人気が高まっているインダストリアル系インテリア。無骨さに男心もくすぐられますね。
「今まさにインダストリアル系へのリノベーションを検討中!」という方もいらっしゃることでしょう。しかし本格的に検討していると色々と心配事は出てくるもので、たとえば付き物のむき出し配管について。いったい掃除はどうすればいいのでしょうか?
ここでは、むき出し配管の素材別の掃除方法について考えていきましょう。また、排気ダクトなど高い位置にあるむき出し配管についても考えていきます。
3種類あるむき出し配管
むき出しにするとカッコいい配管は給排水管、電線管、換気ダクトの3つとされます。給排水管や電線管に使わがちな素材はステンレスや鉄、真鍮といった金属。もしくは金属にクロムや亜鉛でメッキをほどこしたものでしょう。塩化ビニールが使われるのは電線管や排気ダクト、アルミ製のものは特に排気ダクトに使われます。
金属製むき出し配管の掃除法
ステンレスや鉄、真鍮などメッキされていない金属配管なら、普段の掃除は固く絞った雑巾などで拭いてやればよいでしょう。しかし金属配管は、どれだけ掃除をしていようとも使っているうちに変色したりサビなどが浮いてくるものです。
スチールウール
むき出し配管に薄くサビが浮いてきたなら、#0000番手など目の細かなスチールウールで磨いてみましょう。スチールウールのメリットは変形しやすく、融通が利くというところ。排水トラップなど曲がった箇所のさび落としならサンドペーパーよりも使い勝手は良いでしょう。
目の細かなスチールウールでは歯が立たないほどサビが進行してしまったなら、目の粗いものを使うかワイヤーブラシを使うとよいでしょう。ワイヤーは柔らかな金属である真鍮製のものがおすすめです。
金属磨き
サビを落とした後の仕上げや、新品同様の輝きを取り戻したいときには金属磨きを使いましょう。日本研磨工業「ピカール」が代表的な商品です。ボロ布に適当な量を取って全体を磨いてやればピカピカに仕上がることでしょう。配管だけでなくステンレス製のキッチンや自転車の手入れ、車の黄ばんだヘッドライトなど様々な箇所に使うこともできます。
古くからある缶入りのもの以外にもチューブタイプの「ピカールケアー」やニオイを抑えた「ピカールネオ」、研磨効果が高い「ピカールネリ」も販売されています。
メッキむき出し配管の掃除法
クロームなどメッキで仕上げられた配管の場合も普段の手入れは同じ。固く絞った雑巾で拭いてやればよいのですが、忘れてはならないのは表面の保護のためにワックスをかけてやること。目的は表面を保護することですから、木製家具用でも車のボディ用でもワックスなら何でも構いません。
メッキの場合、ピカールはNG!
メッキの注意点はピカールなどの金属磨きはNGということ。非常に薄い皮膜であるメッキは研磨剤入りのもので磨いてしまうと、ダメージを負うおそれもあります。効果が高いことで人気のピカールですが、メッキされているものには使わないようにしましょう。
むき出し配管をピカピカにするのは正しいか?
インダストリアル系の流行とともに、一般的になった言葉にシャビーがあります。シャビー(shabby)とは本来、みすぼらしいとか古めかしいといった意味なのですが、インテリアで使うシャビーシックなどの言葉にはマイナスのイメージはないようです。
古くなっている様や少々のボロさは「味」ととらえるのがシャビーですから、金属磨きまで用いてピカピカにせずに、経年の味を楽しむのもよいのではないでしょうか。
壁を伝う配管や天井むき出し配管の場合
洗面所のむき出し排水管と違い、掃除が非常にしにくいむき出し配管もあります。たとえば壁を伝う電線管や、むき出しの天井で存在感を放つ排気ダクトです。これらの掃除方法は固く絞った雑巾で拭くくらい。高い位置にあるむき出し配管なら、ハタキなどでホコリを払うことくらいでしょう。
シャビーを超えてしまったら?
徹底的に掃除ができない箇所のむき出し配管。少々のボロさはシャビーととらえて我慢したとしましょう。しかし度を越えてしまったらシャビーどころではなくなるはず。そんな場合は、塗装することを検討してください。
壁を伝うむき出し配管は壁ごと、天井にある排気ダクトは天井ごと、塗装してみましょう。インダストリアル系のインテリアなら塗装もDIYの方がしっくりくるのではないでしょうか。少々の雑さこそシャビーととらえて大らかにいきましょう。
まとめ
洗面台の下にある排水管のような、完全に独立したむき出し配管ならば、掃除はそれほど難しくはありません。問題は壁に付いていたり、手の届かない場所にあるむき出し配管です。これらは雑巾がけをしてやるか、ホコリを落としてやるくらいしか掃除方法がなさそうです。
徹底的にやるならば内装全てを塗装する勢いで、むき出し配管ごと色を塗ることにチャレンジしてみましょう。見た目はカッコいいけれど掃除が大変、これがむき出し配管です。少々の汚れならシャビーと考えて目をつぶりましょう。