介護を必要とする方が安心してトイレに行くには、手すりなどのバリアフリー対策も大切です。一方で手すりを設置したいものの、手順が分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、トイレに取り付ける手すりの基礎知識をご紹介します。一読すると、手すりの種類や正しい取り付け方などが理解できるでしょう。トイレの手すり設置を検討している方は、このコラムを参考にしてください。
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トイレに手すりを設置するメリット
トイレの手すり設置を検討する際には、まず最初にそのメリットについて理解しておきましょう。一般的には、大きく分けて以下の3つのメリットがあります。
- 歩行を助ける
足腰の衰えで素早い動作が苦手、あるいは足元が不安という方にとって、手すりを設置することは、歩行を楽にする効果を期待できるリフォームと言われます。
- 体への負担を軽減する
体を起こす、立ち上がる、しゃがむなどの動作は体に大きな負担がかかります。手すりを設置すれば、体にかかる負担も軽減できます。
- 転落や転倒などの事故を未然に防げる
介護を必要とする方は筋力が衰えていることもあり、転倒による打撲や骨折などの怪我も心配という声もよく聞かれます。手すりを設置しておけば、転倒事故予防につながるでしょう。
トイレに設置する手すりの種類
手すりを設置する際には、用途や目的に合わせて選ぶのがおすすめです。トイレの手すりは大きく分けて2種類のタイプがあります。
- 便器に固定するタイプ
便器で固定するタイプの場合、便器に腰掛けるときや立ち上がるときに便利です。便器に固定する手すりには、システムタイプとはね上げ式のタイプがあります。他の家族が頻繁に利用する場合には、使わないときにしまっておけるはね上げ式タイプが使いやすいでしょう。
- 壁に固定するタイプ
壁に固定するタイプの場合、便器への移動に便利です。壁に設置する手すりには、水平移動がしやすいI字型、昇降が楽になるL字型、握りやすい波動型、使わないときに折りたためる可動型などがあります。
手すりを選ぶときの注意点
介護目的で手すりを設置する場合には、使用する方の使いやすさを重視しましょう。手すりを選ぶときの注意点は主に以下の3つです。
- 素材を確かめる
主な手すりの素材はプラスチック、木、アルミ、ステンレスなどです。手すりを購入する際には、実際に手に触れてみるのがよいでしょう。また、最近では滑り止め加工を施しているタイプやLED電球を内蔵しているタイプもあります。介護対象のご家族の希望に合わせて選びましょう。
- 太さを確かめる
手すりを選ぶときには太さも確かめます。使いやすいとされる手すりの太さは2.8~3.5cmです。 手すりを握ったときに、指先が触れる程度の太さがベターとされています。ただし手の大きさは人によって異なるので、実際に触ってから選ぶのがおすすめです。
・参考:イリーゼ「最適な手すりで介護負担を軽減!種類や特徴、正しい選び方」
手すりの設置方法
取り付ける手すりを選んだら、取り付けをします。ここでは手すりの設置方法をご紹介します。スムーズに取り付けるために流れを把握しましょう。
手すりの高さを決める
I字型やL字型などの壁に固定する手すりを取り付けるときは、最初に高さを決めましょう。
使用する方の身長によって異なりますが、L字型の場合で床から80cmが目安です。手すりの縦部分は便器から20~30cm前方に固定し、横部分は便座から22~30cm上部の位置に固定するとよいでしょう。使用するご家族と相談しながら位置を決めるのがおすすめです。
手すりの取り付け方法
手すりの高さが決まったなら取り付けをします。手すりには取り付ける際には、最初に柱や下地を確認しましょう。手すりには大きな力が加わるため、安定した場所に設置するのが重要と言われます。壁をたたいてみたりピン式や超音波式の下地探しの装置などを使って確認します。
位置が決まったなら木ネジを使って取り付けましょう。電動ドライバーなどの工具を使うと、女性でも楽に取り付けられます。最後に、しっかりと固定されているのかをチェックしたら終了です。
自分で手すりを設置するのが難しい場合
家族のために手すりを設置したいものの、自分で取り付ける自信が無いという方もいるでしょう。難しい場合には専門業者に依頼するのがおすすめです。トイレの手すりのリフォームを扱っている業者は、工務店、ハウスメーカー、建築事務所などです。
専門業者に依頼する際には、費用の目安を把握しておきましょう。複数の業者に見積もりを依頼すればおおよその相場が分かります。また、口コミサイトなどを活用すれば、依頼する業者の評判も分かるでしょう。
まとめ
介護を必要とする方が安心してトイレを利用するために、手すりの設置を検討しましょう。手すりには便器に固定するタイプと壁に固定するタイプがあるので、使用目的や使用者の希望に合わせて選ぶのがおすすめです。
手すりを自分で取り付ける場合には、素材や太さを確かめるとよいでしょう。また、取り付ける位置を慎重に選ぶと、使い勝手も向上します。
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