希望の位置に水回りを移動させられないこともあるでしょう。

配管を大幅に移動しなくてもできるリフォーム･リノベーション事例

水回り設備の向きや間取りを変えるだけでも、見え方は変わってくるものです。こちらでは、大掛かりな配管移動をしなくても印象を変えられたキッチンや、使い勝手が良くなったキッチンのリノベーション事例をご紹介します。

コミュニケーションがとりやすい開放感のあるキッチン

もともとは光が入りにくく暗い印象だったダイニングキッチン。壁を取り払って大きなリビングダイニングキッチンに変えることで、開放感のある明るいキッチンへと変わっています。

動線の良い2列型キッチン

リフォーム前は対面キッチンでしたが、キッチンの向きを変え、さらにコンロとシンクを2列に分けるというレイアウトの変更も行っています。2列型のキッチンは、体の向きを変えるだけでシンクやコンロに移動できるため、動線の良さが魅力です。

作業スペースの広い大きなキッチン

壁付けのI型キッチンからL型キッチンにレイアウトを変更。作業スペースをしっかりと確保しています。キッチン横の壁も取り払い、開放感のある印象に変わりました。

まとめ

水回りの移動をともなうリノベーションは、配管の移動や電気工事が必要なため大掛かりです。場合によっては、希望の位置に移動ができないこともあります。特にマンションでは管理規約や床下の状態、建物の構造をよく確認するなど注意が必要です。大幅な配管の移動ができない場合は、設備の向きや間取りを変えるだけで使い勝手が良くなることもあります。

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