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1.限られたスペースの有効活用
狭小住宅等では、限られたスペースの有効利用の為に、洗面室とトイレを同じ空間にする事があります。トイレと洗面室は同じ水回りという事もあり、境になる壁を無くせる分、狭い空間にも納める事ができます。どうしても、別々の空間にできない時などは、一つの手段としてはありかも知れません。
2.洗面室トイレのメリット
洗面室とトイレを同居させるメリットとは何でしょうか?ここからは、その点について解説をしていきます。
①狭いスペースでも設置できる
冒頭でも説明させていただきましたが、洗面室とトイレを設置する最大のメリットはそれぞれを独立して設置するよりも省スペースで設置できる事です。一般住宅における、トイレの大きさは約1m×1.5m、洗面所は洗濯機も加味しますと、1.5m×1.5m程です。間の壁がなくなる事で、0.1~0.2mの間口を縮める事ができます。住宅にとって、この縮小は他の部位に有効利用できる等、効果は大きいかと思います。
②高齢住宅を考えるとトイレが広い事はメリットあり
老後を迎えると、車椅子などの使用を余技なくされる事はあるかもしれません。高齢になると、自分たちの体に合わせてリフォームする事も多いです。その時、トイレ等は手摺の設置やドアの交換等、スペースが狭いようであれば空間を拡張するなんて事もあります。洗面所と共存させることで、トイレとしての空間は広くなるので車椅子等がそのまま出入りしやすく、利用しやすい空間も作れるでしょう。
3.洗面室トイレのデメリット
メリットについて説明をしてきましたが、デメリットも当然存在します。デメリットをちゃんと理解しておかないと、設置してから想定外だという事になりかねません。ちゃんと理解した上で、検討していきたいものです。
①トイレの臭気
何といっても最大のネックは、トイレの臭気問題ではないでしょうか。トイレはどうしても、排泄物からでる臭気が発生します。トイレ単体で利用するのであれば、臭いが残っていたとしても、トイレだから仕方ないとの認識を持てるものですが、洗面所と同居していると仕方がないとの気持ちも薄らぐものです。洗面所にタオルなどを保管していたら残り香がなんて思う人もいるかもしれません。
②同時使用に難が有り
家族といえども、トイレに入りたい人、洗面所で化粧をしたい人、それぞれ利用したい人がバッティングするなんて事もあるでしょう。お互いが良しとすれば、良いとの考えもあるかもしれませんが、やっぱり別々に利用したいのが普通の心情ではないでしょうか。
4.デメリット対策
悪い事も対策を打てば良しとするという考え方もあります。デメリットがあるから、駄目とするのではなく、いろいろな方策を考えて自分の中で上手く昇華する事ができればデメリットではなくなりますね。
①窓を設置する
臭い対策の一つ目は、トイレ部分に窓を設置する事です。窓は換気方法の重要なポイントです。換気扇でも、もちろん足りるかもしれませんが、窓があれば尚強力なものとなります。
②強力な換気扇
強力な換気扇をつける事も一つの手段です。住宅の場合、トイレの大きさに合わせた、換気扇をつけるのが普通ですが、それよりもワンランク上もしくは洗面所にあがる臭気をしっかりキャッチできる換気扇にするのも良いでしょう。
③カーテンを設置する
別々に使いたいという点については、カーテンを設置するのも有効な方法です。カーテンをつけたら、部屋を別々にしているのと同じではと考えてしまうかもしれませんが、スペースは小さくて済みますし、あるだけで空間を仕切れるという認識ができます。
5.洗面室にトイレを設置する際に気をつけるポイント
洗面室とトイレはもともとは、別々の空間です。ここでは、計画をしていく際に気をつけておくべきポイントを紹介します。
①床材は気を使った方がよい
トイレは尿素によるアンモニア臭などが床材等に飛び散る可能性があります。まめに、掃除が行き届いていれば心配はないかもしれませんが、一度床材にしみ込んだ尿の臭いは取れにくいものです。
今は、臭気を分解する床材なども発売されています。洗面所も含めて、不快な要素にならないような気を使いが必要かもしれません。
②お風呂との兼ね合いにも気を使い
洗面所とお風呂はだいたい隣同士になるパターンが多く、お風呂、洗面所、トイレを同じ空間と捉えねばなりません。家族構成にもよりますが、同時使用を考えた時に一緒にする事がベターなのかは考えておく必要があるでしょう。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか、洗面室とトイレが共存する場合のメリットやデメリットについて説明をしてきました。
最近の住宅では省スペースという意味で、共存する計画もありますが、スペース等が許すのであれば、別々の方がメリットがあるのではないかと思います。しかし、どうしてもそうせざるを得ない状況におかれるのであれば、不自由しないような配慮が必要ですね。
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