ガスレンジに比べるとはるかに掃除がしやすいIHクッキングヒーターですが、それでも汚れは付いてしまうものですね。油汚れが特に付くグリルには、各メーカーとも工夫を凝らしているようです。
また汚れにくいはずの天板もやっぱり汚れてしまうもの。
IHクッキングヒーター掃除に、おすすめの洗剤はないのでしょうか。
IHクッキングヒーターのメーカーが競うグリル掃除のしやすさ
3大メーカーが機能だけでなく、掃除のしやすさでも競っているのがグリルです。中でも掃除のしやすさで頭一つ抜けているのがパナソニック「ラクッキングリル」。もちろん他メーカーもグリルの清掃について知恵を絞っている状況のようです。
パナソニック「ラクッキングリル」
パナソニックIHクッキングヒーターの中・上位機種に搭載されている「ラクッキングリル」の特徴は、グリル庫内が平面設計になっているところです。下位機種はシーズヒーターと呼ばれる電熱線がむき出しになっているのですが、平面ヒーターを採用することで、庫内の面全てをフラットにすることに成功しました。
グリルを使用した後は雑巾で拭くだけで掃除が完了。汚れ残りしにくいのがうれしいですね。
日立「ラク旨グリル」
日立のIHクッキングヒーターに搭載されているのは「ラク旨グリル」。グレードによって数は大きく異なりますが、様々なメニューを自動・半自動で調理してくれます。それだけでなく掃除がしやすいのもラク旨グリルの優れているところ。旧タイプのグリルに比べると調理後の庫内の油の付き方が違うと言われます。
秘密は専用のグリル・オーブン皿。通常よりも底が深く設計されていますから、油の飛び散りが抑えられています。加えてうれしいのが、現行の日立IHクッキングヒーター全てにラク旨グリルが搭載されているところでしょう。
三菱「びっクリアオーブン」
三菱のIHクッキングヒーターの上位機種に搭載の「びっクリアオーブン」は、ノンフライ調理ができることが特徴ですが、掃除のしやすさでも工夫がなされています。それは底面フラット。庫内下部にヒーターを搭載していませんから雑巾での汚れのふき取りがカンタンなのです。
とはいえ、この機能が搭載されているのは上位機種のみ。中・下位機種に搭載されているのは魚を焼くにも水が不要、調理中にひっくり返す手間もいらないというタイプで、これはこれで掃除がカンタンなグリルと言えるでしょう。
掃除しやすい排気口に工夫を凝らすパナソニック・日立
グリルの調理で出る熱風を逃がすために、IHクッキングヒーターには排気口が付いているものですが、ここは掃除が面倒な箇所でもあります。排気に混じる油汚れはしつこいものですし、ゴミが落ちてしまったりするのです。
パナソニック・日立
パナソニックと日立のIHクッキングヒーターの排気口には、上部をおおうパネルの下にカバーが取り付けられています。これは排気口に落ちた食材などを受け止めるためのもの。パネルと同じように外して掃除ができます。
とはいえ両者ともカバーの目は非常に荒いですから、たとえば粉物をこぼしてしまったら受け止めることはできません。拭きこぼしなどで不調が出たら修理をしなければいけないのはどのメーカーでも同じでしょう。
排気口の掃除は基本的に同じ
排気パネルは外して洗剤で水洗い。排気口自体は棒に巻き付けた布で拭く。これはIHクッキングヒーターに共通の手入れ方法です。カバーがあってもなくても同じだと、他のメーカーは考えているのかもしれませんね。
IHクッキングヒーター掃除におすすめな洗剤は？
IHクッキングヒーターの掃除に向くとされる洗剤には様々な種類があります。ここでは「オキシクリーン」や「オレンジクリーナー」、重曹、セスキの4つを取り上げます。
オキシクリーン
溶液に浸しておく「オキシ漬け」が話題のオキシクリーンですが、もちろんIHクッキングヒーターの汚れにも強力な効果を発揮してくれます。特に、拭きこぼれの後に残りがちなヒーターの焦げ付きに有効と言われます。
具体的には、50～60度のお湯に溶かしたオキシクリーンにキッチンペーパーを浸して、焦げ付き部分にのせてオキシパックする掃除方法です。オキシクリーンは油汚れなど家庭内の様々な汚れに効きますから、一つ購入してみてはいかがでしょうか。
リンレイ「オレンジクリーナー」
ご存じの方は多いであろうオレンジクリーナーも、IHクッキングヒーター全体の掃除に使うことができる洗剤です。とにかく強力な汚れ落ち効果が期待でき、他の洗剤と比べると半分くらいの労力で汚れが落ちてしまう感覚です。それでいて98％が天然由来成分で、安心して使えるというのもうれしいところです。
重曹がIHクッキングヒーターの汚れ掃除に効くのはなぜ？
ここまで読んで「洗剤などを使わなくても」と思っている方も多いでしょう。たとえば上で取り上げたIHクッキングヒーターの焦付きも、重曹を少量の水で解いたペーストを塗って、丸めたラップでこすってやれば、意外なほどカンタンに落ちてしまいます。
なぜ重曹がIHクッキングヒーターの汚れに強いかというと、油汚れは酸性だから。重曹はアルカリ性ですから汚れと反応し中和させ、すっきりと落としてくれるのです。
セスキ炭酸ソーダ
IHクッキングヒーターの掃除に重曹と同等、いやそれ以上の効果があるとされるのがセスキ炭酸ソーダです。こちらも重曹同様アルカリ性なのですが、それよりもphが高いのが特徴。しつこい汚れにはより効果があるでしょう。
使い方は重曹と同じ。軽い汚れなら水溶液を作ってスプレーして使いましょう。
まとめ
以上、掃除がしやすいグリルのIHクッキングヒーターについて、そして掃除で活躍する洗剤についてでした。少し前までグリルといえば三菱といわれていたのですが、技術はやはり日進月歩。各メーカーが工夫を凝らしているのですが、グリルに限った印象ではパナソニックが一歩リードしているようです。
また洗剤で注目はインスタグラムを中心に話題のオキシクリーン。酸素の力で汚れを落とす万能洗剤です。IHクッキングヒーターにも強いのはもちろん家中の汚れに効くといいますから、この機会に購入するのも良さそうですね。
