トイレに手すりを設置すれば、足腰が弱い方でも安心して利用できますね。一方で手すりを設置したいものの、取り付ける際の適切な高さが分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、トイレに取り付ける手すりの適切な高さについてまとめました。設置のポイントもご紹介しているので、この記事を読めば正しい設置方法が分かるでしょう。
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トイレに手すりを設置する目的
トイレに手すりを設置する際には、目的を明確にしておきましょう。一般的には、主な目的として以下の4つが挙げられます。
- 力が入らないときの支えになる
トイレを利用する際には座ったり立ったりしますが、足腰が弱いと下半身に負担がかかるでしょう。手すりを利用すれば、上半身でも体を支えられるので安心して体を動かせます。
- 転倒防止になる
足腰が弱いと、バランスを崩して転倒する危険もあります。手すりを設置しておけば、転倒事故の予防にもなるでしょう。
手すりの位置決めに役立つ2つのポイント
手すりを設置する際には、あらかじめ取り付ける場所を決めておきましょう。ここでは、場所を決める上で参考にしたい2つのポイントを解説します。
トイレでの動きを確認する
トイレでの動きを把握しておけば、どの位置に手すりが必要なのかが分かります。主な動作は以下の5つです。
- ドアの開閉
トイレを利用する際には、最初にドアの開閉をします。内開きや外開きのドアの場合には、開閉の動作と共に転倒する恐れもあるでしょう。
- トイレ内での移動
ドアを開けたら便器まで移動します。壁を伝って移動する方もいますが、バランスを崩して転倒する事故も少なくないようです。
- 便座での方向転換
便座に座る際には、あらかじめ方向転換をしなければなりません。足腰が弱いと体の向きを変えるときによろけてしまうこともあります。
- 便座での立ち座り
トイレで用を足すには便座に座らなければなりません。足腰が弱いと、立ち上がったときによろけてしまいがちという話もよく聞きます。
- お尻を拭く
お尻を拭くときに中腰の姿勢になる方もいます。足腰に不安があると、同じ姿勢を保てないことも考えられます。手すりを設置する際には上記の動作のうち、どの動作が難しいのか分析するとよいでしょう。必要な場所に手すりを設置すれば、安心してトイレを利用できます。
どちらの足が動かしにくいのか確認する
足腰が弱い方の場合、どちらの足に不安があるのかを確認しましょう。また、手すりを設置する際には、どちらの手で支えたいのかを決めておきましょう。例えば右足に不安を抱えている方は、右手で手すりを支えるほうが合理的でしょう。また、左利きの方は左側に手すりがあるほうが使いやすいですね。
手すりの適切な高さ
手すりを設置したい場所が決まったなら、手すりの高さを決めましょう。手すりにはさまざまなタイプがあるので、タイプに合わせて高さを決めるのがおすすめです。
手すりの種類と特徴
壁に固定する手すりは、大きく分けて4種類。目的や用途に合わせて手すりを選びましょう。
- I字型
ストレートタイプの手すりです。床に平行に取り付けると、歩行が楽になるでしょう。垂直に取り付けると立ったり座ったりの動作サポートによいとされます。
- L字型
I字型とは異なり、1つの手すりで縦と横の2つの動作をサポートします。便器の近くに取り付けるのがおすすめです。
- 波型
名前の通り波のようにうねっている手すりです。I字型よりもつかみやすいという特徴もあります。
- 可動型
折りたたみが可能な手すりです。普段はコンパクトにたためるので、家族全員でトイレを使用するご家庭におすすめです。
手すりの適切な高さ
手すりの適切な高さは設置する場所によって異なります。シチュエーションごとの適切な高さをご紹介します。
- ドアに取り付ける場合
ドアに取り付けるときは、手の位置と同じ高さに手すりを付けるのがおすすめです。I字型の手すりの場合、肩よりも高い位置に手すりの上部を設置するとよいでしょう。
- 歩行の目的で設置する場合
トイレ室内での歩行の目的で手すりを設置する場合、腕を真っすぐにした状態で手首の位置に取り付けるのがおすすめです。75~85cmの高さに設置するとつかみやすいでしょう。
- 便器の付近に取り付ける場合
便器ではしゃがむ動作が必要なのでI字型やL字型の手すりが便利と言われます。縦の手すりは便器の先端から20~30cmの位置に設置するとよいでしょう。横の手すりは便座よりも23~30cm高い位置に付けると、使い勝手がより向上します。
・参考:手すりをつけよう!グリップグリップ「トイレL型手すりの位置・高さ」
まとめ
トイレの手すりを設置するには、まずはじめにどの位置に取り付けるのかを確認しましょう。トイレではドアの開閉や便座の立ち座りなどの動作があるので、どの動作のときに手すりが必要が見極めることも大切です。また、どちらの足に不安を抱えているのかも考慮してください。
手すりの適切な高さは設置する場所や、手すりの種類によって異なります。どの手すりを取り付けるのかを話し合っておくとよいでしょう。
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