火が付きにくくなったり、電源が入らなくなったり。ガス、IHを問わずシステムキッチンで最も壊れやすいのはコンロです。3大メーカーの延長保証(有償)は8年間が最長となっていますから、10年以上使っているなら寿命と考えるべきですが、キッチン自体はまだ使えるというケースも多いはずです。
こんな場合はコンロの交換でリニューアルを。システムキッチンと一体化しているタイプでも「ビルトイン」IHクッキングヒーターでリニューアルできるのです。ここではビルトインタイプのIHクッキングヒーターへと交換する場合の工事費や機種の選び方についてお話します。
「ビルトイン」IHクッキングヒーターとは?
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キッチンに設置するIHクッキングヒーターには、システムキッチンにピッタリと収まる「ビルトイン」タイプとコンロ台の上に置く「据え置き(据置)」タイプの2種類があります。古いキッチンによく使われている、コンロと一体化していない据え置きタイプについては別の項目で説明していますから、そちらをご覧ください。
(参考:「少し中途半端?据え置き(据置)タイプIHクッキングヒーター」)
キッチンと一体になったビルトインタイプでもコンロの交換は可能です。しかし「ガスからIHへ」の場合と「IHからIHへ」の場合では、工事の内容や費用が変わってきます。
ガスからIHクッキングヒーターへの交換
安全性が高い、手入れがしやすい、調理中に暑くないなど、IHクッキングヒーターには大きなメリットがあります。しかしビルトインIHクッキングヒーターには200Vの電圧が必要ですから、通常の家庭用コンセントでは使うことができません。
工事内容と費用の相場とは?
ガスからIHクッキングヒーターに入れ替えるには「設置工事」とは別に「電気工事」が必要になります。
「設置工事」は古いコンロを枠ごと外して、新しいIHヒーターに入れ入れ替えるだけですから、それほど難しいものではありません。費用は設置枠込みで1万5,000円程度、別途出張料が必要になるかもしれません。3分の2が新しい枠の料金となっており、DIYでも十分可能なカンタンな作業ですが、古いコンロの処分には注意が必要です。
一方でDIYでは難しいのが「電気工事」、200Vが使えるようにブレーカーに手を入れなければなりませんし、キッチンまで配線を持ってこなければなりません。費用はあわせて4万円ほどを見ておきましょう。
これに新しいIHクッキングヒーターの代金を合計したものが、入れ替えの費用になります。
(参考:家仲間コム「IHクッキングヒーター|ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換」)
IHからIHへの交換
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IHクッキングヒーターの寿命は10年程度、多くのメーカーも耐用年数は10年としています。加熱に時間がかかるようになったり、「ブーン」という冷却ファンの音が大きくなったら交換のサインです。
工事内容と費用の相場とは?
「設置工事」は古いコンロを枠ごと外して、新しいIHクッキングヒーターに入れ入れ替えるだけですからDIYでも可能です。ヒーターとは別に取付用の枠が必要になるのと、古いヒーターの廃棄には注意が必要。廃棄方法は自治体によって変わってきますが、手数料の相場は500円ほどです。
工事をプロに任せるなら設置費用の相場は1万5,000円程度、別途出張料が必要になるかもしれません。料金に取付用の枠の代金が含まれているかの確認が必要です。
ビルトインIHクッキングヒーターの選び方
有名どころのメーカーで選ぶ
2014年とデーターが古いのですが「リフォーム産業新聞」によると、IHクッキングヒーターでトップシェアとなっているのはパナソニックで、実に50%となっています。続いて日立グローバルライフソリューションズ(旧:日立アプライアンス)グローバルライフソリューションズ、三菱電機の順になっているのですが、これらが3大メーカーです。
また、それぞれのメーカーごとの機能にも注目。IH対応以外の金属製調理器具が使える「オールメタル」はパナソニックが開発しましたし、操作パネルが上部に集中、使いやすいと評判なのが日立、独自の「びっくリング加熱」を採用している三菱など、それぞれのメーカーはウリとなる機能を持っています。
サイズで選ぶ場合は要注意
ビルトインIHクッキングヒーターで各メーカーは「75cm」「60cm」2種類の幅をラインナップしています。これは天板の幅のことで本体自体の大きさは変わりませんから、好みで選べば良いですし問題なく入れ替えが可能でしょう。
ただ注意しなければいけないのが、ガスからIHの交換などケースごとに制限があること。たとえばパナソニックは、ガスからの交換で60cm幅のものしか推奨していません。事前にメーカーのサービスセンターに確認が必要です。
安いほど良い?!値段で選ぶ
「価格.com」の「人気売れ筋ランキング」(2020年4月)を見てみるとトップは三菱電機の「CS-G318MS」です。理由の一つとして価格が考えられます。同程度グレードのパナソニック製品と比較して1万円ほど安いのです。確かな実績のあるメーカーであれば、割り切って価格で選ぶのも良さそうです。
他にもW数で表される最大火力で選んだり、ヒーターの数(口数)で選んだりと、方法は色々あるのです。最大火力は2,500W(2.5kW)もあれば充分でしょうし、ビルトインタイプなら口数は2つから3つが一般的でしょう。
まとめ
以上、ビルトインタイプのIHクッキングヒーターへと交換する場合の工事費や機種の選び方についてお話してきました。少し駆け足になったのですが、中でも語りきれていないのが、メーカーごとの特徴について。それぞれが独自の工夫をこらしています。毎日使うものですし、時短や効率に大きく関わってくるものですから、少し研究が必要になるでしょう。別項目にまとめておきましたから、ぜひ参考にして下さい。
(参考:「日立IHクッキングヒーターは「ラク旨グリル」に注目!」「「パナソニックならでは!」といえるIHクッキングヒーターはどれだ?」)