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DIYリフォームする箇所と業者を使う箇所との見極め

DIYリフォームする箇所と業者を使う箇所との見極め

費用を安くするために、DIYのリフォームにチャレンジする人が増えています。DIYとは「Do It Yourself」の略で、業者に任せるのではなく、自分で作業をすることです。
 
リノベーション住宅の流行とともに、メディアでもDIYは多く取り上げられるようになってきました。
 
しかし、リフォームは全てDIYで可能というわけではなく、なかには有資格者でないと工事ができない箇所や、資格不要でも可能な限り業者に任せるほうがよい箇所もあります。
 
この記事では、リフォームのDIYで注意が必要な点を解説します。
 

リフォームに資格が必要な箇所

DIYリフォームする箇所と業者を使う箇所との見極め

まず、家の中には、リフォームの作業をするために国家資格を要する箇所があります。電気や給排水など設備関係の作業です。
 
電気関係の工事や作業
照明の入れ替えや移動などのために、屋根裏の配線をいじったりする場合は、電気工事士法という法律にしたがって、電気工事士という資格が必要です。
 
法律で、第一種電気工事士でなければ、以下の作業・工事をしてはならないと定めています。
 
・電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く。)に取り付け、又はこれを取り外す作業
・電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業
・配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)
 
出典:電子政府の総合窓口(e-Gov)「電気工事士法 施行規則 第二条 第一項」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335M50000400097
 
例えば、電線やケーブルをまとめて配管に入れる、コンセントや照明のスイッチと配線を付け外しするなどの作業は、有資格者でない限りできないことになっています。
 
つまり、照明を交換する作業は、業者に依頼すべきものにあたるので覚えておきましょう(電球の交換は資格がなくても問題ありません)。
 
火災報知器の移動
天井を工事するときに発生するであろう、配線式の火災報知器を移動する作業なども、消防設備士という資格が必要です。
 
ただし、乾電池式の報知器で、ただ天井についているだけのものならば、資格がなくても取り替え・移動をすることができます。
 
給排水関係の工事
配管に手を加えるような工事には資格が必要です。一方、例えばキッチンや浴室にある水栓の交換などは自分で行っても問題はありません。
 
ただし、マンションに住んでいる場合は、止水栓の扱い方を把握しておかないと、床を水浸しにして階下の部屋に漏水してしまうこともあるので、要注意です。

資格は必要ないけれども業者を使うべきリフォームとは

つづいて、工事や作業にあたり特に資格は不要であるものの、その特性から業者に依頼するほうが安全な箇所について解説します。

 
防犯に関係する箇所
防犯性能の確保は、リフォームにあたりとても重要なポイントとなります。玄関扉や窓サッシの取り替えなどは、ただ取り替えるだけではなく、鍵を掛ける部分に注意が必要です。

施錠の部分に粗があると、泥棒にたやすく突破されてしまうので、業者に任せるほうが安心でしょう。

また、マンションの場合は、管理規約の規定により、窓やドアなどを勝手に交換できないので注意が必要です。錠前の交換は自費で可能ですが、鍵をセキュリティ業者に預けているのであれば、預けている鍵も新しくする必要があるので覚えておきましょう。

床材の張り替え
フローリングの張り替えなども、素人が見切り発車で工事に踏み切るのは危険です。例えば、壁に巾木があることに気づかず床材の切り出しなどを始めてしまうと、せっかく買ってきた床材を無駄にすることにもなりかねません。

 必ず事前に採寸して、張り替える箇所の全体像を把握し、床材の必要量を特定してからホームセンターなどへ行くようにしましょう。自信がなければ業者に依頼するほうが安全です。

DIYでペンキを塗るのは意外と難しい

DIYリフォームする箇所と業者を使う箇所との見極め

ペンキ塗りぐらいなら自分でできるのではと思う人は多いでしょう。実際に、ペンキ塗りには資格も特に必要ありません。材料と道具さえそろえることができれば、誰にでもできる作業です。

ただし、ペンキをきれいに塗るのは意外と難しく、何も考えずにただ塗るだけならば簡単ですが、落とすのはかなり手間がかかるので、DIYでやるのならば慎重にやりましょう。

一番注意が必要なのは、塗装不要の箇所にペンキがつかないようにするためのマスキングです。これが丁寧にできていないと、隙間からペンキが入り込み、ペンキが飛び散ったかのような仕上がりになってしまいます。

例えば、壁にペンキを塗る際に、マスキングがうまくいかずに足元の巾木にまで塗料が飛散し、巾木まで塗ることになる場合があります。

そのほか、壁紙にペンキを塗るのは危険です。壁紙を張り替えるのは大変そうだけど、ペンキ塗りなら簡単そうと思うかもしれません。

しかし、壁紙は必ず劣化するので、いずれ張り替えることが前提です。このため壁紙は、剥がそうとすれば剥がれやすいようにできています。

 ところが、壁紙にペンキを塗ってしまうと、壁紙と壁との間にあるノリとペンキとが固着して、剥がれにくくなってしまうのです。剥がれにくい壁紙を剥がす作業をするために、あとで業者に余計な工賃を支払うことになっては、DIYの意味がなくなってしまいます。

 壁紙をはってある壁を変えたい場合は、新しい壁紙を買ってきて張り替えるか、業者に依頼するほうが無難です。

まとめ

電気や給排水など設備関連の配線・配管については、作業にあたり資格が必要となることを覚えておきましょう。

 床材の張り替えやペンキ塗りなどについては、資格は特に必要ありませんが、作業にあたり注意する点が多くあるので、事前確認をおこたらないようにしましょう。

 または、自信がなければ業者に依頼するようにしましょう。