サイプレスは建築材としてよく使用され、住宅の土台や構造材、建具、内装材、ウッドデッキなど用途が幅広いとされています。
そんな幅広い用途のあるサイプレスですが、どのような特徴がある木材なのでしょうか。
サイプレスを使用する際に知っておきたいメリットやデメリットについても解説します。
サイプレスの特徴
サイプレスはオーストラリアが原産の木材です。ヒノキ科カリトリス属の常緑針葉樹で、イトスギやセイヨウヒノキとも言われます。どのような特徴があるのか、詳しくみていきましょう。サイプレスの特徴を以下にまとめました。
・白くてきれいで滑らかな木肌。
・節が多く見られ、木のあたたかみがある見た目。
・光沢がある色合い。
・心材(樹木の中心に近い部分)は赤みのある濃褐色、暗褐色。辺材(樹皮に近い部分)は黄褐色、淡黄色。
・ヒノキの爽やかな香りに似ており、アロマオイルにも使われるほどの良い香り。
・とても堅い材質。
・油分をたくさん含んでいて、水に強い材質。
以上のことから、サイプレスは木のあたたかみが感じられ、白くてきれいな見た目で、香りも良く、堅くて水に強い材質であることが分かります。
サイプレスのメリット
サイプレスの原産地であるオーストラリアにおいて、サイプレスは住宅やガーデン資材に多く使用されてきました。
様々な特徴を持ったサイプレスですが、建築材やガーデン資材に使用する際はどのようなメリットがあるのでしょうか。
防虫性が高い
サイプレスはシロアリにとても強く、薬剤での処理をしなくても防虫対策ができます。なぜそのようなことができるのでしょうか。
サイプレスはシロトネル酸、グアイオール、オイデスモールなどの成分を含んでおり、これらによって防虫性が高められています。
一般的に、シロアリ対策や駆除には薬剤を使用することが多いとされています。ただ、これらの薬剤には、シロアリだけでなく人の体にも影響を与える成分が含まれていることが多いのです。
特に注意が必要なのは小さなお子さんや妊娠している方です。また、シロアリ以外の昆虫や生き物にも薬剤の成分が作用してしまうため、環境への影響もあります。薬剤処理をしなくても防虫効果のあるサイプレスは、人の健康や環境にもやさしい木材だと言えます。
耐久性が高い
サイプレスはゆっくりなペースで成長するため、年輪がつまっていて密度も高くなっています。その結果、材質は堅くなって強度も高く、腐りにくくなるのです。ウッドデッキに使う際など、基本的にはメンテナンスや塗装をしなくても使用できます。
原産地のオーストラリアの発表によると、厳しい条件の下であっても、25年以上の耐久性(心材部分)が期待できるとされています。オーストラリアでは、サイプレスを使って100年以上前に建てられた住宅やウッドデッキが今でも残っているそうです。
加工性が高い
ソフトウッドは加工しやすいものの、耐久性がいまひとつなところが難点です。ハードウッドは、耐久性はありますが加工が難しいとされています。サイプレスは、電動工具があればわりと簡単にカットできます。
また、床板を張るときに少し板が曲がってしまう場合も、比較的簡単に直すことができます。耐久性もあり、加工性にも優れていて、ソフトウッドとハードウッドの良いところを兼ね備えた木材であることがお分かりいただけたと思います。
このように、サイプレスを木材として使用するメリットはたくさんあることが分かりました。住宅部材として耐久性も高く、シロアリにも強いことから、日本住宅金融公庫からは金利優遇措置が適用され、「高耐久住宅向け木材」に認定されています。
サイプレスのデメリット
サイプレスにはたくさんのメリットがありましたが、少ないながらデメリットもあります。
まず、湿度や温度の変化によって多少の反りが出てきます。また、ひび割れやささくれが出やすいのも難点です。
これらが出てくると、素手で触ると怪我をしてしまう可能性がありますが、耐久性に大きな影響はありません。また、サイプレスは天然木のため年月が経つにつれて、シルバーグレーへと変色します。
このような変化が気になる場合は、木材用の保護塗料を使うと、ひび割れや色の変化を防ぐことができます。木材用の保護塗料には、一度塗りで仕上がるものや、嫌な臭いのしないものなどもあるので、ご自身に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
サイプレスは白くてきれいな見た目で香りも良く、防虫性や耐久性、加工性にも優れた木材であることが分かりました。ウッドデッキや内装などにサイプレスを使用することで、木の温もりを感じられる空間を演出できます。
これからリノベーションやDIYをされる際は、サイプレスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。メリットやデメリットを理解した上で、用途に合った木材を選びましょう。