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床の構造を理解していますか?マンションにおける二重床と直床の違いを徹底解説!

床の構造を理解していますか?マンションにおける二重床と直床の違いを徹底解説!

マンションを購入する際、床材や壁といった表面的な内装に目がいきがちですが、床の構造について考えたことはあるでしょうか。実は、床構造によっては、リノベーション内容に制限がかかる可能性もあるのです。
 
そこで今回は、マンションの床構造について種類や違い、メリット・デメリットを解説していきます。
 

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マンションの床構造には2種類ある

マンションの床は、フローリングが主流となっています。フローリングはあくまでも床の表面であり、フローリングの下にあるのが構造体。マンションの床構造としては「直床(じかゆか)」と「二重床」の2種類があります。
 
かつては直床が主流だったのですが、時代が経るにつれて二重床が誕生したという経緯があるのです。しかし、2011年東日本大震災以降の建築費高騰により、再び直床のマンションも増えています。
 
それでは、直床・二重床とはどのようなものなのか解説していきましょう。 

スラブに直接床材を施工する「直床」

床の構造を理解していますか?マンションにおける二重床と直床の違いを徹底解説!

「直床」とは、床スラブと呼ばれるコンクリートの構造床にフローリングなどを直張りする床構造のこと。日本で団地やマンションの建設が本格化した当初、直床が一般的でした。このため、築年数の古い団地やマンションは直床であることが多いようです。
 
また、先ほども触れた通り、昨今の建築費高騰の影響で直床のマンションが再び増えてきています。直床は二重床に比べて工事費が安価なことに加え、床を上げる必要がなく階高を抑えることができるので、マンション全体を通じての建築費もカットできるというわけなのです。 

スラブとフローリングの間に空間がある「二重床」

床の構造を理解していますか?マンションにおける二重床と直床の違いを徹底解説!

一方の「二重床」とは、床スラブの上に専用の支持ボルトを立てて、その上に床材を張る構造のこと。支持ボルトに防振ゴムをつけることで、床材の安定感を確保しています。
 
その名の通り、床スラブとフローリングの間に空間がある二重構造になっているのが特徴です。床下の空間には、給水管・排水管・ガス管といった配管や配線を通すことができます。
 
なお、二重床は比較的新しい物件に採用されており、築古の中古物件ではあまり見られません。 

直床のメリット・デメリット

床の構造を理解していますか?マンションにおける二重床と直床の違いを徹底解説!

直床と二重床の特徴について解説しましたが、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。順番にご紹介していきましょう。

まずは直床のメリット・デメリットについて見ていきます。実は、直床ならではのメリットというのは少ないのが実情。そこで、先にデメリットを挙げます。
 
 <直床のデメリット>
 ・フローリングの衝撃が直に構造へ伝わるので遮音性が劣る
 ・水回りの位置を変更するなど大規模なリノベーションが難しい
 
1つ目が、遮音性に関するデメリット。特に衝撃音が階下に伝わりやすいのが難点です。ただし、床スラブの厚さが十分にあるマンションであれば、直床でも遮音性は保たれると言われています。
 
また、直床の場合、フローリングに遮音性能の高い床材を使用するのが一般的。最高遮音性能のフローリングを用いれば、二重床にも劣らない遮音性を確保できるのです。遮音性能が高いフローリングはクッション材が取り付けられているため、柔らかい踏み心地になることがあります。人によっては、この独特な踏み心地を苦手に感じる場合もあるので注意が必要です。
 
2つ目は、リノベーションに関するデメリット。直床物件では、床下に配管を通すために水回りのみ二重床となっていることがあります。このような作りだと配管の位置を移動することが難しく、リノベーションの内容が制限される可能性があるのです。
 
ただ、こうしたデメリットも工夫次第でカバーできる場合があるため、一概に「直床だからよくない」とは言い切れません。また、工事費が抑えられる分、直床物件の方が安価になりやすいというメリットもあるのです。 

二重床のメリット・デメリット

続いては、二重床のメリット・デメリットについて解説していきましょう。

二重床のメリット

最初に二重床のメリットとしては、次のような点が挙げられます。

 ・基本的に直床と比べて遮音性が高い
 ・配管を自由に移動できるので、リノベーションの自由度が高い
 
二重床では床スラブとフローリングの間に空間があるため、衝撃音が和らげられます。そのため、1つ目のメリットとして挙げている通り、直床に比べて遮音性が高いとされるのです。
 
そして、二重床のメリットとして特に注目したいのが2つ目。二重床であれば、床下の配管を自由に動かすことができるため、水回りの移動も比較的簡単です。大々的なリノベーションを予定しているなら、二重床の物件がおすすめと言えるでしょう。

二重床のデメリット

対して、二重床のデメリットとして考えられるのは次のような点です。

・新たに二重床にしようとすると天井高が低くなる
・直床に比べるとコストが高い
 
1つ目は、直床物件を二重床に変えようとする際に気をつけたいデメリット。二重床を新たに整備するとなると、床の高さが上がるということになります。結果的に、天井高が低くなってしまうというわけなのです。最初から二重床が前提になっている構造であれば問題ないですが、天井高が限られている物件では、高さを最大限に活かせる直床の方が向いています。

加えて、二重床は直床に比べて手間がかかるため、工事費が高くなりがちなのも難点です。

まとめ

マンションの物件を決める際、床の素材だけでなく、その下の床構造も把握しておくことが大切です。特に大規模なリノベーションを検討しているなら、できる限り二重床の物件を選んだ方が自由度は高まります。一方で、二重床物件に選択肢を絞ってしまうと、なかなか希望の物件が見つからないリスクもあるでしょう。
 
自身の希望と優先順位を整理した上で、床構造も一つの要素として検討材料に組み込むのがおすすめです。
 

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