この記事を書いたのは
はせがわ あかね|整理収納アドバイザー
作業療法士として働きながら、整理収納・子育て・インテリアなど暮らしに役立つアイデアを発信。
あなたらしく「暮らしやすい」空間づくりを提案します
こんにちは!片づけクリエイターのはせがわあかねです。
フローリングが主流となった今、自宅に和室を作らないケースや、元々あった和室を洋室へとリノベーションするケースが増えています。しかし、和室に使われる畳には、暮らしが快適になる機能がたくさんあります。そこで今回は、畳の魅力であるその特性と収納を作る場合のポイント、おしゃれなリノベ事例をご紹介します。
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畳の特性と収納のポイント
和室の主役である畳は、日本で古くから使われている伝統的な床材です。これまで、日本の家屋の多くで畳が使われ続けてきたのには、畳に使われる天然素材「い草」に特有の優れた機能があるからです。
中でも最もよく知られているのが、調湿機能。い草が空気中の水分を吸収して、湿度を下げるようコントロールしてくれるのです。湿度の高いジメジメした日には水分を吸収し、逆に乾燥する日は中に溜めていた水分を放出することで、人が過ごしやすい環境を作ってくれます。
他にも、畳には断熱機能、保温機能、防音機能、い草の香りによるリラックス効果など様々な機能を持ち合わせています。
しかし、そんな優秀な床材である畳にもデメリットがあります。それは、定期的なメンテナンスが必要なことです。ジュースやお菓子のクズがこぼれるとカビの原因となってしまったり、重たいモノを置くとい草が傷んで凹んでしまうことも。
こういった特性から、基本的に畳の近くにはモノを置かず必要な時だけ持ち込むスタイルがオススメです。しかし、近くに収納を設けたい場合は、以下の3つがポイントです。
1.「凹み防止グッズ」を用いる
ベッドやチェストなどやむを得ず重たい家具を置かなくてはならない時は、い草が傷つかないよう凹みを防止するアイテムを使いましょう。コルクマットを家具の脚部分より一回り大きく切り取り敷くのも効果的です。
2.「吊り押し入れ」を採用する
畳の面積と収納スペース、どちらも確保できるのが天井から吊るされたような形の「吊り押し入れ」です。コンパクトな和室でも広さを感じられ、置き型の家具を置かずに大容量の収納が可能です。
3.畳部分を「小上がり」にする
畳部分に高さを設けることで、畳の上ではなく下に収納を作ることができます。畳の下ならい草を傷つける可能性も少なくなります。
暮らしに畳を取り入れよう!おしゃれなリノベ事例
ライフスタイルの変化に合わせて、和室から洋室へとリノベーションする事例が増えています。しかし、あえて和室を残し、今の暮らしにフィットした和室空間へ作り変える事例も少なくありません。
そこでここからは、機能的な畳をおしゃれに取り入れたリノベ事例をいくつかご紹介します。
畳スペースに合わせた造作収納
こちらは、寝室+広々としたLDKというシンプルな間取りの中に畳スペースを取り入れている事例です。
畳スペースを広く設け、腰窓の下を有効活用した本棚を造作したことで目線を低く繋げて、より空間を広々と感じられる間取りとなっています。
無骨なアイアンや都会的なサブウェイタイル、和を連想させる畳と一見バラバラなテイストを上手くまとめているポイントは色使い。キッチン背面のタイルに畳の色味に近いグリーンをセレクトしている点も、統一感を演出するポイントとなっています。
収納を限定してフレキシブルに使える畳スペースに
コンクリートの天井に剥き出しの配管、無垢の床…インダストリアルな雰囲気漂うこちらのリノベ事例のワンポイントとなっているのが、この畳スペースです。 あえて大きな収納は造らず使い方を限定しないことで、ライフスタイルに合わせて使えるフレキシブルな空間に。濃い緑色の黒板との相性も抜群です。
まとめ
天然素材という特性上、メンテナンスの難しさや注意点はありますが、それらをしっかり理解すれば畳にはメリットがたくさん。収納の形や他の建具とのバランスを配慮することで、より機能的でおしゃれに畳を取り入れることができますよ。畳のある暮らし、はじめてみませんか?
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