キッチンをより快適に使いやすくするために、リノベーションするという方法があります。片付けやすく取り出しやすい収納や食器洗い乾燥機、お手入れしやすいレンジフードなど、最新の設備を取り入れると快適さも向上するでしょう。
ただし、マンションにおけるリノベーションにはいくつか注意点があります。どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。
キッチンのリノベーションとは
リノベーションとは、建物に工事を行うことによって新築のときよりも性能を良くしたり、価値を高めたりすることです。キッチンにおけるリノベーションの例としては、キッチン設備を新しいものに交換したり、キッチンの形状を変更したり、位置を移動させたりすることがあげられます。そうすることによって、キッチンをより使いやすく快適にできるのです。
キッチン設備を交換する際の注意点
生活動線をシンプルにしたいなどの理由で、キッチンを移動させる場合もあるでしょう。キッチン自体の形状を変更したり、位置を移動させたりする場合にはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
キッチンの形状について
キッチンの形状には、I型、L型、対面型などがあります。I型は1面の壁に壁付けするシンプルなタイプで、体の向きを変えずに調理できます。L型は2面の壁に対して直角の位置に配置されるタイプで、広いスペースを確保できます。対面型はI型のキッチンに対面するようにカウンターテーブルを配置するタイプで、調理中も家族とコミュニケーションが取りやすいでしょう。
特にマンションは、キッチンスペースが限られていることが多いです。生活動線を考えて、広さに合った動きやすい形状のものを選びましょう。
マンションの排水配管について
マンションは複数の世帯が住んでおり、それぞれの部屋が排水配管を共有しています。そのため、戸建てほど自由にリノベーションできません。
キッチンシンクの下には、排水口からつながった排水配管が床下へとつながっており、流した水が下水に流れます。キッチンを移動する場合は、シンクから排水配管をつなぎなおし、移動したり延長したりする必要があります。マンションにおいては、各部屋の排水配管が合流するパイプスペースが縦方向につらぬいており、これは移動させられません。キッチンとパイプスペースが遠いと、水をスムーズに流すための勾配をつくりにくいため、パイプスペースから離れた位置にキッチンをつくるのは難しいのです。
マンションにおいて、排水配管は床下にあるのが一般的です。構造体の上に木材などで下地をつくり、その上にフローリングなどで仕上げる二重床であれば、床下にスペースがあります。そのため、そのスペースの中で排水配管を移動します。ただ、床下のスペースのゆとりはマンションによって異なるため、移動できる距離も変わります。ゆとりがない場合、長い傾斜がつけられないため、キッチンをあまり移動させられません。
マンションの排気経路について
キッチンには、換気するための排気経路を確保する必要があります。そのための排気ダクトも、排水配管と同じくマンションの各部屋で共有しています。
排気ダクトは天井裏を通って外壁の排気口へとつながっています。排水配管と違って勾配を気にしなくていいため、元の位置から離れた場所にも移動できます。ただし、空気の通り道に梁がある場合は、移動が難しいこともあります。
まとめ
キッチンのリノベーションは、場合によっては排水や排気設備、電気配線などを変える大規模な工事をする必要があります。マンションは構造上、様々な制限があり、さらに管理規約もあるため、何でも自由にリノベーションできるわけではありません。
工事を始める前に、希望するリノベーションができるかどうか管理会社へ確認しましょう。