こんにちは。現場監督ライターのKumaです。今日はフロアタイルについてのお話です。
店舗でよく使われているフロアタイルは、デザイン性が高いものが多いですが、住宅にも使えないかな?と思いませんか。
フロアタイルは、最近注目の素材で住宅に使われることもあります。オシャレな店舗デザインに採用されているように、特にデザイン性の高さが魅力的な床材です。
今回は最近注目の素材、フロアタイルについてご紹介します。
フロアタイルは住宅のインテリアに使いやすい
フロアタイルは、店舗などではよく使われている塩化ビニル製のタイル状の床材料です。木や石などの天然素材をリアルな質感で再現することができる床材で、高級感のある素材です。
それを住宅に取り入れようという動きが最近注目されています。フロアタイルが住宅のインテリアとして向いている理由を3つにまとめてみました。
1.デザイン性が高い
フロアタイルには、本物のようなリアルな色・質感を再現したデザイン性の高い製品が多くあります。一見すると、天然の素材と見分けがつかないぐらいリアルな質感を持つ製品もあります。住宅に取り入れると、まるでカフェやバーのような空間を住宅でも演出することが可能になります。そういった非日常感のある素材として注目を集めています。
住宅用の床材には同じような名前の「クッションフロア」があります。フロアタイルよりもリーズナブルなコストで導入できるシート状の床材で、再現性はフロアタイルには及びませんが、こちらも様々なデザインのものが販売されています。
例えば、サンゲツのフロアタイルとクッションフロアでデザインの数をみてみると、フロアタイルは400種類以上であり、クッションフロアの200種類強と比べての倍以上というラインナップでした。フロアタイルのほうが好みのデザインに出会う可能性が高くなると言えるかもしれません。
※サンゲツの「2019-2021フロアタイル」と「2018-2020 Hフロア」を比較
参考:床材 デジタルカタログ,サンゲツ
2.キズに強い、水に強い、汚れにくい
毎日たくさんの人が行きかう店舗では、キズに強く、水に強く、汚れにくい床材が求められています。フロアタイルは、店舗を中心に使われるだけあり、キズに強く、水に強く、汚れにくいの3拍子そろった素材です。
ですから、フロアタイルは、トイレや洗面所、キッチンといった水回りや使用頻度の高い場所に適しており、土足に対応しているので玄関土間にも使えます。
3.工事費が比較的安い
施工するとなると実際の工事費も気になるところですね。調査したところによると、クッションフロアよりは高くなりますが、フロアタイルの工事費はフローリングと同程度か若干安いようです。
ただし、フロアタイルは材料が高級向きの製品のため、材料費が高くつくことがデメリットとしてあげられます。
参考:経済調査会,積算資料ポケット版 リフォーム編2015,経済調査会
フロアタイルの特徴
住宅のトイレや洗面所、キッチンなどでは「クッションフロア」もよく使われています。クッションフロアは「塩ビ素材シート」です。一方、フロアタイルは「塩ビ素材の板」です。
フロアタイルとクッションフロアの違いは主に3つです。それぞれチェックしてみましょう。
1.デザインの違い
フロアタイルはデザイン性にとても優れています。本物に近い色・質感を追求して作られており、見た目や質感までそっくりに再現している製品が多くあります。
石目調、木目調、タイル調など、バリエーションも豊富で使い勝手の良い床材です。
クッションフロアと比較すると、フロアタイルのほうがより本物に近い仕上がりになっていることが多いのです。
2.構造の違い
フロアタイルは、表面から保護層、印刷層、基材の3層構造になっています。一般的な厚みは2.5mmです。クッション性はありませんが、保護層と基材が硬く強度があり、耐久性・耐摩耗性が高いので、店舗でもよく採用されています。
クッションフロアは、表面から保護層、印刷層、発泡塩ビ層、裏打ち基材の4層構造です。中間の発泡塩ビ層が、独特のクッション性を作りだしています。柔らかいのでキズが付きやすいという欠点があります。
参考:ビニル系床材の特徴と種類,インテリアフロア工業会
3.施工方法の違い
フロアタイルは、材料を床に並べてボンド張りをします。部屋の端は、適当な大きさにカッターで切って張り付けます。1枚が15cm×60cm程度の大きさで、フローリングのよう用に並べて張り付けていきます。製品によって、正方形や六角形の形のものもあります。
クッションフロアは、幅2m程度のロール状のものを広げて伸ばし、ボンドで床に張り付けていきます。継ぎ目なく一枚で仕上げることができます。
フロアタイルの注意点
フロアタイルを取り入れるときの注意点も知っておきたいですね。
取り入れてみたけど、想像していたのとちょっと違ったなんてことにならないように、注意点はしっかりと理解しておきましょう。
1.目地ができる
フロアタイルは、フローリングのように材料を敷き並べる床材です。そのため、必ず目地ができます。製品によっては目地が目立たないものもありますが、近くで見るとどうしても継ぎ目が分かってしまいます。
デザイン上、どこかに目地が来ます。意図しないところに目地が来てしまうこともあります。目地の位置を上手に配置して見栄えが悪い場所ができないように注意する必要があります。
タイル調や木目調の製品は、目地を生かしたデザインパターンの製品もあります。
2.防水性が低い
フロアタイルそのものは防水性に優れていますが、目地から水が浸入することは避けられません。クッションフロアに比べて、防水性が低いものがあるため使う場所によって確認が必要です。
目地部に水が入ると、フロアタイルのボンドが剥がれる恐れもあります。洗面所やキッチン、玄関土間には耐水性のボンドを使う必要があるでしょう。
3.踏み心地が硬い
フロアタイルは、保護層・印刷層・基材の3層構造です。クッションフロアのように、クッション性のある層はありません。そのため踏み心地が硬く感じられます。
また、クッション性がないので防音性に劣ります。足音が他の部屋に響きやすくなります。
まとめ
今回は、最近注目されている素材、フロアタイルについてご紹介しました。
フロアタイルは、そのデザイン性の高さから住宅に採用されるケースも増えています。キズに強い、水に強い、汚れにくいの3拍子そろった優秀な床材でもあります。
住まいのインテリアに合うデザイン性の高い床材を探しているのであれば、検討してみてください。
参考文献
・経済調査会,積算資料ポケット版 リフォーム編2015,経済調査会
・デニス・ジェフリーズ,フロアマテリアル,産調出版株式会社