家づくりでフローリングを選ぶときは、とても慎重になります。
フローリングは、壁紙や家具と違って簡単には交換できません。最近は、北欧スタイルのオークやバーチといったフローリングが流行していますが、本当にそれでよいのか、しっかり迷った上で自分に合ったフローリングを選びたいところです。
たくさんあるフローリングの中で、カエデの木を使ったフローリングは、根強い人気があります。カエデと言ってもピンとこないかもしれませんが、別名メープルと呼ばれ広く知られています。
カエデ(メープル)のフローリングは、ダンスフロアに使われるぐらい丈夫で粘り強い特徴があります。木目の薄い明るい木肌は、お部屋を明るくする効果があります。
今回は、カエデ(メープル)のフローリングの魅力をお伝えします。
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カエデ(メープル)の木でできたフローリングの特徴
カエデ(メープル)のフローリングは、明るい木肌が特長のフローリングです。白~肌色の木肌は広葉樹の中でもカエデ(メープル)が持つ特徴の一つです。
木目は、薄くあまり目立ちません。
そして近づいてみると、明るい木肌に複雑な模様があるのに気づきます。これは、カエデ(メープル)が持つバーズアイ(鳥眼杢)や縮み杢、玉杢などの特徴的な美しい木目です。杢と呼ばれる特徴的な木目が古くから愛されてきました。
フローリングとして、カエデ(メープル)はとても丈夫な材料です。強度があり粘り強く、木肌が傷みにくい特長を生かし、ダンスフロアなどに使われてきました。湿気や水分にも強く、フローリングにとても適した材種です。
カエデ(メープル)のフローリングの費用を他の無垢材と比べる
HAGSアイテム:無垢フローリング コンビットソリッド[ユニタイプ] ハードメープル
カエデ(メープル)のフローリングの金額を、他の銘木と比べてみましょう。比べるのは1坪(タタミ2畳分)あたりの金額です。
カエデ(メープル)のフローリングの金額はおおよそ25,000~50,000円です。供給量も多くなく、幅の広い材料は高い傾向にあります。
三大銘木であるブラックウォールナット、マホガニー、チーク、そして近年人気のあるオーク、サクラ、日本で古くから人気があるパイン、ヒノキと比較してみましょう。
カエデ(メープル)フローリングのメンテナンス
カエデ(メープル)フローリングのメンテナンスは、フローリングの仕上げ方法によって変わってきます。ここではよく使われる3種類の仕上げ方法を見てみましょう。
- 木の内部に染みこむ「浸透性塗料」
- 木の表面に膜を張る「コーティング系塗料」
- 木のそのものを味わう「無塗装」
これ以外にも自然塗料や高性能塗料などがあります。使われる塗料によってメンテナンス方法が違いますので、良く確認しておきましょう。
参考:HAGS 「無垢フローリングの日常の掃除・お無垢手入れ」
浸透性塗料
浸透性塗料は、木の内部に浸透して保護するタイプの塗料です。
普段のお手入れは、乾いたフロアワイパーや雑巾でホコリ、汚れをしっかり取ることが大切です。皮脂汚れやしつこい汚れは専用洗剤で取ります。
取れない汚れは、サンドペーパーで削り取る方法もあります。
1~2年に1度は床全体に同じ塗料や専用メンテナンス材を使ってメンテナンスを行います。
コーティング系塗料
コーティング系塗料は、木の表面に膜を作るタイプの塗料です。
普段のお手入れは、乾いたフロアワイパーや雑巾でのホコリ、汚れ取ります。掃除機を使ってもかまいません。コーティング膜が強固なので、しつこい汚れも比較的簡単に落ちます。
浸透系塗料と違い、サンドペーパーは使えません。表面がキズつきます。
1~2年に1度、仕上げに合った専用ワックスを塗るとメンテナンスが楽になります。
無塗装仕上げ
無塗装の場合、ホコリや汚れを乾拭きで取り、つやを出したい場合は、ぬか袋の使用がおすすめです。
自然塗料や高性能塗料など
フローリングによっては、ミツロウやカルバナロウなどの自然塗料や、ガラスフィニッシュなどの高性能塗料を使う場合もあります。
普段のお手入れは、乾いたフロアワイパーや雑巾でホコリ、汚れをしっかり取ることが大切です。皮脂汚れやしつこい汚れ、専用洗剤で取ります。
1~2年に1度行う定期メンテナンスは、それぞれの塗料に合った方法で行います。分からない場合、販売店に相談したり、塗料の取り扱い説明書を確認したりしましょう。
カエデ(メープル)の木について
カエデの木は、広葉樹の仲間で、寒い地域の代表的な樹木です。カナダでは国旗にも使われています。
メープルシロップの原材料、メープルウォーターを取る
メープルシロップは、誰もが知っている甘くておいしい製品です。メープルシロップは、メープルの木から取れますが、その原材料はメープルウォーターと呼ばれる水のような樹液です。
メープルウォーターが取れるのはごく一時期です。雪解けのころ、メープルの木が大地からたっぷりと水を吸い上げるごく一時期に、メープルの木に専用の採取器具を取り付けて集めます。
メープルウォーターの糖度は約3%です。不純物を取り除きながら糖度が約60%になるまで煮詰めるとメープルシロップのできあがりです。
硬さの違うカエデの木
カエデの木は、硬さの違いによりハードメイプルとソフトメープルの2つ分けて使われています。家具や楽器、フローリングとして好まれるのはハードメイプルです。
ハードメイプルは、その名の通り重厚で、硬く粘り強い特性があります。加工したあとの縮みや狂いも少ないので特に好まれて使われています。
日本に多く自生するイエカエデは、ハードメイプルです。寒い地域や標高の高い場所に多く自生します。また街路樹や庭木などにも好んで使われます。北米に多くあるシュガーメープルやブラックメープルもハードメイプルに分類されます。ちなみにメープルシロップはシュガーメープルから取れます。
ソフトメープルは、ハードメイプルに比べて25%ほど強度が低く、柔らかい樹木です。その代わり、ハードメイプルより美しい木肌をしているので仕上げ材などに使われます。レッドメープル、シルバーメープルなどがソフトメープルに分けられます。
まとめ
今回は、カエデ(メープル)についてお伝えしました。
メープルの特長は、白く光沢があり緻密で品のある木肌です。近くで見ると複雑な模様が美しい木肌を引き立てます。
たくさんある材種から選ぶのは大変ですが、一つずつ比べてみてはいかがでしょうか?
参考:誠文堂新光社 村山忠親「原色 木材大事典185種」
参考:株式会社マルホン カタログ「木材見本帳 第8号」
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