家というのは、長く住んでいるうちに外壁の塗装が落ちてきて、壁を保護する能力が落ちてきてしまったり、内壁が汚れてきて掃除しても落ち切らない汚れが残ってしまうなど、気持ちよく暮らしていけなくなってしまう場合もあります。

そのような場合に、壁の塗装を考える必要が出てきます。

外壁の塗装は、雨や風から家を守るという基本性能を維持していくために、定期的に塗装しなおす必要があります。内壁は家の構造的な問題には影響しませんが、住んでいる人の快適さを維持するために塗り替えが必要になります。

それでは、どのようなタイミングで家の塗装を考えればよいのでしょうか。

なんのために壁を塗装するのか

壁の塗装は何のために行われるのでしょうか。壁の塗装の主な目的は2つあります。美しさを保つためと、壁を保護するためです。

外壁塗装の場合は、雨風や日光などの攻撃から壁を守り、家の構造部材を守ることが主な目的です。もちろん、外壁の色を変えると家の印象ががらりと変わるので、家の景観の観点から塗り替えることもあります。

内壁については、美観と壁の保護に加え、いろいろな機能を持っている塗料があります。珪藻土を使った塗料だと消臭抗菌作用が期待でき、下の木地を活かすステイン塗料や、壁を黒板や白板化してしまうような塗料もあります。

内壁の場合
内壁の塗装の目的は、住環境の改善です。内壁の塗装は、汚れた壁をきれいにすることだけではありません。

シックハウス症候群の対策として、珪藻土や漆喰などの塗装をすることで、有害物質を吸着させて、室内環境を改善することができます。

壁一面を黒板化や白板化して、大きなキャンバスにしてしまうこともできます。使わなくなったら、普通の塗料に塗り替えてしまえばよいのです。

マグネットペイントのような塗料もあり、壁に磁石のついた飾りをつけられるようにすることができます。

以上のように、内壁の塗装は、日々の生活をより豊かにするために行われます。

外壁の場合
外壁の塗装の主な目的は、家の性能の維持です。

外壁の塗装が劣化すると、壁が雨水などの侵入を防ぐことができなくなり、家の躯体に入り込んだ雨水が構造材である土台や柱を腐らせてしまう可能性があります。

定期的に外壁を塗装することで対候性を維持することができ、雨や風、直射日光で家が劣化するのを防ぐことができます。

塗装の寿命は、塗料によって変わってきます。一般に値段が高い塗料ほど寿命が長くなります。海や山に近いなどの外的条件によっても劣化の度合いが違うので、地域の業者に相談してみるとよいでしょう。

外壁塗装は費用も高く、施工した後の期間も長くなるので、信頼できる業者選びが重要になってきます。相談にのってもらい、相見積もりをとるなどして失敗のないようにしましょう。

壁の塗装を考える時のポイント

壁の塗装を塗り替えるときに気になるのは、どんなタイミングで塗装を決断するのか、どれくらいの費用がかかるのかということです。

内壁については、それほど高い費用がかかるわけでもないので、思いついたときに実施してしまうこともできるかもしれません。外壁については、1回の塗装に高い費用がかかるので、費用の準備状況を考える必要があるため、すぐに塗装に踏み切るのは難しいでしょう。

塗装を決断する際に、内壁については趣味や好みでタイミングや費用を考えることができるかもしれませんが、外壁については、家の寿命を左右するので、計画を立てて定期的に実施する必要があります。

塗り替えのタイミング
内壁の場合は、構造体を守るために定期的に塗り替える必要はないので、思い立った時がベストのタイミングです。自分のタイミングで塗装に踏み切って問題無い場合が多いです。

外壁は家の構造体を守るために定期的に塗り替えることが望ましいです。内装のリフォームと違い、使い勝手の向上のためのリフォームではなく、家の躯体を維持するためのリフォームなので、優先して行う必要があります。

塗装業界では、10年ごとに塗り替えることが推奨されています。決して安い費用ではないので、外壁塗装の費用は毎月1万円程度を積み立てておくことをお勧めします。

塗装をしないでいた場合は、雨漏りがあるかどうか、壁の表面に塗装の劣化した白い粉などが出ていれば、早急な塗り替えをお勧めします。


塗装費用の相場はどれくらい？
内壁については、多くの場合はDIYで塗り替えても大きな問題は起きません。1部屋1日程度で終えることができ、家族で楽しみながら塗り替えを行っているお宅も多く見受けられます。業者に頼む場合も、1ｍ2あたり1,000円から1,500円程度と言われています。
（参考：リフォームジャーナル）

外壁については業者や素材によって異なり、50万円から120万円程と幅が広いです。足場を組んで作業するなど工数がかかり、期間も1週間から2週間程度かかると言われています。
（参考：価格.com）

最も費用に影響するのは塗料代です。安い塗料は耐用年数が短いものが多いので、長期的な家の維持を考えると割高になる可能性があります。

まとめ

壁の塗装は、家の価値を維持するために行われます。

外壁塗装は家の躯体を維持して、本来の寿命より長い期間にわたって性能を維持することができます。内壁塗装は、家の表情を変えることで、より長い期間満足して暮らすことができるようになります。

家でより長く快適に暮らしていけるように、家の壁の塗装について考える時間を取ってみてはいかがでしょうか。