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トイレの快適度を上げるウォシュレット大全

1980年ごろから一般に流通し始め、今では多くの家のトイレに導入されているウォシュレット。家探しサイトで絞り込み検索条件の1つに名を連ねるなど、必須機能の一つと考える人も多いのではないでしょうか。マッサージ機能や乾燥機能を備えた商品もあり、まさにトイレの快適性を向上してくれるアイテムです。

そこで今回は、メーカーごとの特徴や費用相場などウォシュレットに関するあれこれをご紹介していきます。

ウォシュレットは温水便座の登録商標だった!

タイトルや冒頭から「ウォシュレット」という言葉を連発していますが、実は「ウォシュレット」は登録商標だということをご存じでしょうか。一般的な製品名としては、温水洗浄便座などと呼ばれます。ウォシュレットというのはトイレメーカーTOTOの登録商標であるため、厳密にはTOTO製の温水洗浄便座=ウォシュレットなのですね。しかし、1980年代に販売が開始されたウォシュレットの知名度は非常に高く、今や一般名称になっています。

実際、2020年創設の「日本ネーミング大賞2020」において、大賞の「鼻セレブ」などと並んで「ウォシュレット」は優秀賞を獲得。温水洗浄便座全体の知名度貢献に寄与したとして高く評価されています。ちなみに、名前の由来は「Let’s Wash!」を反対にしたところからだとか。
(出典:日本ネーミング大賞2020 ウォシュレット)

なお、TOTOと並ぶ大手トイレメーカー、LIXIL(INAX)が販売する温水洗浄便座は「シャワートイレ」という登録商標で販売されています。登録商標ではありますが、この記事では「ウォシュレット=温水洗浄便座の一般名称」として使用していきます。

知っておきたいウォシュレットのタイプ

ウォシュレットはどれも同じと考えがちですが、機能や形状によってタイプが大きく異なります。ここではウォシュレットの主な分類について解説しましょう。

「貯湯式」と「瞬間式」

ウォシュレットは温水洗浄便座という名称の通り、温水スイッチをONにしておくとお湯で洗浄することができます。この時、お湯をどのように供給するかによって商品タイプが異なります。

市販されている物のうち、昔からあるタイプが「貯湯式」。読んで字のごとく、水道管の水を常に一定量温めておくタイプのウォシュレットです。温水を一定量タンクに貯めているので、連続使用してタンク内のお湯が無くなってしまうと水での洗浄になります。常時水を温めているため、電気代も多くなりがち。

経済的かつ機能的なのは、もう一方の「瞬間式」です。こちらは洗浄時に必要な分だけ水を温めるので、連続使用してもお湯が出続け、おまけに電気代を節約することができます。ただし、本体価格は貯湯式の方が安価ですから、価格と機能面のバランスを踏まえて検討する必要があります。

リモコンは手元か壁付けか

ウォシュレットを操作するリモコンの位置も、製品によって2タイプに分けられます。1つは手元にあるタイプ。こちらは「袖リモコン」と呼ばれ、比較的安価なタイプの商品に多いようです。電源が本体と繋がっているので、本体に通電すると同時に使用できるのが特徴と言えるでしょう。

一方、「壁リモコン」と呼ばれるタイプのトイレもあります。比較的ハイグレードの商品に多く、省スペースでスッキリとした印象になるのが特徴。両者で使い勝手はあまり変わらないので、部屋のスペースをどう使いたいかによって選ぶといいでしょう。

メーカー別ウォシュレットの特徴まとめ

ウォシュレットはTOTOの登録商標ですが、温水洗浄便座はTOTO以外のメーカーからも販売されています。続いては、主要メーカー3社ごとの主な特徴について簡単にご紹介していきます。

総合的に性能が高いパイオニア TOTO

 
 
 
 
 
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トイレと言えば、というイメージのあるTOTO。ウォシュレットを広めたパイオニア的存在であり、技術力の高さには定評があります。特に強みと考えられるのが、洗浄力と節水性能の高さ。「トルネード洗浄」と呼ばれる渦を巻く水流によって、少ない水量で効果的に洗浄することができます。トイレの基本的な性能の高さを求める人におすすめのメーカーと言えるでしょう。

除菌・消臭機能に定評のあるLIXIL(INAX)

 
 
 
 
 
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住宅設備の総合メーカーとして誕生したLIXIL。合併前のINAXという名称がよく知られており、TOTOと並ぶトイレメーカーでもあります。LIXILの温水洗浄便座は、プラズマクラスターを使った除菌機能が特徴的。臭いの原因菌を除菌してくれるという優れものです。トイレの臭いや雑菌が気になるという人は、LIXILの便座を検討するといいかもしれませんね。

家電メーカーの工夫が光るパナソニック

 
 
 
 
 
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日本有数の家電メーカーであるパナソニックも、温水洗浄便座を多数製造しています。家電メーカーならではの工夫が見られ、中でも掃除のしやすさには定評があります。陶器ではなく有機ガラス系素材を使用しており、そもそも汚れがつきにくいのが嬉しいところ。家電を思わせるスッキリとしたデザインもポイントです。

ウォシュレットの費用相場

最後にウォシュレット本体の費用相場についてご紹介していきます。ウォシュレットは機能やタイプによってピンキリであり、安価な商品とハイグレードな商品の価格差が大きいのが特色です。

型落ち品で機能が最低限のものであれば1万円台から購入可能。一方で、脱臭・乾燥・除菌といった多機能なハイグレード商品だと、30万円程度かかるものもあります。バラつきはあるものの、中心価格帯は3〜5万円程度と考えればいいでしょう。
(出典:リショップナビ)

まとめ

今回は、トイレの快適性をアップしてくれるウォシュレットのあれこれについて解説してきました。ウォシュレットと一口に言っても、機能やタイプによって特徴や価格が大きく異なります。普段トイレを使う上でどのような部分を重視するのか、優先度を考えた上で製品を選ぶのがおすすめです。