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本物の無垢フローリングと見間違うテクスチャも!フローリング材のいろいろ

メンテナンスが大変だったり、キズの付きやすさが気になったり。無垢フローリングの良さは知っているけれどデメリットを耳にして、二の足を踏んでいる方も多いことでしょう。

こんな場合に、おすすめしたいのがフローリングのテクスチャ(見た目)を持つ素材です。紹介するのは無垢フローリングのデメリットを克服したものばかり。近年では技術も進歩しており、本物に迫るものとなっています。

テクスチャの前に…「無垢フローリング」のおさらい

フローリングは大きく、無垢フローリングと複合フローリングの2種類に分けられます。

無垢フローリングは天然木の一枚板を用いたもので、自然由来のやさしい触感や湿度を調節する機能、時とともに味わいを増す表情などが多くの魅力があります。しかし、どんな場合にも無垢フローリングがベストの選択というわけではありません。

たとえばメンテナンスの手間がかかること。無垢フローリングの魅力を活かすには、オイル系塗料で仕上げられたものが良いのですが、この場合、定期的にオイルでメンテナンスする必要があるのです。

またキズが付きやすかったり、水に弱いのも無垢フローリング。自然のものですから、それぞれ品質にばらつきがありますし、空気が乾燥すると縮んで隙間があいたりもします。ひどい場合には、反ったり割れたりもするのです。

本物ならではの木のテクスチャ「突板(つきいた)フローリング」

無垢フローリングに代わって使えるフローリング、最初に後紹介するのは、本物そのままのテクスチャを持ちながらメンテナンスが楽でキズにも強いものができないか?と開発されたのが突板(つきいた)フローリングです。

突板フローリングとは、ベニヤ板などの合板の表面に、薄く削いだ天然木を貼り付けたもの。合板なら品質が一定ですから乾湿による伸縮も起こしにくいですし、表面には薄いとはいえ天然木が貼られていますから、本物ならではのテクスチャを楽しむことができます。

また突板フローリングのほとんどに、耐水性や耐摩性にすぐれたウレタン系の塗装がほどこされています。ごくたまにメンテナンスすればよいという、手間のかからなさも突板フローリングの魅力です。

一方でウレタン系塗料が表面に作る膜は厚いので、無垢フローリングが持つ触感や調湿機能はほぼ失われてしまいます。また、経年変化も起こしづらいのが突板フローリングです。

本物に迫る木のテクスチャ「合板フローリング」

ベニヤ板などの合板の表面に、木のテクスチャを紙などに印刷し、貼り付けたものが合板フローリングです。近年では紙のかわりに、耐水性や耐摩性にすぐれたフィルムを用いているものも登場。無垢フローリングの肌触りを再現したというものまで販売されています。

メリットはメンテナンスがほとんどいらないことと、バリエーションが豊富なことです。

一方でいったんキズがついてしまうと、下地の合板が見えてしまい目立つというデメリットもありますし、見た目はともかく、触感は本物の木には及ばないという声もあります。

キズに強い木のテクスチャ「フロアタイル」

複合フローリングは、無垢フローリングに比べるとキズに強く作られていますが、ほとんどが靴を履いたままの使用を想定していません。ショップやレストランなどの内装に向かないので、そんな場合に用いられるのがフロアタイルです。

フロアタイルのテクスチャは、印刷だけでなくエンボス加工を用いることで、よりリアルな質感が表現されています。キズだけではなく水にも強いので、一般の家庭でもキッチンや洗面所でも使われるようになりましたし、バリエーションが豊富で価格も手ごろなのもうれしいところです。

一方で塩ビ板で作られていますから、クッション性に乏しいというのはフロアタイルのデメリット。小さな子どもが転んだりすると心配です。

素足にやさしい木のテクスチャ「クッションフロア」

ビニール系のシートの下にクッションを入れることで、柔らかな触感を持たせたものがクッションフロアです。木のテクスチャが印刷されており、エンボス加工もほどこされることで、かなりリアルな質感が表現できるようになりました。

水や汚れに強いので、古くから一般の家庭でもキッチンや洗面所の床材に使われてきました。バリエーションも豊富で、価格も手ごろというメリットもあります。

一方で他の床材に比べると耐久性が低いのがデメリット。家具などを乗せると跡が付いてしまいますし、キズが付きやすく目立つのもクッションフロア。傷んだ場所だけを張り替えることはできず、傷みを補修するには部屋全体のクッションフロアを張り替えなくてはいけないのもでメリットです。

まとめ

無垢フローリングに似せるべくテクスチャは日々改良されていおり、一見しただけでは本物と見分けがつかないものも登場していますし、耐摩性や耐久性など無垢フローリングを上回るものすら登場しています。とはいえ湿度を調節する機能や、経年変化の楽しみといった魅力は、無垢フローリングにしかないのも事実。無垢フローリングにするか、似せたテクスチャを持つ床材を選ぶかは難しい問題ですが、じっくり考えて後悔のない選択をおこなってください。