住宅を建てる際には、事前に建築確認申請をしなければなりません。一方で、改築については申請をしなければならないときと申請をしなくてもよいときがあるので注意が必要です。トラブルを避けるためには、それぞれのケースについて把握しておくのがよいでしょう。そこで今回の記事では、外壁のリフォームをする際に確認しておきたい建築確認申請について解説します。
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建築確認申請とは?
はじめに、建築確認申請について理解しておきましょう。建築確認申請とは国の法律や市の条例などの基準に沿って建てられているのかをチェックする制度のことです。指定された検査機関がチェックして、交付を受けることができれば建築や増改築などを行えます。
建築確認申請は安全性を高める目的で運用されている制度とも言えます。日本は地震、津波、台風などの自然災害が発生しやすい地域のひとつです。建物に不備があると、自然災害をきっかけに倒壊の危険を招いてしまうこもあるでしょう。安心した暮らしを続けるためにも検査機関によるチェックは欠かせないポイントとされます。
建築確認申請の必要・不要を確かめる方法
建築確認申請が必要かどうかを確かめるには建築基準法のチェックをしましょう。建築基準法とは1950年に制定された建物に関する法律のことで、敷地、設備、構造、用途などの最低基準を定めています。このうち第6条では建物の大規模修繕を行う際の規定が定められています。
建物のカテゴリーをチェックする
第6条では建物を第一号から第四号のカテゴリーに分けており、第四号以外の建物の大規模修繕をする際には確認申請をしなければならないことが明記されています。建築確認申請が必要かどうかをチェックするには建物のカテゴリーについて把握しておきましょう。
・第一号
病院、学校、百貨店などの特殊建造物のことで、その用途に該当する部分の床面積が100m2を超えるものを指しています。
・第二号
木造の建造物のうち、3階建て以上、延べ床面積が500m2、高さが13m以上か軒の高さが9mを超える建物のことを指しています。
・第三号
鉄骨造などの木造以外の建造物のことで、2階建て以上、延べ床面積が200m2を超える建物のことを指しています。
・第四号
上記に該当しない建物のことです。
大規模な修繕をする場合、第四号以外のカテゴリーに当てはまる建物については建築確認申請が必要となるので注意しましょう。また、どのカテゴリーに該当するのか分からない場合には、前もって施工業者などに尋ねておくことをおすすめします。
(参考:入間市「建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物とは」)
大規模修繕とは?
大規模修繕とは壁、床、梁、柱、屋根、階段などの主要構造部における過半の修繕や模様替えと定義されています。過半の修繕とは全体の半分を超える修繕工事を指します。過半であるのかのチェックが難しい場合には施工業者に尋ねてみるとよいでしょう。
建築確認申請が必要な外壁リフォームとは?
建築確認申請が必要かあるいは不要かは住宅の大きさだけではなく、リフォーム内容によっても異なります。ここでは、外壁の補修や外壁塗装に関する建築確認申請について見ていきましょう。
外壁の補修
外壁の補修は主要構造部の修繕になるため、第四号に該当しない建物の外壁の補修をする際には申請が必要です。外壁の補修については、規模が小さかったり施工期間が短かったりする場合でも申請が必要です。外壁の室内側のみを修繕する、既存の外壁を残したまま新しい素材で覆う、外装材のみの修繕をするといった場合、必ず申請をしなければなりません。
外壁の塗装
外壁の塗装については主要構造部の修繕に該当しません。使用する塗料、施工期間、塗装の面積に関わりなく、申請は不要です。ただし、壁の状態をチェックした際に大規模な修繕が必要と判断された場合には、申請が必要になる場合もあります。
建築確認の申請方法
建築確認申請をする際には、はじめに施工業者を選定します。実績や建築士の有無などを確かめておくのがおすすめです。
外壁リフォームを依頼する業者が決まったら具体的なプランを決めます。時間をかけて納得のいくプランを立てるようにしましょう。
プランが決まったら建築確認申請の書類を作成します。建築確認申請書、図面、計算書、建物の確認申請書類。検査済証、建築計画概要書、構造計算書などを用意して、市町村役場に提出します。
まとめ
リフォームにおいて建築確認申請が必要か否かは、建築基準法第6条で定められています。第四号以外に該当する住宅については建築確認申請が必要になる場合もあるため、前もって施工会社に相談しておきましょう。
外壁リフォームについても、その規模や内容によって建築申請を必要とする場合があります。建築確認を申請する際には必要書類の提出が求められます。スムーズにリフォームを進めるためにも、施工会社との綿密な話し合いを心がけましょう。具体的なプランを立てながら、外壁リフォームを進めるのがおすすめです。
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